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[2006年8月2日 電気新聞]

インドネシアの原子力計画

日本政府、導入支援に意欲

 インドネシアでの原子力発電の導入計画に対して、日本政府が支援に向けて積極的に動き始めている。これまでは民間の取り組みが中心だったが、経済産業省・資源エネルギー庁は06年度にアジアでの原子力発電導入支援事業を創設。日本とインドネシアの閣僚会合でも、二階俊博・経済産業相が日本政府として協力する用意があることを先月31日に伝えた。最近、インドネシアは当初計画を1年前倒ししており、早ければ15年にも初号機の運転開始を予定。07年には入札が行われる見通し。日本政府も官民一体での取り組みを加速させ、日本企業の受注などにつなげていきたい考えだ。

 インドネシアでの原子力発電導入計画については、日本のニュージェックなどの協力で90年代に導入可能性調査(FS)が行われた。当初は03年の運転開始を目標としていたが、90年代後半の通貨危機や政権交代などの影響で計画が中断していた。

 しかし、ここ数年でインドネシアは原油の純輸入国に転じ、原油高騰の影響を受けている。また、工業国への発展には安定した電源が必要なこともあり、最近になって原子力発電の導入計画が進展しつつある。昨年11月にはユドヨノ大統領がAPEC(アジア太平洋経済協力会議)会合を機に、韓国の原子力発電所を視察し、原子力発電の早期導入を関係者に指示した。

 その後、1月末にはエネルギー政策の大統領令で、原子力発電を新エネルギーのひとつとして位置付けた。導入スケジュールも当初の08年入札、10年着工、16〜17年1、2号機運開、23〜24年3、4号機運開からそれぞれ1年前倒しした。

 現在、インドネシア政府内には原子力発電所準備チームが設置されており、エネルギー・鉱物資源省が取りまとめ役を担当する。今後は原子力発電開発政策の大統領令署名・発令された後、インドネシアの関係省庁・機関で構成される「ナショナルチーム」が発足する見込み。

 その一方、インドネシア政府は原子力発電所の建設に向けたファイナンスや事業主体などはいまだ検討中としており、07年の入札実施にはやや不透明感も残っている。

こうした動きに対し、日本も官民での取り組みを本格化している。エネ庁はアジアで原子力発電を導入する国に対して、核不拡散体制や安全規制制度の整備を支援する事業を06年度に創設。日本の専門家を派遣し、安全規制などのノウハウを提供する。現在はインドネシア側とどの分野の専門家を派遣するかなど詳細内容を協議しており、専門家を3〜4回派遣することを想定している。

 また、今年3月には官民合同調査ミッションを派遣。インドネシア側に日本が官民一体で協力する姿勢があることなどを伝えた。7月にもアジア・太平洋エネルギーフォーラムの末次克彦代表幹事を団長とするミッションを派遣し、プルノモ大臣などを訪問した。この際には、プルモノ大臣に原子力発電所の視察について訪日を打診。インドネシア側からはIAEA(国際原子力機関)によるレビューを踏まえたFS改訂への協力要請などがあった。

 さらに、先週27日にラオスで開かれた「ASEAN+3」エネルギー大臣会合では、小林温・経済産業大臣政務官とプルモノ大臣が会談。日本政府の閣僚級としては初めてインドネシアに対する協力の用意があると言及した。インドネシア側からは@原子力発電の導入計画に対してさまざまな国から協力の申し出があるA来年には企業選定に向けた入札を実施したいB日米仏を有力と考えている――などの考えが示されたという。今後、日本の政府・企業にとっては官民一体となった取り組みが正念場を迎えることになりそうだ。

※「ASEAN+3」エネルギー大臣会合についての詳細は、「出張報告 ラオス・ベトナム訪問:2006/7/26〜7/30」をご覧ください。

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