[2007年7月11日 産経新聞]
「風」どうつかむ
あす公示 現新9氏 臨戦態勢
参院選は12日、公示される。定数3の神奈川選挙区には、自民1、民主2、公明1、共産1、社民1、国民新1、諸派1、無所属1の9候補が立候補の意向を示している。自民、民主、公明が議席を分け合う形で落ち着くとの見方が強かったが、年金問題や事務所費用問題などで自民に強い逆風が吹き始め、民主が勢いを増してきた。
9候補のうち、多くの陣営から一歩リードしていると目されているのは民主の牧山弘恵だ。2年前には、落選はしたものの参院補選に出馬し、約76万票を獲得している。補選後も街頭でコツコツ支持を訴えてきた。年金問題などで自民に逆風が吹いていることも、大きくプラスに作用しそうだ。総合選対本部事務局長の太田恵は「油断は禁物だが、これまでにないいい選挙になりそう」と手応えを語った。
この「風」に神経をとがらせるのは自民の現職、小林温の陣営だ。9日に横浜市内で開いた対策会議で、県連筆頭副会長で県議の新堀典彦は「民主党政権に交代することもありうる」と述べ、引き締めは図った。しかし、県連幹部は「4月の知事選のときもそうだったが、候補者が弱そうだとみると地方議員が身を入れて応援しなくなる。今回も雲行きが怪しくなってきた。これで勝てるのだろうか」と嘆いた。
自民と連立を組む公明の松あきら陣営にも危機感が広がっている。公明党県本部には、「与党として何をやっているんだ」という県民の声が寄せられているという。また、元女優で高い知名度を武器に浮動票を取り込んできただけに、「切り崩されるのではないかという不安はある」(公明党関係者)。現状を「劣勢」と表現し、地道に票の掘り起こしに取り組んでいるという。
「選挙で何が起こるか分からないのが神奈川の特徴」と解説するのは保守系の衆院議員。平成10年の参院選では、3議席に対し自民が2候補、民主が2候補を立てて戦ったが、2議席を民主が獲得、自民は共倒れして共産が議席を得た。「4月の統一地方選では、自転車で遊説した若い候補が大量得票した。神奈川の有権者は移り気で、政策よりも雰囲気で投票する傾向が強い」という。
風に乗りたいのが、民主の水戸将史。県議を3期務めたが、連合が支援を牧山に絞ったため、知名度がなかなか上がらず苦労していた。名前を覚えてもらおうと、テレビの「水戸黄門」のテーマ曲を流すなどしてきた。民主等県連幹部は「浸透はまだまだだが、民主党への追い風が吹くようになって、ようやく戦いができる環境になってきた」と話す。二人三脚で応援している前衆院議員の田中慶秋は「政権交代のため水戸を押し上げる」と意気込む。公示前に、県内1000カ所を目標に街頭演説を行っている。公示後は自転車に乗って遊説をする計画だ。
議席の奪回を目指す共産の畑野君江、党勢拡大を目指す社民の和田茂は、2大政党の谷間に埋没しないよう支持の拡大に躍起になっている。