[第164回 参議院 経済産業委員会 2006年4月18日]
○林芳正君
最初にアジアとの関係を申し上げましたが、実はその会議に小林政務官も御出席でありました。そこでも出たんですけれども、やはり特に我が国の場合はこの狭い国土、資源もないということで、最終的には、今いろんなことを申し上げました、知財をつくるのも技術をつくるのも汗をかくのもみんな人であります。やはり、人、物、金のうちどれか一つということであれば、やっぱり間違いなく人ということになると、こういうふうに思いますが。
一方で、三Kという言葉もあるように、この製造現場、この間も参考人の方もおっしゃっておられましたけれども、なかなか、この現場で汗をかいてこう旋盤回すというのを敬遠をするというような風潮も一方であるわけでございまして、特にこの将来の日本のものづくりを担ってもらう日本の若者というものに対して、どういうふうにこのものづくりの魅力といったようなものを伝えていったり技能というのを高めていったらいいのかと。政府でどういう取組をされておられ、またされていこうとされておられるのか、小林政務官にお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(小林温君)
今、林議員から日中韓の会議についても御言及いただきましたが、人口が一杯いて、国土が広くて、資源のある中国と我が国比べた場合に、やっぱりこの人というものをいかに育て守っていくかということが大事かということも認識を改めてさせていただいた次第でございます。
この法案に先立ちまして、私もいろんなものづくりの現場に視察に行きましたが、例えば企業の中であるいは産業の中でこの人材育成、いろんな形で取り組まれておりますが、うまくいっている部分とうまくいっていない部分がやっぱりあるんだろうと思います。
そういう意味では、今回の法案も含めてきめ細やかな支援策というものが必要だろうというふうに思うわけでございますが、現在まで行っている支援策について少し御説明をさせていただきますと、一つには、ものづくり現場の魅力を伝達する観点から、その中核を担う優秀な人材をものづくり日本大賞によって表彰しております。それから、小学校、中学校、高校において、ものづくり体験などを通じたキャリア教育を推進もしております。一方、その技術を高めるという観点からは、地域の産業界と大学などが連携をし、ものづくり現場の中核となる高度専門人材を育成する事業を行っておりますし、また地域の産業界と工業高等専門学校、これが連携をしてものづくり現場を担う若手技術者を育成する事業も始める予定というふうになっております。
先ほど、世界に誇れる中小企業三百社の公表についてもお触れをいただきましたけれども、この我が国産業の競争力を支えているものづくり中小企業に光を当てるという取組は、例えば、若い人たちが自分の地元にこういうすばらしい企業があるんだということでそのものづくりの企業に例えば入社をされたり、そういうきっかけにもなるという意味で、そのものづくりの機運全体を高めていくことにもなるんだろうというふうに思いますし、こうした取組、それぞれ機能的にあるいはきめ細やかに今後とも進めていきたいというふうに思っております。
○若林秀樹君
外資系企業があっても、国内にある限り、それは当然支援の対象になるべきだと思いますけれど、一方では、ファンド系の投資会社というんでしょうか、どっちかというと企業価値を高めて、ある程度ものづくりでもどんどん買収が始まりつつある。一方では、転売も視野に置きながらそういう動きも出てくると。しかし一方、この支援策は国民のやっぱり税金であると。それを使ってやるからには当然ある判断も必要だと思いますけれど、これについて何かお考えあれば経産大臣の方から伺いたいと思います。
○大臣政務官(小林温君)
もう一度確認をさせていただきますが、今般の施策の目的は、中小企業の基盤技術を高度化し、我が国製造業の国際競争力を強化することにあります。このため、あくまでも、国内に立地し、そして川下企業が求める基盤技術の高度化に取り組む中小企業であれば、今お尋ねの件でございますが、外国資本が参加しているか否かにかかわらず、これは支援の対象になるというのが基本的な考え方でございます。
なお、今回の支援制度のみならず、中小企業支援施策の一般については、これはもう外国資本と国内資本とで差を設けるということは今のところはしておりません。
○若林秀樹君
非常に難しい答えと思いますけれど、要は、私の申し上げたいのは、中小企業四百三十万社あるとしたら、トップの一割、二割というだけじゃなくて、いろんな中小企業がいるわけですから、こういうことに挑戦したいんだということに対して、ある程度やっぱり門戸を広げられるような見せ方というのが私はやっぱり必要なんだろうなというふうに思いますので、本当に小さな中小企業でも、これやったらひょっとしたら申請して受けられたなと、非常にやっぱり意欲もわいてくると思いますので、そういう配慮をよろしくお願い申し上げたいなというふうに思います。
その上で、私もこのものづくり基盤技術の振興施策ということを読みまして、研究開発の推進に関する支援がどのくらいあるんだろうなと、ぱっと見てみますと、結構あるんですよね。ざっと数えて三十弱あるんでしょうか。それが今回の支援策によりましてどういうふうに、まずは質問の第一としては、これまでのこういう支援策がどの程度有効だったのか、そして今回のこの支援策がどういう形でこれフィットしていくのか、そして全体としてどういうふうに整理統合されていくのかというのがなかなかやっぱり見にくいんではないかなというふうに思います。分かりやすく言えば、何がこれまでの方針、施策の中で足りなくて、なぜ今回こうなったかということについても含めて、お答え、幾つかちょっと質問を重ねて言っている感じもしますので、代表としてだれかお答えいただければというふうに思います。
例えば、これ見てみますと、失敗知識のデータベースの整備で百五億円の予算が計上されているんですよね。あるいは一方で新規産業創造技術開発費補助事業で六十一億円、これちょっと古いですけれど、今回の例えば六十四億円に対して、何か非常に凸凹がありながら、本当にこの程度でいいのか。六十四億は決して少ない額でないと思っておりますけれど、その辺の全体像におけるこの高度化支援策がどういう位置付けにあるのかということについて、できる限り分かりやすく御説明いただきたいと思います。
○大臣政務官(小林温君)
ありがとうございます。
まず一つ目の御質問でございますが、これまでの支援策がどの程度有効だったのかということだと思いますが、従来の中小企業に対する技術開発支援策の代表としては、委員も御承知のとおり、中小企業・ベンチャー挑戦支援事業などの、これは研究開発の一定割合を補助する技術開発補助金、こういうものと、試験研究費の一定割合を税額控除できる中小企業技術基盤強化税制などが挙げられるというふうに思います。
例えば中小企業・ベンチャー挑戦支援の前身でありました創造技術研究開発費補助金については、この補助金を通じてその事業化率が三二%に達するなど、資金力に乏しい中小企業の積極的な研究開発やその成果の事業化の促進につながったというふうに理解をさせていただいております。また、税制措置も、中小企業の試験研究への投資のインセンティブとしての機能を果たしてきたというふうに、これも理解をさせていただいておるわけでございます。
また、中小企業・ベンチャー総合支援センターや都道府県の中小企業支援センターなどにおいては、例えば知的財産戦略など経営課題への支援あるいは助言、技術的な支援なども含めて一定の実績が上がっているわけでございまして、これらの今までの実績を整理統合して更に今般の支援策につなげるわけでございますが、このことを通じてものづくり中小企業の一層の強化を図っていくというのがこれまでの実績、さらに今般の支援策の中身だというふうにまずお答えをさせていただきたいというふうに思います。
その上で、今回の中小企業支援策がこの高度化法によってどう整理統合をされるのかということでございますが、ものづくりに対する支援策としては、平成十五年度から十七年度まで、これは金型とロボット部品に関する中小企業者の研究開発に対して重点的に予算措置を講じてまいりました。この成果等も踏まえて、今般、金型やロボット部品のみならず、鋳造、鍛造、メッキなど、ものづくり基盤技術の高度化のための法案を今回提案をさせていただき、関連する各種施策を体系的に推進することとさせていただいております。
この中では、当然昨年度まで行ってきた事業についても新たに組み替えて拡充を図るということになっておりますし、これは特に、後ほどまた論点もあるかと思いますが、製造業の国際競争力にとって重要な技術を特定をして、その高度化に向けた取組を重点的に支援する、めり張りの利いた施策というふうに我々は考えさせていただいているところでございます。
最後に、幾つもの支援メニューが重なっているということでございますが、これはあくまでも使いやすい、そして中小企業者の皆さんにとっては分かりやすい施策として整理統合していくという視点が必要だと思います。
例えば、中小企業の支援策全般については、この委員会でも御審議をいただきましたが、中小企業新事業活動促進法、これは三つの法律を一つに統合するなど利用者にとって分かりやすく整理して必要な充実を行ってきたわけでございますが、こういう考え方を、例えば今回の法案の中でも鋳造、メッキなど特定の技術に、繰り返しになりますが、着目し、その高度化に向けた研究開発を支援していくと。具体的には、法案に基づいて技術別の指針を策定し、その内容に沿った事業者の取組に対して予算面、金融面での支援を集中的に行ってまいります。
ですから、この新しい支援策について御活用をお考えの中小企業の皆さんにとっては、特にこの特定ものづくり基盤技術の開発への支援というものは、今般の新しい法律の下で行うものというふうに整理をさせていただいているところでございます。
○小林正夫君
次の項目ですけれども、四月の十三日に参考人の方にお越しいただきました。同僚の藤末委員の方からも、当日、質問がありまして、要は、いろんな支援を受けるときの手続の関係の質問のときに、大変いろんな手続がふくそうしていて、これを何とかしてくれと、今日、午前中の林委員の質問にもそのお話がありました。大臣からも是非そういうことも検討するという旨のお話もありましたけれども、実は私が、この間、大田区の中小企業をお訪ねしたときに、正にそこの社長さんが同じことを言われていたんです。いろんな支援策はあるんだけれども、それを実際に適用を受けようと思って役所に行っていろいろ聞いてみると、いろんな書類を書きなさいと。なかなか、書くことは余り得意じゃないので、一回駄目でまた次の日行っていろんなこう、そのために自分の工場を何日か空けなきゃいけないと。実際に中小企業というのは、小林さん、自分の工場なんて空けられないんですよと。したがって、是非この手続の簡素化について前向きに取り組んでもらいたいと。このように本当に切実なお話がありました。
したがって、今回法律を審議しているこのまた法律も、いい法律として多分定着をしていくんでしょうけれども、でも、実際に使われなきゃしようがない法律ですから、そのためには、この手続の簡素化をしていくということが私は一つのポイントになっていると思います。
是非このことについて大臣の御所見をお聞かせ願いたいということと、今まで中小企業に対する技術開発支援として、これまで研究開発補助金だとか技術指導あるいは試験研究費の税額控除など、こういうことも実施をしてきましたけれども、実際にこれらの施策を活用してきた企業がどのぐらいあるのか、把握をされていれば報告をいただきたいと思います。
是非この二点について御答弁をいただきたいと思います。
○大臣政務官(小林温君)
前半の手続面についてお答えをさせていただきます。
小林委員には、大田区まで足を運んでいただいて現場の声を聞いていただいたこと、大変有り難いというふうに思います。
これは午前中の議論でもありましたが、申請手続面での負担が意欲を持った中小企業の支援措置利用をちゅうちょさせることがあってはならない、これは深く認識をしておりますし、分かりやすいそして使いやすい制度にしていくということが我々の務めだというふうにしっかりと認識をさせていただいております。
そのため、申請書類や手続については可能な限り簡素化を進めるということが必要だと考えておりますし、今回の法案の具体的な申請手続の詳細は今後検討するということになっておりますが、今の小林委員の御指摘も踏まえて、中小企業者の皆さんにとって利用しやすい制度となるように努めてまいりたいと思います。
また、申請事業者の事務負担を軽減するという観点から、各地の経済産業局や中小企業基盤整備機構においても、この申請についての利用者の視点に立っての指導、助言などを行っていくということも決めておりますので、またこれも是非御活用いただきたいというふうに思います。
○小林正夫君
次の質問ですけれども、四月の十一日の当委員会で大臣の提案理由の中で、製品開発等における大企業との連携協力の関係が弱まり、目指すべき技術開発の方向性を見定めることが困難になりつつあると、このように提案の中で述べられました。その理由を、国際競争の激化で従来の固定的な系列取引が大きく変化したことと、このように指摘をされておりました。
私は、連携協力が弱まってきた原因の一つに、川下の企業とものづくりを行っている川上の中小企業との間の信頼関係が壊れてきているんじゃないか、取引慣行とは違う意味でこの信頼関係が壊れてきているんじゃないかというふうに思うところがあるんです。
先日、参考人の方がお見えになったときに、田先生の方から、中小企業というと下請というイメージがあるのかと、このように先生から質問がされました。そのときに参考人の方からは、外国ではパートナーと言われている、下請という言葉は使うべきではないと、このように参考人の方は答弁をされていました。実態としては、仕事を依頼する川下の大企業は、物を作らせているとか、あるいは言うとおりに従わせる又は川上は下請であると、このような思い込みが残念ながら私はまだ強いんじゃないかというふうに感じておるんです。
発注元の大企業が中小企業を下請との感覚で強い態度で、巧みな言葉でものづくりのノウハウを盗んで、労働力が安い外国で同じものを作らしてしまう、こういうことが起きていて、大企業はずるいとか、あるいは中小企業の技術を盗んでしまう、一生懸命頑張っても報われない、こういうふうに言われる方も多いんです。正に信頼関係がなくなっているんじゃないかというふうに私は思います。
ものづくりは川下と川上の連携が一番大事だと思いますので、大臣はこの信頼関係が崩れてきている、壊れている、こういう指摘に対してどのような御所見をお持ちなのか。それと、この下請という言葉ですね、この言葉をどのように受け止められているのか、このことについて是非大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(小林温君)
今、小林委員御指摘のように、川下の企業と川上企業との間の従来の固定的な取引が変化をしてきていると、これまた事実だというふうに思いますし、そのことによって関係も多様化しているだろうというふうに思います。まず、この両者の情報交換が日々円滑に行われる、信頼関係に懸念が生じないように我々もサポートもしていきたいというふうに思っているところでございます。
そうした中で、今般の施策は、川下企業の求める技術開発の方向性を技術別の指針に取りまとめて公表するということになっております。また、川下企業と川上企業との連携構築にも力を注ぐということになっています。このことによって両者の間に信頼感を醸成する、そして、正に我が国のものづくりの強みの源泉であります川下、川上間のすり合わせを促進をしていくということを目的としています。
なお、下請という言葉でございますが、先日の参考人からもパートナーという言葉もございました。一般的には取引先から製造工程などを請け負う形式、取引の形態を指しておりまして、ほかの多くの法律でもこの下請という言葉が用いられているというのが現状でございます。我々といたしましては、むしろ今回の法案等により現実の取引関係を改善をしていく中で、御指摘のように、その下請という言葉が消極的に受け取られないように努力をしていくということを考えていきたいというふうに思います。
○浜田昌良君
それでは、法案の内容について質問させていただきたいと思いますが、まずこの特定ものづくり基盤技術、これについては鋳造、プレス加工、メッキなど、その相当部分が中小企業において行われ、その高度化を図ることが我が国製造業の競争力の強化又は新たな事業の創出に資する技術とのことでありますが、そこで経済産業大臣にお聞きしたいと思いますが、この特定ものづくり基盤技術について具体的にどういう尺度で網羅的に大臣指定されるんでしょうか。産業界の側から提案でもできるようにすべきと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(小林温君)
私からお答えさせていただきます。
特定ものづくり基盤技術は、ものづくり基本法で指定されているものづくり基盤技術の中から一定の要件を満たすものについて経済産業大臣が指定をいたします。その具体的な要件としては、まず対象となる技術の相当部分が中小企業者によって担われているもの、そして当該技術の高度化が我が国製造業の国際競争力の強化等に特に資するものという規定がされております。
産業界側からの提案ということでございますが、この指定を行うに際しては、中小企業政策審議会において、技術を有する中小企業あるいは川下の製造業者、技術ごとの有識者など、産業界側からの御意見も聴取することにしております。また、その指定の原案はパブリックコメントに付しまして、関係者の方々の御意見を伺った上で指定する技術を決定をさせていただくという手続になっております。
○浜田昌良君
両法律(民活法及びFAZ法、輸入の促進及び対内投資円滑化に関する臨時措置法の両法案を廃止する法律)は、実は当初の期限が一九九五年だったんですけれども、その廃止期限があったものを自治体の要望で一度延長しております。
そこで、小林政務官にお聞きしたいと思うんですが、今般の廃止に際して、このFAZ法、民活法の廃止に対して地方公共団体はどのような御意見だったんでしょうか。
○大臣政務官(小林温君)
民活法及び輸入対内投資法の廃止に向けた検討については、これは従来から地方自治体とも十分な連携、連絡を取ってきておりまして、廃止期限を延長しないことについて地方自治体からも十分な理解を得ております。
また、輸入・対内投資法については、平成十五年の参議院の本会議において、これは行政監視委員会の審議を経てでございますが、輸入・対内投資法に基づく地域輸入促進に関する政策については、意義、役割が薄れてきており、原則として新たな支援は行わないことと決議されているということも併せて御報告を申し上げます。