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ゆたかの考え

[産業再生、企業再生への取り組みと日本経済再強化]

 今春にも稼動する「産業再生機構」の社長並びに産業再生委員長の人事が2月末に固まりました。産業再生機構は、わが国の喫緊の課題として早急に取り組むべき金融機関の不良債権処理を進めるべく、金融機関の貸出債権の買取りや金融機関間の利害調整を担い、企業再生や産業再編を図っていこうとする機関です。このたびトップ人事が固まり、機構を活用した企業・産業の再編・再生に期待が高まるところです。

 国内経済においては、長崎県の大型リゾート施設・ハウステンボスが会社更生法の適用を申請することになりましたが、このように事業再生に向けた動きも本格化してきています。また、一部百貨店や大手建設会社においても金融機関の債権放棄も含めた大型の再生計画が進んでおります。

 こうして見てくると今年は、「産業再生」や「事業再編」、「企業再生」等の言葉がキーワードの1つになりそうです。日本経済再強化に向けて、今まさに行われなければならないことは、元気のある会社を増やしていくということであり、また、どの企業の再生を図っていくのかを選別していかなければならないということだと思います。そのためには、不振企業にとって、経営が厳しい原因がどこにあるのかをはっきりさせていかなければなりません。本業は世の中に受入れられているのか、いつの間にか高コスト構造になってはいまいか、過剰負債が原因なのか、貸し渋りの影響なのか、といった諸点を個別にまず十分見極め、その上で、再生の可能性を判断していくことになります。

 一方、金融機関は、3月に大和銀行・あさひ銀行の統合による「りそな銀行」などが誕生し、大手金融機関の再編劇は当面一段落するようですが、金融機関にとっての不良債権処理は、いよいよ山場を迎えております。

 企業再生を支えるべき金融機関サイドでも、不良債権処理を一気に進めるための大型の自己資本増強策を進展させているようですが、そうした体力面の増強だけでなく、これまで自行の債権保全強化にばかり終始してきたスタンスから、世の中の再編・再生の動きの中で、大手金融機関のみならず地域金融機関においても企業再生の専門部隊を強化するなど、積極的に再編・再生に取り組んでいこうとする動きも現れてきております。

 更に資金供給面においても、これまではなかなか安全資産から外に出ていこうとしませんでしたが、最近の再編や再生に向けた動きの中で、様々な事業体が「企業再生ファンド」を組成しており、「リスク・マネー」の供給も徐々にではありますが起こり始めているように思われます。

 また、産業再生機構の業務は、どうしても大企業を対象とした色彩が強くならざるを得ません。そのため、中小企業の再生については、その地域性の強さや多種多様なケースを想定し、中小企業の再生支援に関する基本的な指針を定めることになりました。各地域において商工会議所を中心に地域の事情に精通したメンバーによる「中小企業再生支援協議会」を設置してきめ細かい再生支援を行うことになります。

 このようなさまざまな取り組みが、業界再編や企業再生をもたらし、ひいては日本経済が立ち直る流れを作り出せるよう期待したいと思います。