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[2006年6月27日 自由民主]

資源エネルギーの安定供給

人的・投資交流そして経済連携…資源国との関係強化を

 原油価格の高騰など国際エネルギー市場は大きく構造転換し、中国をはじめアジアの需要急増から国際的なエネルギーの需給構造が長期的にタイトであること、我が国では石油を中東に大きく依存する中で石油生産は2030年にピークに達すると予測されていること、欧米や中国等各国もエネルギー安全保障を軸に新たなエネルギー戦略を構築しつつあることなど、現在、資源エネルギー問題を取り巻く状況は過渡期を迎えている。これらの現状を踏まえ、強靱なエネルギー需給構造の実現、対外関係・国際貢献の強化、緊急時対応策の充実を基本視点に、国家としてのエネルギー政策が問われている。
 経済産業省では、2030年までの5つの数値目標を掲げた「新・国家エネルギー戦略」を策定し、私も経済産業大臣政務官として取りまとめに尽力した。(1)省エネ目標。石油ショック以降にエネルギー効率を約37%改善してきたが、さらに30%の効率改善を目指す。(2)石油依存度の低減。石油ショック以降低減してきてはいるものの現在でも50%。2030年までに40%以下の水準を目指す。(3)運輸部門における石油依存度の低減。現在ほぼ100%の石油依存度を80%まで引き下げる。(4)現在約3割を占める原子力発電の推進。今後発電比率4割以上を目指す。(5)海外における資源の自主開発の推進。以上が「新・国家エネルギー戦略」の数値目標であるが、上記の五つの目標の中でも特に、自主開発の推進による我が国のエネルギー資源の安定的確保は、資源の乏しい日本にとって極めて重要な課題である。
 現在、石油埋蔵量の豊富な中東等の地域における新たな探鉱・開発機会の減少や技術的困難さにより資源獲得競争が激化している。海外における石油資源の開発を推進する国際的な石油開発企業は、M&Aによる埋蔵量の拡大、LNGや非在来型石油・ガス資源の開発、深海区域等のリスクの高い未開拓の地域での探鉱活動などを展開せざるを得ない状況となっており、結果として、外資に開放された限られた優良案件に競争が集中している。このような中、我が国が資源の安定供給確保の強化を図るためには、まず、政府・関係機関が一体となって資源国との関係強化のための取り組みを推進すべきである。様々なレベルでの人的交流を拡大するとともに、直接投資の受け入れを含む投資交流、経済連携の強化を図り、関係強化を図らなくてはならない。また、重要な案件に関し、政府関係機関がリスク負担や資金供給等を通じ総合的に支援するための体制の強化を図るべきである。ODAや国際融資、環境プロジェクトなどの戦略的活用の検討が急務である。さらに、天然ガス等の調達力強化に向けた企業間連携や、最先端技術の開発なども支援していくべきである。
 昨年11月、中東地域やスーダン・リビアなど北部アフリカ地域を訪問し各地を視察するとともに、各国のエネルギー担当大臣や石油公団総裁など資源エネルギー問題の責任者と会談を重ねてきた。また、この5月には、中東4カ国の石油・エネルギー大臣らと会談するとともに、油田や製油所、石油積出港などの現場も訪問してきた。既に我が国の利用する原油の90%を依存している中東地域に加え、アフリカ地域での潜在的な埋蔵量を考えれば、エネルギー安全保障上、この地域の重要性が今後益々高まることは間違いない。資源獲得に熱心な中国やインドなどの大国の貪欲なまでの積極性と比べ日本は既に出遅れの感もあり、早急な対応が必要だ。特に、中国の戦略的かつなりふり構わぬ取り組みを見れば、権利獲得のためには国、企業、関係機関といったプレイヤーがそれぞれの役割をしっかり担うと同時に、大きな国家戦略のもとで有機的に連携する必要があると強く感じる。日本が今後も経済発展を持続させるため、地域に偏りなく資源国との関係強化を図り、資源エネルギーの安定供給を実現しなければならない。

 ※この原稿は、自民党の機関紙「自由民主」に寄稿し、掲載されたものです。

プロフィール

昭和39年、福島県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、財団法人松下政経塾入塾(10期生)。渡米し、シャーマン&スターリング法律事務所、ジョンズ・ホプキンス大学国際関係大学院客員研究員。帰国し、ITベンチャー企業を設立。平成13年、参議院選挙にて初当選。参議院自由民主党副幹事長、参議院予算委員会・経済産業委員会・北朝鮮拉致問題特別委員会各理事等を経て、平成17年、第三次小泉改造内閣にて経済産業大臣政務官。