[第165回 参議院 国際問題に関する調査会 2006年11月22日]
○小林温君
時間もありますので、手短に。
先ほど末松議員からも質問あったんですが、河相局長に。
中間選挙の影響で米国の対北東アジア政策がどう変わるかということで、例えば下院の外交か国際関係委員長になるであろうと言われているラントスさんなんかは、かねてから二国対話、アメリカと北朝鮮を主張されていたと思います。それに限らず、共和党から民主党に議会のマジョリティーが移ったということでいろんな影響が出てくるのではないかというふうに思いますが、特に北朝鮮政策においてどんな影響が考えられるかということをお聞きしたいと思います。
それで、六者協議の首席代表である佐々江局長には、例えば今の枠内では、この前の六者協議への北朝鮮の復帰の条件として分科会のような形でバイをやるということはあり得るんじゃないかと、米朝でですね、というようなことはあったのかもしれませんが、仮に二者協議ということが現実的なものになった場合に、核をめぐる議論で、今まで、中ロ韓がどちらかというと対話で、日米が圧力だというような色分けがされていただろうというふうに思うんですが、こういうバランスに結果的に変化が起きる可能性はないかどうかということが一つの質問でありまして。
先ほど来、日米の緊密度というようなこともありましたが、私は二つあると思いまして、情報の共有の部分で緊密にやるということ、例えば日ごろからいろんなアメリカ側の考え方なりなんなりが日本に伝わってくるということと、それと政策の目標を共有できるということはまた別なのかなという気もするわけでございまして。
ちょっと一つ具体的な質問は、最終的な六者協議なり拉致問題の解決というところの目標として、体制の変更、いわゆるレジームチェンジと、それから金正日体制は維持したままでの北朝鮮が政策変更に応じるという、幾つかのオプションの中で例えばそういう二つのものがあると思うんですが、私は、個人的に考えると、仮に金正日体制で全部ギブアップしたからといって、いろんなことを許してそのままこの体制が永続するということが日本国民の感情からいって許せることなのかというちょっと疑問が残ると思うんです。
ただ、いろんなこれからのアメリカの政策が変わっていく過程の中で、アメリカには十分政策の変更でよしとするという方向に行く可能性があるのではないかというふうに思うんですが、この点について、日米で最終目標の共有というのは果たしてできているのかということについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(河相周夫君)
中間選挙の結果を踏まえまして、議会が、民主党がマジョリティーを上院、下院とも取ったということ、その中で、恐らく議会の声としては民主党の声が当然ながら大きくなっていくということは起ころうかと思います。
そして、御指摘のとおり、民主党の中からは、六者という枠組みもいいけれども、ともかく米朝で直接対話をした方がいいのではないかという声が大きいというのは事実だと思います。それから、一部の共和党の議員からもそういう話は出ているということかと思います。これに対して、私が理解しているところでは、ブッシュ大統領は非常にやはり六者の枠組みから離れないんだということは、かなり確固たる信念として持っておられるというふうに思っております。
これは、御承知のように、クリントン政権のときに米朝の直接交渉でやったのが、まあ枠組み合意と言われるものをつくったわけでございます。それで、その下で北朝鮮は核関連活動をやめて、見返りとして軽水炉を造ると、こういうのが大ざっぱな枠組みだったわけですけれども、にもかかわらず、そういう合意があるにもかかわらず、北朝鮮は着々と核関連活動を続けていたという事実がある中で、やはりブッシュ政権としては、あくまで米朝の対話をやるとしても六者の枠組みの中でやるという、ここはかなり原則的な立場としてブッシュ大統領は固いというのが、私が個人的に思っている見解でございます。
特に、今こういう六者会合が正に動かんとしているわけでございますので、当分は六者会合の行方がどうなるかというところをみんな注視をする、ただ、この六者会合が動かないという、仮にそういう事態に発展したときにどういう議論がまた出てくるかというところは注目をしていく必要があると、こういうふうに思っております。
○政府参考人(佐々江賢一郎君)
今後、六者協議がどういう形になるのか、現時点では必ずしもすべて見通せていないわけでございますが、先ほど河相局長が申し上げましたように、アメリカはあくまでも六者協議の中で米朝は話し合うと、こういう立場を変えておりませんし、今後もそれは基本的な原則は変わらないというふうに思っているわけでございますが、その中で、日米が圧力で中ロ韓が対話というのは、ややちょっと、もう少し、我々は対話と圧力両方必要だというふうに言っておりますし、アメリカ政府もそういうふうに言っております、違う二つの手を持って交渉するというのはそういう意味に言っておりますけれども、韓国も圧力は必要でないということは言っておりません。ただし、ややこの力点が時によって違うということがあることは事実だと思いますけれども。要するに、この圧力と対話をどういうタイミングでうまくバランスさせながらやっていくかということではないかというふうに思っているわけでございます。
そういう意味で、我々は今、国連決議が出て、やはり北朝鮮に対して、ああいう行為の結果やっぱり容認できないということですから圧力を掛けていく、それが当面優先すべき対応だというふうに思っております。それに対して、それを中韓両国も理解しながら、しかしそれだけでやっていくと困るんですねということで言っていると。ですから、彼らも別にこの圧力を否定しているということではないということを是非御理解いただきたいと思います。
それから、日米の協力で、情報の緊密化だけじゃなくて目標をシェアされているかと、つまりその点にはレジームチェンジと申しますか、そういうことも含めてどうなのかというお話ですが、私はアメリカも含めてこれは日本、それからある面では六者の共通のボトムラインといいますか、あれはこの六者協議の共同宣言に書かれております、アメリカは北朝鮮と話合い進めていく上で相互の主権を尊重するということと、平和裏に共存するということを言っております。それからまた、攻撃する意図はないということも言っております。
したがいまして、これを表面的に見ますと、一応今のこの北朝鮮の指導部と申しますか、政権と申しますか、そういうことをあるという前提で協議、話合いをしていくというふうな前提であるというふうに思っているわけでございます。
しかしながら、交渉を進めていく結果、向こう、我々が関知しない範囲でどうなるかはまた別の問題であるというふうに思っております。