安倍晋三自民党幹事長
安倍幹事長:
改正外為法と特定船舶入港禁止法の議員立法の件では、小林さんには大変活躍してもらった。ご苦労様。これで我が国として、独自の判断で北朝鮮に対する経済制裁を可能にする外交カードがそろった。官房副長官時代からの懸案だった。
小林議員:
一昨年に自民党若手有志6人で「対北朝鮮外交カードを考える会」を立ち上げました。いざというときに万景峰号をはじめ北朝鮮の船一隻の入港すら止めることもできない現状を知ったとき、私も一国民として愕然としました。調べてみれば、北朝鮮の船は年に1,000隻以上も往来しているというのに、そもそもそれを止める法律自体がなかった。それで政府が動かないのなら議員立法で何とかしようということになった。
安倍幹事長:
議員立法を進めるにあたって苦労もあったのでは。
小林議員:
特に特定船舶入港禁止法は一からつくらなければなりませんでしたから。まず、官僚組織の縦割構造の壁にぶち当たりました。内閣官房、外務省、国土交通省など複数の省庁にまたがる法案で、どこの所管になるのか問題になりました。党内でも本当に議員立法できるのかという懐疑的な見方もありました。安倍幹事長の激励、ご支援はメンバー皆、大変心強く思っておりました。
安倍幹事長:
5月の日朝首脳会談をはじめ北朝鮮との交渉において、2月の改正外為法の成立による効果を見ることができた。6月に成立した特定船舶入港禁止法とともに、拉致問題や核問題に対して、北朝鮮側の対応に誠意が見られない場合には、制裁発動も辞さないというメッセージを送り続けることが大事だ。
小林議員:
おっしゃる通りです。法案成立、即制裁発動ということではなく、「外交・防衛上、自国のことは自国で守る」という、これまで一国家として当たり前のことが当たり前でなかった状態が異常でした。
安倍幹事長:
今回の議員立法でも小林さんら若手議員の活躍は目覚しいものがある。
小林議員:
小泉・安倍体制になって益々若手が活躍できる場が増えました。フットワークの良い若手と経験豊富なベテランの先生とのバランスも良くなり、党としても活性化します。
安倍幹事長:
「自民党=ベテラン議員が活躍」と見られがちだが、政策で勝負できる若手がいるのは本当に頼もしい。6月にまとめた「党改革検証・推進委員会」の提言書作成にも小林さんに参加してもらった。小林さんらがまとめた、「政策立案能力を高めるための新しいシンクタンク」を創設することを盛り込んだ。
小林議員 :
ありがとうございます。政治主導の政策立案を実現するためには、政党として官僚に対し、より具体的な代替案を提示できなければならないと考えます。そのためには各議員の政策立案能力の向上が必要不可欠です。もちろん、議員自身の能力・意欲不足に問題はありますが、個人事務所のスタッフや党のサポートシステムも見直す必要があります。現状の過度の役所依存が能力向上の阻害要因となっています。
安倍幹事長:
特に、北朝鮮問題やイラク問題などの安全保障分野や、年金改革などの社会保障分野では、政治主導で進めていかないと国民に納得してもらえない。きちんとした政策のグランドデザインを示した上で、各論に進んでいかないと、場当たり的な議論になってしまう。その意味でも、我が党議員の政策立案能力の向上は大きな課題だ。
小林議員 :
まず、党においては、議員個人の能力向上のためのトレーニングシステムを整備し、政策調査会システムを見直し、自民党独自の政策立案・発信が可能な体制を整えます。また国会においては、国会図書館の政策立案機能の充実、議会事務局の政策部門の充実、政策秘書の職務の明確化と拡充などを通じて、霞ヶ関に比肩しうる政策立案機能を、永田町にも整備することが必要と考えます。そう考えると党内にもシンクタンクを創設する必要があると思います。
安倍幹事長:
シンクタンクの運営資金についても提案していますね。
小林議員 :
シンクタンクの創設にあたっては、「政策立案特別会計」も合わせてつくります。これにより企業・団体からの政治資金を政策目的に限定します。献金する側にとっても目的がはっきりしているのでより出しやすくなり、政治資金の透明性も確保されます。
安倍幹事長:
政治とカネの問題は我が党が率先して取り組まなければならない課題です。我が党が日本の政治と政策のあり方を真剣に考えている事を示すためにも、党改革実行タスクフォースのメンバーとしてしっかりと取り組んでほしい。自民党シンクタンクの創設は党改革の目玉のひとつですから。
また、小林さんが幹事を務めている「立党50年プロジェクト・基本理念委員会」から、6月11日に答申をいただいた。従来の「自由・民主・平和」という理念に加え、国政に対する責任感と自国の安全は自らの責任で守るという気概と使命感が新たに加わり、興味深い内容でした。党としてのあり方、目指す方向性がより明確になったと思っています。
小林議員:
やはり、安全保障、憲法改正、テロ対策など、保守的なイシューについての国民の関心が高まる中、新しい保守の理念をしっかりと打ち出し、新しい保守勢力としての自民党を創るべきです。また、年金など社会保障に対しての関心が高い中、安易な国民負担増に頼らず、行政改革、財政改革を進めて小さな政府を志向し、自立した個人の集合体である国家の実現を目指すべきです。
安倍幹事長:
是非、この答申を踏まえ、立党50年の理念・綱領の策定に向け、党内でさらに活発な議論をお願いします。私もしっかりとバックアップします。
小林議員:
近年、都市部での自民党離れが著しい。都市部の有権者や若い世代の意見を政治に反映できる政党として、さらなる党の活性化を是非お願いしたい。
安倍幹事長:
わかりました。「新世代総理を創る会」もいよいよ始動しましたね。キャンペーンカーの新世代号、ビラ、テーマソング、ホームページどれも中々のできですね。
小林議員:
今後、新世代号で全国キャラバンを開催し、全国各地で街頭演説を行います。インターネットでの投票によるバーチャル総裁選を行い、2005年3月に当選者が決定します。当選者には新世代総理を創る会として次回の自民党総裁選挙への立候補を要請していきます。もちろん、安倍幹事長が最有力候補です。
安倍幹事長:
会のメンバー24人を見ると、他にも選りすぐりで元気な若手がたくさんいますよ。海外経験がある人も少なくなく、国際感覚を併せ持っている。この中から日本のリーダーが出る可能性は充分だ。誰が選ばれるか楽しみです。ところで、小林さんの活躍は目覚しいが、それを動かしている原動力は何ですか。
小林議員:
私は、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で研究員をしていたときに、父の急逝のため福島にある実家の書店・文房具店の後を継ぐために帰国しました。不景気の中、企業経営者として貸し渋り・貸し剥がしなど資金繰りの問題に直面しました。その後ITベンチャー企業を2社起業しました。一つは、金融機関向けソフト開発及びコンサルティングを行う会社。もう一つは、中小企業向けビジネスポータルサイトの運営を行う会社です。そのころの日本は、アメリカなどに比べ、ベンチャーを立ち上げる環境がまだまだ整っていなかった。これらの経験から、もっと現場の実態を考慮した政策が必要であり、その声を立法府に届けることが使命であると感じました。その経験は、今では多くの国会議員が経験し得ない貴重な財産です。松下政経塾で学んだことですが、松下幸之助先生は、「政治とは国家経営である。政治家はまずバランスシートを読める人でなくてはならぬ」とおっしゃっていました。それを肝に銘じ、政治活動していきたいと思っています。
安倍幹事長 :
国の借金は約700兆円あります。是非その経営感覚を活かして欲しい。政策で勝負できる若手議員の一人として今後も党のため、国家のため活躍を期待しています。
小林議員:
党改革を推進し、明日の日本の政治のために精一杯頑張ります。