[第164回 参議院 経済産業委員会 2006年5月30日]
○藤末健三君
そしてまた、次の話に移らさせていただきますと、今回まちづくりに対して支援措置等を行うということをおっしゃっているわけでございますが、私自身は、やはりこのシャッター街ができた根本の原因は、特に工場などの移転により地方経済が疲弊していることじゃないかと感じています。私自身、比例区でございますんで、いろんな都市を訪れさしていただいている。よく見ていると、工場がなくなった町のシャッターが下りているんですよ。
私、実はこれ調べてみますと、ここ数年でやっぱり数百の工場がリストラ、閉まったり、あと中国に移っているという状況でございまして、また、昨年十二月にこれは経済産業省が出されました地域経済のシミュレーションというのがございます。これを見てみますと、工場や産業、ですから、物をつくって外部に売ってお金をその地域に持ってくるというような産業がなければ、幾らサービス業があっても閉じたような、外部からお金を取ってくるような産業が育たなければその町は疲弊していくというシミュレーションなんですよ。私はこれ正しいと思います。
そういう中におきまして、本当の意味のまちづくりというのは、私は地域に外部から資金を持ってこれるような工場などを造ることが基本じゃないかと思うんですけど、この点につきまして回答いただけますでしょうか。お願いします。
○大臣政務官(小林温君)
御指名いただきましてありがとうございます。
今御指摘の点でございますが、正に地方分権を進めていく中で、今回の法案にもありますように、物づくりの企業がしっかりと、特に直接金融で資金を調達できるような環境整備を進めていくということは極めて大事なことであるというふうに認識をさせていただいております。
これは前にも委員といろんな議論をさせていただきましたが、日本の特に直接金融市場で、逆三角形の図をお示しをいただいてどの部分が欠けているかという中で、ローカル市場の充実ということも御指摘をいただいたかと思います。
この点については、我が省で現在策定中の新経済成長戦略においても、ベンチャー関連税制の見直しやファンドの活性化のための支援などについて特に力を入れて検討を進めているところでございまして、引き続きこの点については力を入れさせていただきたい。そして、この法案の整備の中で、更に中心市街地の活性化にも資するような形で進めていきたいというふうに考えております。
○藤末健三君
これは審議官がよく御存じかもしれませんけど、「モノ作り中小企業三百社」ってあるじゃないですか。この三百社のうち、何社が株式市場に上場し、そして直接金融から資金を調達されているかというのは御存じでしょうか。どなたか御存じの方がおられたらお答えください。
○政府参考人(迎陽一君)
三百社のうち上場を行っておりますのが、これが十六社であるというふうに承知をしております。
○藤末健三君
これだけ立派な企業、たった十六社なんですよ、上場しているのは。調べてみますと、その十六社ほとんどが大都市圏内。だから、地方の中小企業はほとんど上場できていないんですよ。
実際に地方の企業で上場しているところはどこに上場しているかと見ますと、東京証券取引所、大阪証券取引所みたいな感じ。九州にある企業が福岡証券取引所じゃなくて大阪や東京で上場しているんです。ですから、是非とも、地域を振興するに当たってやっぱり資金をどう提供するかというのは重要でございまして、九州の企業が福岡の証券取引所からきちんと資金の提供を受ける、北海道の企業は札幌の証券取引所から資金を提供できるような形を僕はつくらなきゃいけないと思いますけれど、いかがでしょうか。
そしてまた、これは小林政務官に答えていただいた方がいいんですかね、地域の問題と、もう一つあるんです、実は。
現在、マザーズとかヘラクレスというベンチャー新興市場があるじゃないですか。そこにおける製造業の割合を見ると、二割切っているんですよ、実は。東証一部とか見ると、もう三割、四割あります。ですから、本当の意味で、新興市場ですよということを言いながら、中身を見るとドットコム企業ばっかりなんですよね、コンピューターのネットワークとか。こういうきちんとした物をつくる企業がほとんど上場できていないという状況、こういう状況をどう打開するかということについて是非お答えください。お願いします。
○大臣政務官(小林温君)
今ほど御指摘いただきましたように、三百社の中に十六社しか今のところ上場企業がないということは、特にやはりグリーンシート等新興市場との間の上場可能な企業のためのマーケットが存在していないということだろうというふうに思いますので、御指摘いただいたように、いかにその地域の企業がその地域の市場で資金を調達できるようになるかということについては更に力を入れて進めていきたいというふうに思います。
そして、物づくり企業が資金調達なかなかできないというのは数字を見ても明らかでございます。これは前にも議論させていただきましたが、グーグルのような企業がなぜ日本で出てこないかと。しかも、これは東京からでなくて、今御指摘のように、例えば九州から出てきたり、あるいは北海道からその国の産業構造を一変させるような可能性を持った物づくりの企業が出てくるということが、正に日本の産業構造全体のイノベーションにつながるであろうという意識は私も共有をさせていただいております。
ですから、一つには、投資家の保護の問題と上場基準の緩和というものは、これは両面担保していかなきゃならないという部分はございますが、特に地域においてそういう制度を整備するとともに、地域でしっかりと目利きのできる人材の育成等も含めて一体となって環境整備を進めていくということに、正にこれからの地方の時代の到来の中でしっかりと力を入れていきたいというふうに思います。
○浜田昌良君
次に、TMOの関係なんですが、現在の中活法が十分に機能しなかった原因の一つに、期待していたこのTMOが必ずしも十分に機能しなかったという点があるわけであります。今回、このTMOに代えて設置する中心市街地活性化協議会が主体的、機動的であるかどうかというのが、今回の新法案についてその成否を握るわけであります。
そこで、小林政務官にお聞きしたいと思いますが、この中心市街地活性化協議会を市町村レベルの審議会みたいな無用の長物とするのではなくて、個々の商店街ごとのまちづくりの関係者の意見集約、プロジェクト実施機関とすべきと考えますが、見解はいかがでしょうか。
○大臣政務官(小林温君)
この中心市街地活性化協議会でございますが、これは商業者のみならず、地権者や様々なまちづくりに関係を有する方々の意見の集約あるいは具体的な取組を推進していくということを期待されてこれをつくらせていただくわけでございます。このため、この改正法案に基づいて、民間事業者が活性化事業を行う場合には、まず協議会において協議を経て意見集約がなされなければ国の支援の対象とならないということを法律上明記をさせていただいております。このことによりまして、協議会は民間事業者の取組について適切な意見集約が図られる実効性の高い機関として機能するものと考えておりまして、委員がおっしゃるように無用の長物とはならずに、実質的に機能するプロジェクト実施機関としてこれから活用していきたいというふうに考えております。