[2007年7月10日 朝日新聞]
横浜、川崎相模原の3市長 “相乗り”ゆえの苦悩
自・民・公の支援で当選 強い支援要請に困惑も
参院選公示を2日後に控え、激戦が予想される神奈川選挙区(定数3) では、大票田である横浜、川崎、相模原各市長の動向に注目が集まる。3市長とも同選挙区に公認候補を擁立する自民、民主、公明各党の実質的な支援を受けて当選しており、“相乗り”ゆえの対応の難しさをにじませている。
横浜市の中田宏市長は06年に自民、民主、公明の支持などで再選した。参院選の応援は「(候補者の)」人、主張、もろもろを含め私なりに判断する。何人か応援するかもしれないが、知らない人の応援はしない」と日ごろの付き合いを重視する。
6月25日の水戸将史氏=民主=の総決起集会にはビデオメッセージで参加。「水戸さんとは十数年の付き合い。政策能力があり、地方の視点で国に伝えられる重要な存在だ」と支援を呼びかけた。一方、今月3日の松下政経塾関係の会合では「小林をよろしくお願いしたい。昨日も若者に『松(あきら氏=公明)でも水戸でもなく、小林だ』と売り込んだ」と同塾同期の小林温氏=自民=を応援。翌4日の定例会見で「松下政経塾関係の人たちに『小林よろしく』と言うのは当然で、その場面で『松あきらよろしく』とは言えないでしょ」と述べ、状況に合わせて複数候補を応援する考えだ。
4月の相模原市長選で故小川勇夫前市長の後継として初当選した加山俊夫市長は、“市民党”の立場から超党派のてこ入れを受けた。後援会幹部は参院選で逆風にさらされる与党の自民、公明の支援要請に困惑気味だ。
関係者によると、加山市長は同市長選の際、自前の候補を擁立しなかった公明党から「2万票」の組織票を分けてもらったとされる。今回の参院選では公明幹部に「今度は貸した分だけ相応の票を出してもらいたい。具体的に何票出せるのか。後援会名簿をもらっただけでは当にならない。5,000票は確実に」と要請したという。
加山市長は地元の自民党衆院議員の陣営からも支援を受けた義理がある。一方に偏れば、“市民党”の政治勢力も揺らぎかねない。それでも「やはり借りを返すのが信義」(後援会幹部)。股裂き状態の中で「いくぶんかの後援会員」に松氏への支援を求める文書を郵送した。
公明は05年の衆院選や今年の統一地方選で支援した自民の衆議院議員や県議陣営にも松氏への支援を要請しており、逆風にさらされる自民議員も股裂き状態だ。
自民、民主、公明、社民推薦で05年に再選した川崎市の阿部孝夫市長は「各党から『中立を守ってくれ』『特定のところに応援に行かないでくれ』と要請されている。応援したい人もいるが、他の人に迷惑をかけられない」と中立を強調。水戸氏の総決起集会には激励メッセージを送ったが「要請があれば私の選挙で応援してくれた方々にはメッセージとか激励文は出す。(自ら)行く予定はない」と述べ、表立った応援はしない姿勢だ。