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国会発言録

[第164回 参議院 経済産業委員会 2006年3月22日]

小林ゆたか写真

○松村祥史君

 私も若い経営者で地方におりましたから、地域の経済団体というのは、経営をただやるだけではなくて、しっかりと地域を守っている。私はこういう単語を使うんですが、地域の防人だと。昨今、地域経済も悪くなりますと、犯罪も多発してまいります。そんな中で、しっかりと家業、企業の経営をやりながら地域をしっかり支えていると、その上でまた子供たちを守ったり、本当に尽力いただいている、このように理解をしております。ですから、こういったところを、こういう組織を充実をさせていく、もっともっと潜在能力を高めていくことが大事であると思っておりますので、是非今後もよろしくお願いをしたいと思っております。

 もう一歩踏み込ませて中小企業政策についてお尋ねしたいと思いますが、地域の中小企業者を見ますと、なかなか、成長段階において特に小規模事業者なんというのは情報の活用方法が下手だなと。いい逸品であるとか技術であるとか持っていらっしゃるのに、これは小が小たるゆえんであるわけですけれども、なかなか活用し切ってないなと、こういうことを目の当たりにすることがございます。いろんなアドバイスをいたしますが、やはり企業体系が小さいゆえに、なかなかそのことを分かっていてもできないと、こういった方々がたくさんいるなと。逆に言うと、日本にはそういった方々がまだまだ埋もれていると。そういったものにもう一歩踏み込んで、国としても、経営面での支援とか金融政策のみならず、やはり情報の活用方法であったり、いろんなこういう、もう一歩踏み込んだ政策が展開できないものか。

 小林政務官は、情報にもたけていらっしゃいますし、企業も経営していらっしゃいました。そういう意味では、是非、こういったものについての御見解があられるかどうか、ありましたら是非御所見を伺いたいと思いますので、お願いします。

○大臣政務官(小林温君)

 おはようございます。私もかつて商工会青年部のメンバーでございましたので、松村委員の御活躍ぶりははたで拝見をさせていただいておりました。

 今委員御指摘のとおり、特に中小企業を見た場合に、例えばすばらしい技術を持っていても、それ以外の人的資産、例えば御指摘の経営面ですとか、あるいは販売面とか宣伝だとか、今で言うとITの活用だとか、そういった部分の人的資産にすべて恵まれている企業というのはなかなかないわけでございます。そういう意味においては、これからの中小企業の支援策というものは、資金面のみならず、そういったソフト面での支援というものも充実させていく必要があるというふうに認識をさせていただいております。

 これまでも、全国各地にあります中小企業支援センター、あるいは商工会、商工会議所が気軽にそういう経営課題の相談の窓口になってきたというのは事実でございますが、こうしたソフト面での取組というもの、経営面、販売面あるいはITの活用といった部分のアドバイス機能というものを更に充実をさせていくということがこれから必要になってくるというふうに思います。また、やる気と能力がある中小企業に対して、資金面とノウハウ面を組み合わせて支援する制度の充実も現在も図っているわけでございますが、一例を挙げれば、十七年度から始まっております新連携事業、ここでは、新しい製品を開発する取組などについて営業の専門家が計画の策定から事業化まで一貫して支援を行うというようなことも始まっているわけでございます。

 ですから、今委員御指摘の点を踏まえて、是非、資金面のみならず、それ以外のソフト面あるいはノウハウ面での支援策というものをこれから実施をしていきたいというふうに思うところでございます。

○松村祥史君

 ありがとうございました。是非、そういった、一歩前に出る、やる気のある方々を強力なバックアップでもって御支援いただきますようにお願いをしたいと思います。

○山根隆治君

 フリーターの数が二年連続で減ってきたと、ニートについては十六年度と同じだと、こういうことでございますけれども、一方また、これは最新のものというところでは出ていないんですけれども、社員と非社員、この割合、非正規の職員、従業員ということでその比率を見てみますと、例えば一九九〇年は一八・八%を全労働者、勤労者の中で占めておりました。九七年になりまして初めてこれ二〇%台に突入いたしまして、二一・五%になりました。この一九九七年以来、ずっと増え続けているわけでございますね。二〇〇四年にはこれが、今ある、私の手元にある最新のものでありますけれども、二九・一%になっているということでございます。当然パートやアルバイトの方々全部含む数字でございますけれども、やはりこれは、これからの日本の社会構造ということを考えると、階層社会というものがこれでつくられてくるおそれがあるのではないかということを私は危惧をするわけでございます。

 政府としては、もうこうした非正規の社員の増大というものについてはこれを静観していこうとするのか、時代の趨勢として受け止めるのか、良しあし含めてその辺の御見解をお聞かせください。

○大臣政務官(小林温君)

 委員御指摘のとおり、経済社会の環境変化が進む中で、非正規社員の数が増加をしてきたということは事実でございます。その要因を見ますと、例えば労働コストの削減であるとか、あるいは仕事の繁閑への対応というこの企業側の対応によって数字が上がっているという部分もございますし、また近年、個人の価値観の多様化、働き方に対する考え方が多様化しているということも、これも一つの要因ではないかというふうに思っております。一方で、景気の回復を受けて、最近の報道等でも見られますように、新卒採用者の増大など正規社員を拡大する動きが見られるというのも、これもまた事実かというふうに思います。

 弊省といたしましては、この雇用形態の多様化が進む中で、その形態にかかわらず個々の従業員が企業の競争力を担えるような人材に育っていくということが重要だというふうに考えておりまして、現在は、その企業の人材育成の取組をいかに支援していくかということに力を入れているわけでございます。また一方、産業界でも、企業内の人材育成の充実強化等を通じて安定的な雇用の実現に取り組んでいくべきだと、こういう認識も強まっておりまして、この点を踏まえ、企業の戦略的な人材育成を支援していくために人材投資促進税制の導入もさせていただきました。この税制面での支援も含めて幅広い対策、支援策を進めているところでございます。

○政府参考人(村木厚子君)

 先ほど御質問にありました非正規雇用の関係でございますが、先ほどの御答弁にありましたとおり、働く側のニーズから発している部分もあるというふうに私どもも考えております。

 そうした意味で、厚生労働省といたしましては、例えばパート社員につきましても正社員と均衡処遇に取り組んでいただくというような形で、正社員であっても、それから非正規の社員であっても安心して働けるような環境、そういったものを整備したいというふうに考えております。また、やはり正社員で働きたいという御希望も大変多うございますので、そこに対しましてはハローワークで正社員としての求人の求人開拓を一生懸命やるということにも努めております。

 それから、とりわけ若者につきましては、やはり訓練機会等の多い正規社員で働いていただくということも非常に大事になろうかというふうに思っておりますので、フリーター二十万人常用雇用化プランというのを昨年からやっておりますが、来年度はこれを二十五万人に目標を引き上げて、若者が常用雇用の場で働けるように対策を進めてまいりたいと考えております。

○山根隆治君

 今の厚生労働省の御答弁、非常に評価させていただきたいと思います。是非ひとつ若い人については正規社員になれるように、なおそうした施策を積極的に取っていただきたいと思います。

 今、政務官から御答弁をいただきましたけれども、言われていることは多分OJTの話だろうと思うんですね。企業に入って、そこで人材を育てていくということが今非常に叫ばれておりますので、それはそれで結構なことなんですけれども、例えば私は、今厚生労働省からの施策の話がございましたけれども、やっぱり正規社員の比率というものを高めるのならば、その促進法的な、法的な措置ということもやっぱり視野に入れて、是非経済産業大臣中心となって、私は、厚生労働省ほかの省庁とも少し調整して研究をしてみたらどうかというふうに思います。

 ただ、やはり今、正規社員の比率を一挙に高めるといっても、産業によってはもう非常にその比率が低くなって、そこでもう何十年か経過している産業も企業もあるわけですから、そう一気に法的な規制ということを私申し上げるつもりはありませんけれども、何らかのやはり促進措置というものをやっぱりとっていかなくてはならないだろうというふうにも思うんですね。

 そういう意味で、小林政務官の御答弁、いま一歩、ちょっと踏み込んで御答弁いただきたいというふうに思っておりましたが、そういう視点からはいかがですか。感想なり御所見ございますか、小林さんか大臣、どちらでも結構ですが。

○大臣政務官(小林温君)

 今御指摘いただきましたように、関係各省庁で是非しっかりとしたコミュニケーションを取って、また対応させていただきたいというふうに思います。

○藤末健三君

 私自身のちょっと問題意識を申し上げますと、この予算関係の説明にございますけれど、その五ページ目に中小企業の金融の円滑化を進めるということが書いております、中小企業の金融の円滑化を進める。これは松村委員からも指摘がございましたけれど、その中におきまして、私は、政府系金融の位置付けはどんどんどんどん変わる中、そしてまたメガバンクがどんどんどんどん地方に進出する中、新しい中小企業の枠組みをつくらなきゃいけないというふうに思っておりますが、特に重要なことは、このお配りした資料の右上にございます。

 間接金融、銀行から融資を受ける間接金融から、直接、株式市場から資金を調達する直接金融に中小企業も変えていかなきゃいけないんじゃないかと私は考えております。これはアメリカと日本の比較でございます、証券市場の。

 アメリカはこの右にございますように、三角形をしています。これは何かと申しますと、大きい企業ほど大きな株式市場に行くと。そして大事なことは、中小企業が株式を公開し資金を調達する市場がちゃんとあるということでございます。例えばここにございますように、ピンクシート、一万銘柄あると、一方で上のニューヨークの取引市場は数千銘柄ということで、中小企業がちゃんと株式市場から資金を調達できる。

 一方、日本を見ますと、どうなっているかと申しますと、東証、大証といった上場企業が大体二千五百銘柄しかない。あっ、二千五百銘柄、一応、もですね、あります。ところが一方、中小企業、小さな企業が上場できるところは、ここにございますように、セントレックス、福岡のQボード、あとグリーンシートというのがございますが、百も行かないですね、数十です。逆三角形になっている。小さな企業が株式市場で資金を調達できる数は極めて少ない。この構造を是非変えていただきたいと思っております。それが中小企業金融の一番のかなめじゃないかと思うんですが、この点につきまして、ベンチャー企業の経験もあられる小林政務官にお話を是非お聞かせください。お願いします

○大臣政務官(小林温君)

 日本においては、必ずしも金融機関からの融資を受けやすいとは言えない中小とか、それからリスクの高い事業を行うベンチャー企業にとって、直接金融の環境の整備が急務であるということは委員御指摘のとおりでございます。

 今、図でも御説明をいただきましたように、例えばヘラクレス、マザーズあるいはセントレックス、グリーンシートと、こういう市場の整備も行ってきたわけでもございますが、例えばアメリカのように、直接金融市場が成熟している国との比較において、じゃ、この日本の逆三角形とはどういう意味を持つのかと、あるいはスピード感においてはどういう意味を持つのかと。それから、多分委員もそういう問題意識持っていらっしゃるかと思いますが、グリーンシートと既存の公開市場との間のマーケットについて、やはりそういう市場が今の時点で存在しないということもこれからの検討課題だろうというふうに思います。

 そういう中で、この市場の整備を更に力を入れて行っていくということは当然のことでございますが、それに加えて、例えば経済産業省としても、中小企業投資育成株式会社のファンドを通じた出資による上場の促進、それからベンチャー関連税制、これはエンジェル税制が、まあ数は増えているとはいえ、なぜ余り使われないのかということも含めて、これは、先進諸国の例も踏まえて税制の見直しもこれは検討課題としていきたいというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、まず一つは、その中小企業のあるいはベンチャー企業のどこに資金のニーズがあるのかということをしっかりと把握していくと。と同時に、昨今は投資家保護ということも、直近の事件等も受けてこれは考慮していかなければいけない観点であるというふうにも思っております。

 ですから、ライブドア事件の一つの教訓は、錬金術にたけた企業が大きくなっていくということだと思いますが、正に今こそ技術に着目して、技術を持った中小企業やベンチャー企業を我が国の宝にしていくと。私、個人的には、日本にグーグルがあったら良かったなと強く思うわけでございますが、こういう取組を関係各省庁とも是非検討を進めていきたいというふうに思います。

○藤末健三君

 是非、小林政務官には頑張っていただきたいと思います。恐らく、経済産業省が今、官民交流法とかで民間と役所の方が交流しているじゃないですか。ベンチャーのことを知っている人いませんよ、きっと。小林政務官しかいない、極論すると。頑張ってください、いや本当に。

 また、私が心配していますのは、先ほど申し上げましたけど、中国に今技能がすごく逃げていると思うんですよ。金型もそうです、今申し上げましたように。あと、機械もそうなんですよ。機械の技術者の方々が海外に、海外もはっきり言って中国です、これは。中国に行かれて、中国で地元の工場を動かしながら技能をどんどんどんどん、良く言えば伝承ですよね、悪く言えば流出だと思います、これは、しています、はっきり申し上げて、これは。ですから、一つの判断として、もうそういう古い技術は、技能はもう中国に移っていいんですよという判断もあるかもしれませんけど、その点どうお考えかということを是非教えていただければと思います。お願いします。

○大臣政務官(小林温君)

 中国の件でお尋ねでございますが、まず一つには、日本にしっかりとそういう、受け継ぐそういう基盤をつくっていく、そのための人材の育成の整備というのは、これは必要だと思います。とともに、例えば中国の企業が非常に戦略的に、退職者も含めて、高い給料で招いて結果的に技術が流出してしまうということもあるかと思います。ですから、職業選択の自由ということもありますのでこのことを一概に規制することはできませんが、例えば、中小企業もこれからそういう意味では知財の管理というものをどういうふうに企業として推し進めていくかという観点を持つことが必要だというふうに思いますし、退職者が持っている企業のノウハウについては、例えばアクセスできるものを制限したり、秘密であることを客観的に認識できるようにマニュアル化するなど、不正競争防止法で保護されるような営業秘密にするという努力もこれは企業の側で必要だというふうに思いますし、そのことによって使用差止め請求を行ったり損害賠償請求等も行えると、一応法的な枠組みは担保をされているということだと思います。

 ですから、これは、政府としても様々な形でその流出防止の取組を行っていくと同時に、特に技術力を持った中小企業においても、こうした意識付けをこれから更に強めていただくということが必要だと、その支援策を行っていきたいというふうに思います。

○藤末健三君

 小林政務官、是非やってください。不正競争防止法、恐らく中小企業は御存じないと思うんですよ、トレードシークレットの話は。是非、普及していただければと思っております。

 また、ベンチャー支援と申しますか、中小企業の支援につきましては、私自身よく仲間から聞きますのは、海外に展開したいと。なぜかというと、やはり日本の大企業、あと政府はなかなか新しい製品作っても買ってくれないけれど、アメリカは買ってくれるらしいということをまだ言っている人いるんですよ。

 それで、実際に私、調べてみますと、アメリカの大使館には、実際にですよ、今、アメリカのベンチャー企業が日本に売り込みをするときにサポートする部隊があります。私は直接会ってお話をお聞きしました。アメリカのベンチャー企業の社長が例えば日本に来たときに、いろんな、どこの企業に行けばいいか全部調べて、通訳までやるんですよね、付いて回ると。営業活動を支援するということをやっております。それぞれ、その一人一人の担当者はどれだけの効果があったかというのを全部評価されるんですよ。というところまでやっている。ところが、日本ってやってくれないよねという話がございまして、是非とも、日本の中小企業が海外展開をするときに、特に売り込み、営業の支援をするようなことを行っていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。

○大臣政務官(小林温君)

 午前中の松村議員の質問についても、地方の中小企業の販路開拓の支援ということもあり、これも同じ文脈で、海外の支援ももちろん積極的に行う必要があると思います。

 ジェトロがそのお手伝いをさせていただいているわけでございますが、独立行政法人化後、今、選択と集中ということを一つの目標に掲げております。今、お話にもありましたが、例えば、我が国企業がどこに販路を開拓したいのかということに対して、例えば、スクラップ・アンド・ビルドでこれまでの拠点を見直し、あるいは中国で新たに二つの事務所、これは広州と青島でございますが、開設するなどして東アジア地域への重点的なシフトも行っておりまして、現在は五十六か国七十四事務所体制ということになっております。

 ですから、この努力は引き続き続けていきたいというふうに思いますし、現在行っております、我が国の企業が作った製品や部品などをバイヤーに紹介するための見本市への参加、それから販路開拓面での支援、これもまた更に充実をさせる必要があると思います。

 そしてもう一つ、中小企業基盤整備機構においても、商社やメーカーのOBなど海外での業務経験を積んだ専門家を今アドバイザーとして契約をさせていただいております。こういう方々にその海外進出に関する具体的な相談に応じていただいて、あるいは投資環境について積極的な情報提供を行っていきたいというふうに思っています。

 海外からのお客さんが来られたときに、今、やはり我が国にもっと日本の投資をしてくれと、あるいは日本の商品のルート開拓をしてくれという需要も強いわけでございますので、このニーズにしっかりと対応できるように、今後ともその中小企業の国際展開、これは国際競争力のアップにもつながりますし、かつ我が国の大事な財産である中小企業の支援にもつながると思いますので、進めていきます。

○藤末健三君

 小林政務官、是非やっていただきたいと思います。