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国会発言録

[第164回 参議院 経済産業委員会 2006年6月8日]

小林ゆたか写真

○北川イッセイ君

 次に、今まで非常にネガティブな話が多かったんですけれども、今回のこの改正によって、もっと前向きに、この法律をもっと前向きにどんどん使って、そして中小零細企業が自主的にいろんなことがやっていけるというようなことを経済産業省としても考えておられると思うんですが、そこらのところの期待というか、そういうものについて御説明いただけますか。

○大臣政務官(小林温君)

 今まで北川委員よりいろいろ御質問いただきましたように、法律の制定以降、相互扶助の精神の下、この中小企業組合は中小企業者の事業活動を強力に後押しをしてまいりました。これまでは、これは、御地元の東大阪も中小企業の町でございますので、主として同業種の中小企業者が集まり、そして共同購入、共同生産、共同販売等の事業を実施する組合がほとんどを占めてまいりました。しかし、近年は異業種を含めて中小企業者が連携し、創業あるいは新事業の展開を行う、こういう事例が増加をしております。こうした利用は、やる気と能力のある中小企業の育成、発展という現在の中小企業政策の基本理念にも合致するものであるというふうに考えておりまして、今般の法改正により組合制度の信頼性を向上させるということを目的ともしておりますので、中小企業組合が中小企業者による創業あるいは新事業展開など多方面で更に一層活用される、こういうことを期待をしている次第でございます。

○山根隆治君

 それでは、特定共済組合というのはそれなりに、今お話ありましたように力も持って、経験もある、実績も積んでいるというところでございますから、例えば農協なんかいろんなことをやっていますね、火災共済、生命共済、自動車共済等を一括して取り扱っているわけなんですけれども。今回法律で、これとは別建てでありますけれども、そうした、逆に言うと、企業組合を逆に育てるということで検討するやっぱり余地というのはなかったのかどうか。つまり、いろいろな事業を逆にしっかりと管理する、監視する、監視といいましょうか、チェックする中で育てていくというふうなことの発想はなかったのかどうか、農協とはどう違うのか、まあ法律によって違っていますけれども、この辺の理念というか考え方をちょっと聞かせてください。

○大臣政務官(小林温君)

 今回、火災共済事業については、火災共済協同組合のみが専業的に行うということになっております。これは、火災共済という名前でございますが、中身は火災や台風の損害をてん補するというものでございまして、近年、台風による大災害が発生した場合に多額の共済金の支払が生じるという点で、このリスクが非常に高いという点でこれは専業の組織に行わせるのが適当であるという考え方に基づいて、今回の法改正においても現行法の枠組みを維持させていただきました。

○小林正夫君

 そこで、特に課題の第一番目として挙げられた製品価格の下落というのは、製造業がその中でも六二・二%と最も多い回答を寄せているという実態でした。私は、外国製品との価格競争だとか原油高などコスト要因を価格に反映できていない今日の状況が、大変厳しい状況がその要因の第一位になっている理由かなと、このように私は思っておりますけれども、そこで、この課題について政府としてはどういう取組を行ってきたのか、あるいはこれからどういう取組を行おうとしているのか、このことについてお聞きをいたします。

○大臣政務官(小林温君)

 今、政府参考人からその原因についてはお答えがございましたが、その対策といたしましては、まず政府全体として構造改革を加速、拡大するとともに、デフレからの脱却を確実なものとするために、政府、日本銀行が一体となった取組を行わせていただいております。

 また、個々の中小企業者の立場からすれば、その製品の付加価値を増大をさせる、つまり、安かろう悪かろうではなく、性能や品質に勝る製品を市場に出していただく。そして、景気も改善をしておりますので、日本の消費者や企業というのはそうした製品の質を見極める目というものも元々持っているというふうに考えております。こうした対策が有効であろうというふうに認識をしておりまして、そのため特に中小企業者に対しては、その中小企業者が付加価値を向上させるための経営革新や技術開発に対して予算あるいは金融の措置を活用し、積極的な支援を行っているところでございまして、こうした取組を通じて競争力が強化されていくということを期待しております。

○小林正夫君

 今回の改正で最低出資金規制を導入する、このようにあります。先月の五月一日に施行された会社法では、逆に最低資本金規制を撤廃をして資本金ゼロでも会社がつくれると、こういうことになったわけですけれども、時代の流れという観点から見て、最低出資金規制の導入についてどのように考えていけばいいのか。この件について、政務官、お聞きをしたいと思います。

○大臣政務官(小林温君)

 会社法において最低資本金規制の撤廃が行われ、これ新たな企業群の創出が我が国経済の活性化に不可欠であるということでこういう措置がとられたわけでございますが、この実績については先ほど松副大臣からも御紹介がございました。

 一方、共済事業を行う中小企業組合については、やはり共済の契約者の適切な保護を図る必要性が、特に昨今のいろんな事件、事故が起きている部分を考えても、高くなっているというふうに考えておりまして、このため、組合が大規模に共済事業を行うに際しては、自己資金が極めて少ないまま、その共済掛金のみを当てにして事業を開始することは適切ではないというふうに考えます。

 したがって、事業の健全性が確保されるよう最低限の財務基盤を有する仕組みをつくるということが必要で、今般この最低出資金規制を義務付けることとしたものでございます。

○鈴木陽悦君

 ところで、近年、株式会社の最低資本金規制の撤廃とか、LLPそれからNPO制度が創設されるなどの状況の中で、中小企業組合を活用することのメリットというのがよく分からないんじゃないかという部分も、いろんな声が聞こえてまいります。制度が多様化する状況の下で、役割分担といいますか、制度のこの整理整とんというのも一つ検討されるべきであると考えるんですが、その辺についてのお考えはいかがでしょうか。

○大臣政務官(小林温君)

 組合制度を御指摘をいただいたようなほかの制度と比較した場合に、まず、例えばNPO法人につきましては、これは非営利事業を行う組織体で、例えばまちづくりの推進など不特定多数の利益の増進に寄与するものというふうに考えております。一方で、中小企業組合は、今までもありましたように、共同購買や共同研究開発など、その内容は組合員の共通の利益を追求するための事業組織というふうに分けられるかと思います。

 LLCについては、これ社員によって意思決定や業務決定が行われる。そして、中小企業組合は、総会で理事を選出して、理事会によって意思決定と理事による業務決定が行われ、重要な意思決定については、これは組合員全員によって構成される総会で、これ一人一票の原則に基づき決定をされるということになっております。

 LLPについては、これは法人格を持たない組合であるのに対して、中小企業組合は法人格を有する。

 以上、三つぐらい比較をさせていただきましたが、今回の改正の中で、やはりこの組合制度は相互扶助の精神に基づき、その組合員のために共同販売、共同研究開発など、協同して事業を行う場合にメリットがある組織形態だというふうに我が方では分類をさせていただいております。

○鈴木陽悦君

 ありがとうございました。是非分かりやすい制度ということを強調していただきたいと思います。

 もう一つ伺いたいんですが、組合の立ち上げ、運営などについてサポートする中小企業団体中央会、この中央会のコーディネート機能の強化が大変重要だと思うんですけれども、この概要と今後のその機能の充実、人材面の確保について、どういった計画、そして取組、あるんでしょうか、教えてください。

○大臣政務官(小林温君)

 中央会につきましては、これまで特に中小企業組合の新事業の展開でありますとか経営革新の支援を行ってきたところでございますが、今後、特にこの改正も受けまして、組合員の間のマッチングの場の提供あるいはビジネスが軌道に乗るまでその販路開拓を行うような人材を充実させる予定でございます。

 現在、各都道府県の中央会には九百五十人を超える組合の指導員が配置をされているわけでございますが、一層の資質向上を図るために、特にビジネスの観点から様々なアドバイスができるような資質を身に付けていただくために、様々な形で研修事業の実施を検討しているというところでございます。