[第162回 参議院 郵政民営化に関する特別委員会 2005年8月4日]
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○小林温君
おはようございます。自由民主党の小林温でございます。
良識の府参議院でこの郵政民営化法案も十四日間、六十九時間を費やして議論を続けてまいりました。渡辺秀央先生や小野清子先生といった大臣御経験の先輩方にもしっかり座っていただいてこういう議論を続けてきたわけでございます。また、総理始め政府側あるいは修正案の提案者の皆様方にも真摯な御答弁をいただいてきたというふうに思います。しかし、残念ながら、報道ではこの郵政民営化法案、政局としてとらえられておりまして、少し我々としては、この議論の深みをもう少し御理解いただきたいなというふうに思うわけでございます。
質問に当たって議事録を読み返させていただきました。あるいは新聞記事等も読ませていただきましたけれども、政策的に極めてレベルの高い、意義深い、深い議論が繰り広げられていると、私はこういうふうに思います。こういうことも通じて、是非、参議院の存在意義というものもしっかりと示していきたい、これは与野党問わずこういう姿勢で最後まで進めていきたいというふうに思います。
私は、二十九歳から三十五歳まで福島県の猪苗代というところで家業に従事をしておりました。元々本屋なんですが、文房具と事務機を扱っておりまして、併せて、実は切手とはがきの売りさばきもやっていたんですね。ですから、私の家の前には丸いポストの時代からポストがありますし、私、小さいころ、お使いに郵便局に切手を買いに行くということも実はあったわけでございます。あるとき、家から大体三分ぐらいのところにあった商店街の中の郵便局が駐車場がないということで移転をしまして、郊外に行きました。私がお使いに行くと、おじいさんやおばあさんがバスの停留所もないようなところに郵便局つくられて不便だ不便だと、こういう、ぶうぶう言っていたのを今でも記憶しております。コミュニティーとしての郵便局、特に過疎地での郵便局の意義というのを私はそういう意味で原体験をさせていただいたわけでございます。
一方、私の今の選挙区でございます神奈川県、どちらかというと都市部に位置付けられるわけでございますが、この神奈川県で例えば郵便局の関係者の皆さんのお話をお聞きすると、また都市部には都市部なりに違った不安や今回の法案に対する懸念もあるわけでございまして、また後ほどそういうことを議論をさせていただきたいというふうに思うところでございます。
そこで最初に、改めて、なぜ今郵政民営化なのかということを質問させていただきたいというふうに思います。
これまでの答弁の中でもありますように、今公社化して三事業一体で黒字も出ているわけでございます。この成功モデルをなぜ今変えなければならないのかということについては何度も議論をされてまいりました。私、国営郵貯の運用上の恩典である金利の上乗せ〇・二%というのが二〇〇八年に財投改革によってなくなる、これは極めて重大な意味を持つというふうに思います。しかし、この点はこの委員会を通じて議論もされてきたわけですが、なかなか理解が浸透していない部分もあるのではないかというふうに思います。
私自身は、郵政民営化を今議論する意味は、この二〇〇八年以降、郵貯、簡保の黒字を郵便事業、郵便局の赤字補てんに使う三事業一体のビジネスモデルがやはり通用しなくなってくる。そこで、郵便のユニバーサルサービスを確保し、先日の小泉総理の答弁の言葉をかりれば、国民の資産である郵便局ネットワークを維持発展させるために、郵貯、簡保、郵便事業、郵便局がそれぞれ黒字を出せるような、そういう体質にしなければならない。郵政民営化関連法案が四つの機能ごとに株式会社を設立するのは、私はこうした戦略に基づくものだというふうに解釈をしております。
今回の四分社化の意味について、改めて、竹中大臣御自身がこの法案に込めた思いを御自身の言葉で分かりやすく御説明をいただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君)
小林委員が郵政、切手の販売等々とそういうふうにかかわり合っておられたということ、私も今日初めて伺いました。 今、非常に思いを込めて郵政のことをお話しくださいましたが、要するに民営化をやはり我々はしなきゃいけないと思っていると。しかし、そのときにネットワークの維持という、この社会インフラとしての役割をしっかりと維持しなければいけないという思いを非常に強く一方で持っていると。そういうことを考えるに当たって、更に民営化の中で分社化をしなければいけない。これ、それぞれいろんな次元で議論がされるわけですが、それなりにやはりかかわっているということだと私は思っております。
まず、民営化をしなきゃいけないというのは、これはもう今、小林委員が御説明をしてくださいましたが、マクロ経済的にといいますか、経済全体の流れの中でも、また公社の経営というミクロの観点からも、そして国民生活の観点からも、やはり今の公社経営のままではこれはやはり限界があると。今まではうまくいってきたと、それは私もそのとおりだと思うんですけれども、それがうまくいかなくなるということが目に見えているということなのだと思っております。
今、金利の上乗せ〇・二%のことをお話ししてくださいましたが、郵便貯金を取り上げますと、貯金で受け入れて、安全資産、国債等々で運用するということが基本になるわけですが、預金で受け入れて国債で運用するという、そのビジネスモデルそのものがやっぱりどう考えてもこれは成り立たないのではないかと。これは、国債の金利と定期預金の金利というのは多くの国々においてほとんど同じですから、そういうやり方がやはりもう通用しなくなってくるというのが一番大きいのだと思います。
郵便そのものについて申し上げますと、Eメールの普及等々で郵便の取扱物数はこれ間違いなく減ってきております。十年、長期続けば相当、二割、三割というような低下が見込まれる。これはやはり組織としても非常に深刻な問題だと思います。
また一方で、国際物流という分野を見ますと、これまた劇的に変化をしていて、今後十年間で規模が三倍になるという、アジアの物流市場に関してはそういう民間の予測もある中で、しかしやはり公社のままではそうした分野に進出するに明らかに限界があると。そういう中で、今正に民営化に踏み切ろうというふうに考えているわけでございます。
しかし一方で、ネットワークは維持しなければいけない、これもまた重要な課題であります。そこで、郵便事業会社や郵便局会社については特殊会社として民営化する。つまり、公的な機能を担って政府の関与もある民営化を行う、一方で、信用が重要であります銀行、保険については完全なといいますか、民有民営をしっかりと目指していく、そういうことを考えていかなければいけない。そこでやはり分社化ということになるわけでございます。
性格が異なっているところ、性格が異なるところというのは、やっぱり専門性を高めていただいて、これはやっぱり専門性を高めていただくということがこの厳しい環境の中でやっていただく上で一番必要ですから、そこは専門性の違う、業種特性の違うものについてはしっかりと切り分ける。それは期せずして、業種特性が違うということは、先ほど申し上げました特殊会社か純粋の民営化というような性格の違いにも実はつながってくるわけでございます。
分社化そのものについて申し上げますと、もう一つは、やはり一つの事業における収益の状況が他の収益に影響させないということが大変重要になってまいります。そもそも、であるからこそ、一般の金融行政のルールを見ますと、同じ会社の下で金融の事業とそして物流のような事業会社を同じに行っている、そういう大規模で行っている会社というのは、これは世界でもないわけでございます。正に金融においては、特にこの利益が、収益状況がお互いに影響しないという状況、リスクを遮断するという状況をつくっていかなければならない。やっぱり、経営にも責任を持ってもらわなければいけない、そういう観点からも分社化がやはり必要であるということであろうかと思っております。
民営化はしなければいけないだろう、しかしネットワークを維持しつつやる、そしてそのためにも、さらにそれをうまく運ぶためにも、やはりそこは分社化をしなければいけない、それに特性に合った形で制度設計をさせていただいているつもりでございます。
○小林温君
はい、分かりました。
今大臣のお話をお聞きして、先ほど申し上げた私の家業の話を思い出したわけですが、元々うちは本屋でございまして、学校の先生たちに本を届けるというのが一番の商売でございます。それから、教科書も小中高と扱っておりまして、その際に文房具も持っていく、あるいは、今でいうとコピーも始めとした事務機を扱うとある意味でいうと重宝がられるわけですね。その結果、そういう業態になって、実は、切手、はがきも、切手、はがき一緒に持ってきてもらえると有り難いんだけれどもなということで、切手やはがきも扱うようになったわけでございます。
ある程度、実は私が子供のころは一万八千人の町の中に本屋一軒しかございませんで、いいある意味でいうと商売だったんですが、そういう時代でもなくなってまいりました。そのときに、その私がそれぞれの事業を一つ一つ見たときに、現実的には事務機や文房具ではもうかるんだけれども、本では赤字が出てしまうと。しかし、元々本を最初の商売にしていろんなところに物を納めるようになっているときに本屋はやめれないんですね。あるいは、実は教科書も扱っているので、うちがその本屋をやめると、町じゅうのある意味でいうと教育レベルに影響も与えるんじゃないかというようなことも考えて、その実は三つの商売を一緒にやるというビジネスモデルから抜け出せずに実はいたわけです。
しかし、今、経営者の立場になって、どういうその状況の打開があるかと考えると、正に今大臣がおっしゃったように、一つ一つの事業に専門性を持たせ、競争力を持たせ、それぞれの事業が黒字を生み出す形によって、その一つのグループなりあるいは一つの会社の中で事業の競争性を高めていくということが実はできるんだろうということを今実は考えました。
今の大臣のお話を私なりに解釈をさせていただきますと、今回のその法案というのは、このままではやっぱり立ち行かなくなる郵政事業に新たな活力を注入する、それから経営の自由度を高める、そしてその上で郵政事業の安定化を高めると、私はこういうふうに理解をさせていただいております。
実は、八月二日の日経金融、「複眼独眼」というコラムがございまして、今回の郵政民営化法案をよく読むと、四分社化によって郵便局ネットワークだけは完全に守られる仕組みになっているという、こういう実はコラムがございました。リスクを遮断するというのは、今の議論の中ではどうしても赤字の郵便事業からのリスクを黒字の金融事業の方が遮断するというふうにとらえられがちですが、これ民営化が進んで、本当に金融事業がどこまで安定性を持ったものかというのは、これは私分からないと思います。そういう意味でいうと、分社化によって逆に将来どうなるか分からない金融事業のリスクも遮断した上で郵便局のネットワークはしっかりと守っていくと、私は実はこういう、この法案にはそういう意味もある、あるいはこれまでの議論を通じてそうした様々な制度上の担保もいただいているというふうに理解をさせていただいております。
私は、そういう意味で、改めて申し上げますと、四会社の分社化、この郵便局ネットワークを守るために、ある意味では大部分が費やされているというふうに理解をしておりますが、こういう理解でよろしいでしょうか、竹中大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君)
今非常に分かりやすく小林委員が御紹介をくださいましたですけれども、将来的にはいろんなことがあり得るということなのだと思います。その場合に、この郵便事業というのは、そしてそれを支える郵便局というのは、私たちにとっては本当に欠かすことのできない事業であると。だからこそこの万国の国際条約も存在をしていて、いわゆるユニバーサルな義務を課すということに、日本もその条約に参加をして、そしてこれまでも国民がそのことを非常に高く私は評価をしてきたのだと思います。そういう意味では、やはり郵便事業は郵便事業としてしっかりとやっていっていただくということがこれはもう大変重要な基本なのだと思っております。
で、郵便事業の中でも、これはいろんな発展の可能性がある分野もございます。そういう分野については積極的にやっていっていただきたい。しかし、絶対に守らなければいけない、国民生活のインフラとして守らなければいけないものについては、これはしっかりと守っていけるような仕組みをつくりたい。先ほども言いましたように、郵便に関しましては、したがって特殊会社として、そして国が資本の保有まで含めてしっかりと関与するような形、郵便局については郵便局の設置を法律で義務付けるというような形、そういう形で、国も関与しながらその郵便の事業、公共性をしっかりと担保できるような仕組みにしたわけでございます。
一方で、その金融というのは、今は確かに非常に規模も大きくて、先ほど言いましたように、預金で受け入れて国債等々で運用するという、そういうのが成り立っておりますので、今の状況下で黒字を出しておりますけれども、実は信用商売というのは、信用というのは実はリスクと裏返しでありますので、実はリスク管理業なわけですね。私は、金融業というのはリスク管理業であると思っております。そういうそのリスク管理業というのは、むしろそのものが独立していなければ私はいけないのだと思うんです。ですからこそ、私は、本と文具を一緒に売っているところは、これはあると思います。御実家のようにあると思います。しかし、先ほど申し上げましたように、大きな銀行と大きな物流会社が一緒になっているところというのはないんです。これは、金融というのはやっぱりそこから切り離さなければいけない。特に、今度は一緒にやっている郵便というのは、一方で非常に公共性があるんだから、それはそれでしっかり守らなけりゃいけない。
その意味では、お互いが影響し合えないように、つまりリスクの遮断が必要なのは、これは決して一方通行の話ではなくて、正に小林温議員が御指摘のように、これは双方のためにそういうことが私は求められているんだと思います。そして、それは取りも直さず、しっかりと、だからこそそれぞれに自立をしていただく、専門性を高めて独立、自立をしていただく、そういう力を付けていただくことによって国民が、金融でも、そして郵便でも質の高いサービスを長期にわたって持続的に受けることができるんだというふうに思っております。
○小林温君
今御答弁をいただいた部分は、これはある意味でいうと説明不足もあったのかもしれませんが、特に郵便関係の皆さんにはどうもよく御理解をいただいてないというところもあるんじゃないかというふうに思います。また、議論を通じて是非この辺に理解をいただきたいというふうに思うところでございます。
そこで、おととい我が党の片山参議院幹事長が質疑に立たれて、総理とも議論をされました。私、今、副幹事長でございますので、直属のボスが質問したわけでございますが、少しこのやり取りについて確認をさせていただきたいと思います。
一つは、郵便局ネットワークの維持についてでございますが、片山幹事長が、過疎地も地方都市も大都市圏も郵便局はなくさないということかという質問をされました。総理は、将来における地域の実情に応じ、合理的な再配置が行われることが否定されるものではないが、郵便局の設置義務や設置基準、社会・地域貢献基金や株の持ち合いによる一体的経営などの措置により、郵便局ネットワークを国民の資産としてしっかり守り、万が一にも国民の利便に支障が生じないようにしていきたいと考えているという趣旨の答弁をされました。
この総理の答弁の意味というのは、まあこの法案の意味は、その利用者サイドから見れば郵便局へのアクセスもサービスが、まあサービスも便利になることはあっても不便になることはないという理解でよろしいでしょうか。竹中大臣、お願いいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君)
先般の片山委員の御質問、そして総理の答弁、私もこの席で聞いておりまして、本当に本音同士で非常に踏み込んだ議論をなされたなというふうに思いました。
小林委員の御質問は、便利になりさえすれ、不便になることはないと理解してよいかと、もうその点でございますので、私はもうそのとおりでありますというふうに是非申し上げたいと思います。
この全国に張り巡らされました郵便局のネットワークは、正にこれは国民の資産でございます。水道のようなライフラインに匹敵するような、もう大変重要なものであるというふうに考えております。法案においては、この郵便局のネットワークをしっかりと維持して、国民の安心、利便を守りながら、そしてこの国民的資産であるネットワークを十分活用するということに配慮をしたものでございます。
そして、国民の利便を最大限高めると、これが正に民営化の本旨でございまして、与党との真摯な協議を踏まえまして、政府としては、郵便局ネットワークを国民の資産としてしっかり守り、委員御指摘のように、これはもう万が一にも国民の利便に支障が生じないようにしていきたいというふうに思っております。
○小林温君
そこのところはいろんな方が心配をしながら見守っている部分だと思いますので、確認をさせていただきました。 今日、生田総裁にもおいでをいただいております。
過疎地の郵便局ネットワークの維持については、これまでも、参議院の議論の中でも、あるいはその修正も通じてかなり踏み込んだ形でいろんな制度的な担保についても明らかになってきたというふうに思います。
一方で、都市部の郵便局の関係者の皆さんのお話を聞きますと、まあまたこれとは別の懸念を持たれているわけでございます。例えば、過疎地のネットワークの維持は担保されているけれども、都市部の郵便局というのはもう簡単に整理統合されてしまうんじゃないか、こういう声もありますし、また、民営化に向けるプロセスの中で、あるいは民営化後、民間との本当に激烈な競争を勝ち抜いていけるのかという、こういう不安もやはりあるようでございます。ある郵便局長さんは、民間の金融機関の窓口に行くと、本当にここと自分の郵便局が金融機関として戦っていけるんだろうかと不安になると、こういうふうにも申しておりました。
私も郵便局に行きますが、それほど広いとは言えないその建物の中に三事業をうまくコンパクトにまとめて扱っていらっしゃるわけですね、どちらかというと機能的なんだと思いますが。その一方で、例えば民間の金融機関などは、顧客満足度をどういうふうに上げれるかということでいろんな工夫もされているんだろうというふうに思います。ですから、こういう都市部の郵便局の関係者の皆さんの不安というのも私は是非払拭をしていかなければならないというふうに思うわけです。
竹中大臣から、その四分社化の意味はそれぞれの業態の競争力を高めることだという答弁がありましたが、本当にこれから民営化に向けて他の民間企業と伍していけるだけの体制を整えていけるのかどうか。例えば、一つには郵便局の要員ですね。郵便局にお勤めの方の例えば数なんかについては具体的にどのようにお考えでしょうか。生田総裁、お願いいたします。
○参考人(生田正治君)
お答えします。御質問のポイントがかなりあったと思うんで、一つ一つ簡単に参ります。
まず、郵便局のネットワーク、過疎地は無論、都市部も含めまして、これは片山先生にもお答えしたんですけれども、ネットバリューというのはあるわけで、全国に、その中には赤字のやつもたくさんありますけれども、トータルでネットを持っているというところに全体としてのバリューがあるわけで、それは経営者は尊重するだろうということと、それが日本国における郵政関連事業が持つ物すごいまれに見る潜在的な経営資産、営業資産ですから大切にするはずであるということは申しました。
公社であれ、あるいは民営化しても、一部その調整は当然進むと思います。生産性を高めるために多少やり方を変えるとか配置を変える、それはあると思うんですけれども、そういった常識的なことを除きましては、設置基準に応じましてきちんとした維持ができるというふうに考えております。
それから、民間になるわけです。もし通れば民間になるわけですけれども、民間と伍していけるのかというのは、今のままでは非常に不十分な面もあると思うんで、今この二年間で、必死になりまして、アクションプラン・フェーズ2の中で、将来の成長に目掛けまして営業力の強化とか成長分野への重点投資とか人への投資とかというようなことをやっている真っ最中でありまして、十九年以降、その後が、組織が民営化されていようが公社であろうが、大きなジャンプができるように準備中というところであります。
民営化後の経営ビジョンとか経営体制とか要員計画とか、こういったものはすべて新会社の経営陣が経営委員会ができてから考えるものではありますけれども、そんなことを言っていたら間に合いませんから、私どもとしては、現在責任を持っている立場で、そこにきちんとつながるように予習、準備を進め、法案が通るとすればもう即刻そこから具体的な検討に入っていきたいと思います。
例えば、新会社の要員につきましては、新しいビジネスモデルというものをある程度想定しながら、経営状況も勘案しながらやっていくわけでありますが、先生御指摘の顧客満足度というのは大変重要なわけですから、それを重視して切り分けを考えていきたいと思いますし、先行投資、これは公社のままでも必要なんです。公社以前に随分あらゆる部門のシステムが後れているんです。それは、公社内でよく先行投資と言うのがいるんで、それは私は後追い投資であると言っているんですが、これは思い切ってやっております。
例えば、時間があれでしょうから例示的に申しますが、このフェーズ2の間に、ということはこれから二年間で、三千六百億円の先行投資というものをいたします。私の言葉では後追い投資でございます。特に、サービスの改善とかオペレーションの基盤整備、情報システムの整備、こういったものに重点的にやっていきたいというふうに思っておりますし、例えば、民間の銀行行って、こんなことできるのかな、オートキャッシャー、これ今必死になってそろえていますけれども、例えばですよ、二万四千七百の郵便局に一つ置くとしても、二万四千七百置く。これ一挙に納められる、短時間に納められる業者の方というのはいないわけです。それだけ入れるのでも二、三年掛かるんです。そういったことで、もう今一生懸命やっておりますけれども、何とかあと一年ぐらいでそういうものも整備されるだろうと、こういうふうに考えております。
○小林温君
金額も触れていただいて、前向きな御答弁をいただきましてありがとうございます。
例えば、人を減らせばそれだけ支出も減りますので収益にも貢献するわけですが、その顧客満足度というキーワードで言うと、本当に必要な人員が郵便局の中にいて、そこに来られるお客さんが満足する人数というのはどういうレベルなのかということをしっかりとこれは把握をしていただいて、そういう計画を立てていただきたいというふうに思いますし、今、オートキャッシャーの話もございましたが、例えば、民間の金融機関がじゃばじゃばじゃばとお金全部入れるとあっという間に計算できるのに、郵便局は手作業でお金を数えていたんじゃ、これはもう効率が上がらないのは当然でございますので、その他、例えばコンピューターのシステムですとかあるいはその他の設備についても、本当に民間と伍していける体制というのはどういうものかということについて計画の中で詰めていただきたいというふうに思います。
あわせて、例えば、広い意味でのセキュリティーですね。銀行なんかへ行くと、ここは泥棒が入らないようにいろいろ考えているんだろうなというふうに思いますが、残念ながら、郵便局の局舎見たときに、そこまで今備えがあるのかどうか分かりませんが、そういった意味の物理的なセキュリティーも是非これからしっかりとお考えをいただきたいと思いますし、あるいは、個人情報保護法が施行されました。今、特殊会社でございますので、特殊法人でございますので、そういう対応もあるかと思いますが、こういった点についてもしっかりと、それぞれの局で対応ができるような準備もしっかりと進めていただきたいと思います。
郵貯会社やあるいは保険会社が会社自体として努力されるところももちろんあるかと思います。それは商品の競争力を付けるとか、全体のサービスの質を上げる。しかし、その窓口となるそれぞれの局でどういうサービスが展開をできるのか、その際の、正に武器としての整備が、武器の整備がどの程度あるかということで正にこの戦い方というのも変わってくると思いますので、是非その点については、重ねてでございますが、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
そこで、少し質問を飛ばさせていただきますが、郵便事業の競争力について質問をさせていただきたいというふうに思います。
一つは、東京中央郵便局とか大阪中央郵便局とか、本当に大都市のど真ん中に大きな郵便局がございます、これは普通郵便局だと思いますが。駅前にある場合が多いわけですが、これは郵便が鉄道で輸送されていた時代の名残だというふうに思います。民間の運送、輸送物流会社を見ると、やっぱり今、高速道路のインターチェンジや空港の付近に大きな最新鋭の物流基地を整備して競争力を高めているわけでございます。
そういった企業にかかわらず、一般の企業も、例えば一等地にあるビルを売却したり再開発したりして利益を上げているという例も実はあるわけでございますが、例えばその駅前にある大きな郵便局を例に取りますと、こうした不動産なんかの資産活用というのは、今の公社の場合と民営化された後では制度的に変わるんでしょうか。これは副大臣、お願いします。
○副大臣(西川公也君)
今、制度的に変わるかと、こういうお尋ねでありました。
今の郵政公社法等では、行える業務、限定列挙と、こういうことになっていますが、今度この法案が通ったその後では、郵便局の資産を、賃貸等も今御提言のようにやっていこうと、こういう考え方でございます。
それで、駅前等のビルどうするんだと、こういうことでありますから、もしよろしければ、私どもの方の計画等につきまして一部述べさせていただきたいと思います。
○小林温君
お願いいたします。
○副大臣(西川公也君)
採算性に関する試算をやりまして、その中で資産活用についてどうするかという議論をしてきました。
今御指摘のありましたように、立地の良い郵便局七局、一つは東京中央、さらに大阪中央、銀座、新宿、渋谷、神戸中央、名古屋中央駅前等、これらを活用していって合わせて二百億円ぐらいの利益を上げようと、こういう計算をしています。
具体的にはどうするかというと、東京中央局あるいは大阪中央局等につきましては高層ビルに建て替えたいと、こういう考え方でございまして、増加したフロアをオフィスとして賃貸をしていこうかと、こんな考え方を持っております。
さらに、立地の良い大規模局でありますが、銀座、新宿、渋谷、神戸中央、名古屋中央駅前等については、既存物件の半分程度を賃貸でできないかと、こんなことも考えておりますので、よろしくお願いします。
○小林温君
ありがとうございました。 制度も見直されることによって自由度が増すということであれば、もちろんまた民業圧迫ということも議論にはなるかと思いますが、是非、再開発なり高度利用、その自由度が高まった中でできることはしていただきたいと、こういうふうに思います。
同じ競争力の話でございますが、物流事業の国際競争力についてお伺いをしたいと思います。
オランダが世界に先駆けて民営化したのは、統合過程の欧州の市場に目を付けて他国の国際物流に進出するという、国家的な、正に戦略的な視点からというふうに言われております。
最近、都内でも、黄色いドイツ・ポストの子会社のDHLの車が走っているのが目に付くわけでございますが、一方で、寡占化が進むこの分野で、もう二周ぐらい後れている日本が本当に競争力を持てるのかという議論もされてまいりました。
まあしかし、私は、やはりアジアの中で今後、日本がどういう役割を果たしていけるか、あるいは日本の産業競争力や産業構造というものを大きく考えた中で、この急成長しているアジア市場というものをどう取り込んでいくか、まあ中国が特に念頭にあるわけでございますが。これは極めてやっぱり重要な視点だというふうに思います。
そんなことも含めて、その国際物流という分野に関して、生田総裁、経営者として、まあこれは御自身の元々の御専門でもございますので、どのようなビジョンを描かれているかお伺いをしたいと思います。
○参考人(生田正治君)
お答え申し上げます。
私、公社へ入ってこれは大変だなと思ったのは、郵便の構造的な赤でした。これを長年ほっておくと、必ず料金値上げとか変な格好で国民の皆様に御迷惑掛かるようになっちゃいけない。これを事業として成り立つようにするのが取りあえず目先の、制度上もある程度できるし、ことだと思いました。
それで、国内市場のゆうパックとかダイレクトメールとかというのを力入れて少しずつ伸ばしているんですが、やろうにもできないのが国際問題でありまして、これは制度上海外で投資なりあるいは郵便業をやっちゃいけないことになっているので手が出ないんですね。今、先生二周後れたとおっしゃったんですけれども、私は三周後れていると申しておりまして、ただ、常にノット・ツー・レートといいますか、常に遅過ぎるということはないと思うので、私は手を付けたいと思っています。
それは、普通郵便、国内、毎年五、六%落ちるのを補って、やっぱり売上げ減少に歯止めを掛けなきゃいけないんですね。その方法は、ゆうパックとかダイレクトメールという国内の事業もありますけれども、いずれ大きくは国際であると私は考えております。今、普通、通常郵便とそれ以外の売上げというのは、通常郵便が九割でその他が一割というのはもう固定概念があるんですよ、郵政ずっとやってきた人たちには。これが間違いで、なぜならば、九は常に減ってくるわけですから。だから私は、取りあえず公社四年の間に八対二まで持っていこうと思っております。大体なると思います。ほとんどなってきました。それをいずれ七対三にし、六対四ぐらいになったときに完成予想図かな、こんな感じでおりまして、そのためには国際に出ていく必要があると、こういうわけであります。
ところが、国際を眺めてみると、四大インテグレーターというのがありまして、ほとんど欧米の経済地図は塗られてしまっておりまして、今一生懸命地図の塗り割りをしているのがアジアであるということで、日本にも先生御指摘のようにどんどん上陸してきていると。みんな上陸してきているわけです。ということで、黒船は日本列島の周辺を泳いでいるんじゃなくて、どんどんもう上陸してきているんですね。これに対して我々は防戦して、外に行こうと思ったら一歩も出られない現状でありまして、国内の法人から出る海外向けのエクスプレス市場も、既にドイツ・ポストが二九%、アメリカのフェデックスが二六%、残念ながら日本郵政公社は一八%をそれ以上落ちないように今歯止めを掛けているというところであります。
そう既に大きなやつがいるところに出ていくのは簡単なことじゃないんですが、私の勘ではできると思っています。それは、直ちに人材の養成から始めておりまして、もう四、五十人の人間を海外に実務研修させて、一応若いレベルの人材をそろえつつあります。外部からプロの専門家の導入もいたしました。そこで、一から自分から始めるというのは無理だと思いますので、既存の物流業者との相互尊重、互譲、お互いに平等の精神での大きな提携を通じまして、その人たちの力もかりながら、それで我々の、海外に展開している日本企業のお役にも立つという我々の潜在力がある。そういったものの相乗効果で、アジア、なかんずく中国等々にこれから入っていきたいと。大体準備体制は整えておるところでございまして、もし法案が通るということになるんであれば、即刻それを具体化させていきまして、来年の四月からは始めていきたいなと考えております。
最初に申しましたが、常に遅過ぎることはないと思うんで、できるだけ早くやりたいと思うし、私は、やらせていただければそれが一つの大きな将来の柱に育て得ると、こう考えております。
○小林温君
三周後れだとすると、F1だと全く勝負にならないかと思いますが。
十五年ぐらい前に私アラスカ・アンカレッジ行きましたら、フェデックスが空港のわきにすごい大きな物流基地を持っていまして、それでそこに飛行機が、ロゴ入りの飛行機が一杯止まっているのを見て、うわあ、日本にはこういうのないなと思ったのを覚えています。しかし、遅過ぎることはないという思いで競争力を上げていただいて、我々もそうなればまた郵便会社の国際宅配便を是非使わせていただけるように、そういう時代が来ることを実現していただきたいというふうに思います。
少し大きな話を竹中大臣にお聞きしたいと思いますが、今の物流市場、アジアへの進出ということもありました。人口減少社会の中で、日本の競争力どういうふうに上げていくかという観点からも、このアジアの市場の発展というのを自国の経済の発展に生かしていけるか、大変重要な戦略的課題だというふうに思います。
そういう意味でも今の国際物流の話というのは意味があるんだろうというふうに思いますが、昨日も議論ありました二十一世紀ビジョン、日本二十一世紀ビジョンで、アジア各国との例えばこれからの貿易関係、FTA始めですね、それからこの国際物流の進出なども含めて、どういったビジョン、大きなビジョン、まあ郵政民営化もその中の一つ、競争力の向上に資するわけですが、をお持ちか、その戦略観というものをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君)
大変大きなお尋ねでございますが、特に国際物流との関連というような御示唆もあろうかと思います。
委員御承知のように、日本の人口、二年後から減り始めます。疫病があるわけでも戦争があるわけでもないんだけれども、正常の状態で人口が減り始めるということを日本はある意味で世界に先駆けて経験をしていくということになります。そういう中で、日本がやっぱり活力を維持しながら、一人一人の生きがい、やりたいことが自己実現できるような社会をつくっていかなければいけない。
日本の人口が減るということはいわゆる定住人口が減るということですけれども、定住人口が減るかもしれない中で、しかし経済を活性化させる一つの方法は、交流人口を増やすと。定住人口は減るかもしれないけれども、来て、行って、そういう交流人口を増やす。これはやっぱり大変重要な戦略になるわけで、実は文化観光戦略、観光というのはそういう意味で大変重要な役割を担っているんだと思います。
これは実は物についても言えるということであろうかと思います。いろんな物や情報が日本をキーステーションとして行き来するような形にやはりしていかなければいけない、そういう潜在力を日本は持っているというふうに思います。文化の交流もしかり、人材の交流しかりですね。
そういうことを考えると、実は成長著しい中国そして東南アジア等々の現状もあって、実は物の移動というのは今後アジアで画期的に増えるというふうに考えられるわけですね。したがって、ある民間のシンクタンクでは、今後十年間で約、アジア域内での物流市場は十年で三倍になるというような見通しを立てているわけでございます。そこのところが、まだ今のところは四大インテグレーターが全部取り切っているわけではない、もう大分進出はしているんですけれども。その点、実は非常に希望を持って戦略的にやっていかなければいけないと、これは我々も思いますし、生田総裁も大変高い御見識の下で強い意欲を示しておられるということであろうかと思います。
これまでも日本はアジアとの間で生産、いろんな工程を分業させて、そしてそれが全体として統合されて、インテグレートされて、経済の統合というのを日本が担ってきたわけでございますけれども、物流に関して必ずしもそうはなっていない、そういう点に、日本は今非常に大きなチャンス、そこに郵政民営化を実現させることによって非常に大きな可能性が私は出てくるんであろうというふうに思っているところでございます。
日本の経済が持っている潜在力を生かすという意味でも、今もう非常に大きなチャンスだというふうに思っておりまして、国際物流、郵政民営化とそして国際物流進出というのは、そういう大きなアジアの中での日本という観点からも私は大変重要な戦略的な位置付けや重要性を持っているというふうに思います。
それからもう一点、ビジョンのことをお尋ねいただきましたので、これから人口減少する中で、やはり政府、官の部門を小さくしていかないと、そこに対する負担が大きくなるとやはり非常に活発な民間経済の足を引っ張るという可能性が出てくるのだと思います。その意味では、本当に民間にできることは真に民間でということが必要になっておりまして、総理が郵政民営化は改革の本丸であるというふうに掲げられるのは、小さな政府をつくるというその象徴として郵政民営化が位置付けられている、そのような意味もあろうかと思っております。
○小林温君
ほかにも質問を用意しておったんですが、時間の関係で終わらせていただきたいと思います。
いろいろ議論させていただきました。民営化でございますので、やはりこの郵政事業をめぐって公と民間との役割というのをどういうふうにバランスを取っていくのか、あるいは地方と都市部のそれぞれの環境や方向性が違う中でそのバランスを郵政民営化の中でどう位置付けていくのか、これは実は大変難しい作業が今議論を通じて行われているんだろうと思います。
経営者の端くれであった立場から言わせていただきますと、しかし、将来的なリスクを予測してどの時点でこうした改革を始めていくかというのもまた極めて重要な視点であると思いますし、そのタイミングを逸するともう後戻りできない状況になるというのは、様々な大きな企業があっという間に市場から退出を余儀なくされたという例があるのを見てもまた事実だろうというふうに思います。
そういう意味におきまして、是非このまた郵政民営化法案、私の立場としてはしっかりと成立をさせていただいて、国民の皆さんにも理解をいただいて、その上で、様々な今回担保された部分についてはいろんな形で国民の皆さんとも議論させていただきながら、正にこの郵政民営化という大事業を成し遂げていきたいというふうに思います。
今日は大変ありがとうございました。終わります。