[第164回 参議院 経済産業委員会 2006年3月16日]
○若林秀樹委員
私は、これは非常に重要な問題で、やっぱりエネルギー安全保障あるいは核不拡散とのかかわり合いの中で、さっき言いましたように日中協力、様々な協力関係の中で、我が国がきちっとしたエネルギーのこの原子力の技術、人材をしっかり持っておくということは、非常に私はこれからの外交上の問題も含めて重要ではないかなというふうに思います。
しかし、一方で、いろいろ、様々な安全に対する不安を起こすようなこれまでの不祥事があり、一方では新たに原子力発電所を造るところが少なくなって、そういう意味でやはり人材的にもやや不安なところが多いと思います。御案内のとおり、原子力工学科的なそういう部門がどんどん少なくなったり名前を変えたり、そういう人材供給の面で私は不安があると思いますし、一方、原子力発電所で働く様々な現場の人も高齢化して、その技能の、技術の伝承という問題もあるやに聞いておりますんで、ここはきちっと国としてのやっぱり役割があるんではないかなと思いますが、この辺の認識について伺いたいと思います。
○小林温経済産業大臣政務官
今、委員から御指摘いただきましたように、我が国では当面の間、原子力発電所の新規建設が比較的多くは見込まれない一方、二〇三〇年前後より大量の原子力発電所の建て替え需要が見込まれております。このため、それまでの間、技術、人材をいかに維持強化していくかということが大変大きな課題となっております。
この対応の一環として、日本型次世代軽水炉の開発事業に官民一体となって取り組むこととしておりまして、本開発事業は、従事する多くの技術者に具体的な目標を与えることとなり、技術者の育成にも貢献するものと考えております。この実現のためには、平成十八年度予算案においては、本開発事業の事前調査費五千万円を新たに計上させていただいております。
また、原子力の安定的利用を実現するためには、保守、補修現場の中核を担う技能者の育成や技能の継承が重要であるということも委員御指摘のとおりでございまして、このため平成十八年度予算案においては、地域で行われる保守、補修に関する研修など、技能者育成に対する支援事業六千三百万円を新たに計上させていただいております。
○藤木完治政府参考人
ただいま先生から、大学における原子力に関する人材確保の問題についてお話があったかと思います。
御指摘のとおり、原子力の研究開発利用を安全かつ的確に進めるという観点から、その担い手となる優れた人材の確保が大変大事であるということは論をまたないところであります。
そのために、もちろん大学の果たす役割は非常に大きいと我々も考えておりまして、現在は原子力技術応用工学と、あるいは環境エネルギー工学専攻といったような名称の学科専攻において原子力に関する原子力教育を行っているところではございますけれども、原子力関係の専門人材の養成は特に大事だという最近認識がございますので、例えば、平成十七年度、今年度でございますが、東京大学におきまして、原子力の産業発展を支える中核的技術者の養成等を目的といたしまして、工学系研究科に原子力国際専攻及び専門職大学院の工学系研究科に原子力専攻を新設いたしまして、人材育成の強化を図っているところでございます。
正に先生御指摘になったように、原子力という名前を冠した学科は確かに減少しております。しかしながら、原子力に関する学問の進展に伴いまして、関連する教育研究、様々な分野、周辺に拡大しているということがございまして、例えばエネルギー科学科あるいは量子エネルギー工学といったような、従来の原子力分野を含む更に広い、幅広いエネルギー関連分野として教育研究が行われるようになったことも、この原子力というその固有の名称が減ったことにつながったものと認識しております。
文部科学省といたしまして、原子力に係る専門人材、これは非常に大事だという御指摘、正にそのとおりだというふうに考えておりますので、今後ともそうした人材が適切に養成、確保されますよう、大学に対しましてその教育の充実に向けた取組を促してまいりたいというように考えております。
○若林秀樹委員
そういう学問のそういう科を設けたから人材が入ってくるとは限りませんので、やはりそこは、やっぱりこの仕事に就きたいと、魅力ある仕事なんだということを経産省としても後押ししていくこともやっぱり必要ではないかなというふうに思っております。