[2007年7月2日 JANJAN]
有権者と政治家のホンネ「第5回YES!ナイト〜ネットと選挙の最前線」
6月15日、「第5回YES!ナイト」がグロービス経営大学院で開催された。参院選を控えた今回のテーマは、「ネットと選挙」。「自民・民主現役若手トップ議員が語るネットと選挙最前線」と題され、グロービス経営大学院学長の堀義人氏、自民党参議院議員の小林温氏、民主党参議院議員の鈴木寛氏がパネリストとして参加した。
今回のイベントの面白さは、二つある。一つは、ネット選挙の解禁へ向けての自民・民主の攻防の内実が語られること。もう一つは、参加者全員を対象としたグループディスカッションを通して、政治家と20〜40代の若手有権者がホンネでぶつかり合うことだ。
「ネット解禁」思いと現実のギャップ
第一部では、「ネットは選挙に有利か」をテーマに、NPO法人ドットジェイピー理事長の佐藤大吾氏の進行によりパネルディスカッションが行われた。鈴木氏は「新しい何かが出たらパイオニアとして絶対やるのがミッション。『セカンドライフ(3次元の仮想サイバー空間)』で、国会議員としては初めて演説会もした」と述べ、小林氏は「政治家になる以前は、ITベンチャーの経営者をしていた。以前から、ビジネス界と政治のコミュニケーションの必要性を感じていた」と語った。互いに、国会議員の中ではITを使いこなす意欲・技術は最先端。選挙についても、「ネットは有利」と口を揃えた。
だが、現実は、ネット選挙の解禁は実現しないまま、参院選に突入する。「YES!PROJECT」の発起人代表として解禁を唱え続けてきた堀氏は、「なぜ、未だにネットが使えないのか」ともらした。
「ネット全面解禁」を唱える民主党に対し、いくつもの国会を経ながらも法案を通せなかった与党は苦しい立場。小林氏は、自民党の政策形成過程について触れながら、「『解禁』という言葉ではなく『公職選挙法の抜本的な見直し』・『新しい規制』として党内の説得の形を変えている」と、悪戦苦闘しながらも前向きに奮闘する様子を語った。堀氏は、「自民党が全部ダメというわけではない。抵抗勢力があるなら、透明性を増すことによって抵抗できなくなるはず」とし、鈴木氏は「世論を高められなかったマスメディアや日本のネチズンにも責任がある」と語った。
ぶつかり合う「若者と政治家のホンネ」
第二部では、会場の参加者全員が7グループに分かれ、パネリストとともにグループディスカッションを行った。それぞれのグループで、(1)統一地方選挙へ行ったか、(2)何を見て投票の基準とするか、(3)投票にあたり何から情報を得るか、(4)何のホームページを見るか、(5)議員のサイトを見たことがあるか、(6)ネットは情報入手に有効な手段か、などをテーマに思い思いに意見をぶつけ合った。
続いて第三部では、グループディスカッションの発表が行われた。多く挙がったのは、「ネットは有効だがコンテンツが重要」との声。参加者の一人は、「政策も含めて候補者の人間そのものがコンテンツだ。ネットの特性の『双方向性』をうまく組み合わせて、いかにわかりやすく伝えるかが鍵」と答えた。それに対し小林氏と鈴木氏は、「専門的な分野の先端にいながら、専門用語でなく有権者にわかりやすい言葉にすることは難しい」と、悩ましい現実を語った。
また、なかには、「投票所内にパソコンを設置し、投票前に候補者や政党の情報を自由に見られるようにすべき」「街頭演説を聞いている間にも、携帯サイトで候補者が本当のことを言っているか、政策などをチェックできるようにしたい」など、ユーザー側からの率直で自由な発想の意見が述べられた。
解禁へ、思いは一つ
パネルディスカッション・グループディスカッションを通して一貫していたのは、「ネットは選挙に有効」ということに参加者全体が賛同していたこと。国会と有権者の意識のズレは明らかだ。
イベントを終えて堀氏は、「毎回のイベントで新しい発見が多くある。媒体を通して伝わってくる情報と、政治家の生の声のギャップも大きい。『YES!ナイト』を通じて、政治家に関心をもつ人が増えてほしい」と語った。早くから、政治家と若手起業家・有権者をつなぐ運動を行ってきた「YES!PROJECT」。次はどんなイベントを仕掛けてくるのか、民間ならではの試みに今後も注目していきたい。
元記事:http://www.janjan.jp/election/0707/0706280027/1.php
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