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ゆたかの考え

[中小企業活性化に向けて金融機関に期待すること]

 12月3日に「現代用語の基礎知識」が選ぶ2002年の流行語が発表され、大賞の「タマちゃん」のほか「貸し剥がし」が挙げられました。この言葉に象徴されるように、今年は特に経済問題に対する私たちの関心が高まりました。「景気がいつ回復するのか」とか「いや底割れだ」といった景気談義の範囲を越え、日本の経済構造や金融システム全体といった大きな問題につながるような専門用語――「デフレ経済」、「不良債権処理」、「産業再生」、「ハードランディング」等――を、テレビや新聞、書物などで目にしない日はないといってよいのではないでしょうか。残念ながら、これらの専門用語は現実の問題として、特に中小企業にとっては切実かつ大変深刻な状況を生んでいます。

 もちろん、課題は、金融機関の不良債権処理を進め、早く日本の金融を本来の姿に戻すことであり、デフレ経済を克服することです。ただ、では一体それにはどのような道筋をつければよいのか、解決の途上ではどこにどれだけの痛みを伴うのか、といった点まで議論を進めると、エコノミストや事業家、政治家やマスコミなどたくさんの関係者から数多くの意見や分析が提供されています。「他国ではこうした」、「歴史はどうだった」、「経済学理論ではこうだ」などと、広範な論議が活発に行われていますが、未だに大勢を決するほどの結論的な合意がないため、スマートな形で解決するのは極めて難しいのも現実です。

 しかし、一つ一つ行動しなければ、何事も前進しません。私もかつて家業の書店経営に従事していたときに、貸し渋りに苦しみ、月末の資金繰りで頭を悩めました。またベンチャー企業を起こした時には、日本では夢と情熱にはお金を貸してもらえない事実に、愕然といたしました。そんな経験に基づき、11月14日に参議院経済産業委員会の場で、各都道府県の信用保証協会を通じて金融機関からの融資に対して信用保証を行う「中小企業信用保険法」の改正案と、創業・新事業への挑戦を容易にするための「中小企業挑戦支援法」について、与党を代表して質問を行いました。

 一方、11月末には、「金融再生プログラム」の「作業工程表」が提示されました。金融機関には、これを確実に軌道に乗せ進めていくための、思い切った施策を期待したいと思います。それと同時に今はまさに金融機関の「サービス業」としての意義が問われているのではないでしょうか。キーワードは、「信頼回復」の一言に尽きます。お客さまには喜んでもらえているでしょうか。自分たちの論理だけを世の中に押し付けていないでしょうか。日本経済を早く立ち直らせるためにも、これからも日本経済において重要な役割を演じ続けていくためにも、日本の中小企業のことを最もよく知っている日本の金融機関に、今こそ踏ん張って信頼回復に努めてもらいたいと思います。