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国会発言録

[第162回 参議院 経済産業委員会 2005年4月26日]

○小林温君

 おはようございます。自民党の小林温でございます。

 有限責任事業組合契約に関する法律案、いわゆる日本版LLP法に関しての質疑を始めさせていただきたいというふうに思います。

 一時期マスコミの話題を独占をいたしましたニッポン放送の経営権をめぐるライブドアとフジテレビの騒ぎもいったん収束したように見えます。私は、かつてベンチャー企業の経営をしていた立場からこの問題を見ておりまして、一つには、堀江さんとか、昨年のプロ野球の参入問題で三木谷さんとか、そういう若手の経営者がある意味でいうと非常に注目を集めるようになったということは、ある意味で喜ばしいことじゃないかというふうに評価もさせていただいておるわけでございますが、と同時に、現在の日本の会社法制が抱える問題点というのもこの一連の騒ぎは明らかにしたんだろうというふうに思います。

 法務委員会、今衆議院の方で会社法が審議をされております。後ほどLLCについても質問させていただこうかと思いますが、その中でも、MAの法整備等も盛り込まれているわけでございます。

 いずれにいたしましても、会社法制の現代化、これをやはり今急ピッチで進めていかなければならない。これは決して欧米の諸制度に我が国の制度を合わせるということではなくて、日本に合った会社法制というのはどうあるべきかと。しかも、その中で国際競争力をどう担保していくかと。極めて難しい作業だというふうに思いますし、その中で経済産業省始め政府の御努力、大変重要だというふうに思うわけでございます。

 そんな中で、この日本版LLP法の審議でございますが、有限責任、内部自治の徹底、構成員課税という特徴があるわけでございます。今までの会社の類型とは違う新たな事業体制度でございますので、ニーズはあるんだろうというふうに思います。それがどのぐらいあるかということは一つの問題だと思いますが、アメリカでは一九七七年以来、LLCで八十万社の創立があったと、創設があったと。一方、株式会社、この間、百万社ということでございますから、仮に日本でもこのLLP制度あるいはLLC制度の導入によってこういう創業が実現できれば、創業者の立場からすると、こういう会社、あるいはこういう事業を行いたかったけれども今までの法制下ではできなかったことが可能になったという意味で、そのすき間を埋めることができるんだろうというふうに思いますし、一方で、こうした事業体制度の創設で、長年の懸案である開業率のアップということも含めて、創業の底辺の拡大を図るということが私はできるんだろうというふうに思います。

 そこで、先ほど来申し上げているように、今回、法務省はLLCの制度の導入を提案をされていると。そして、我が経済産業委員会ではLLPの、ともに有限責任制を特徴とする制度の審議をさせていただいているわけでございますが、この相違点として法人格の有無であるとか課税上の取扱いなどが挙げられているわけでございますが、ある意味ではかなり似通った制度だというふうに私は思います。果たして、今この時期にこのLLPとLLCという二つの事業体制度を本当に同時に創設する必要があるのかという疑問を私は実は持っているわけでございますが、この点について、その両制度を創設するに当たって経産省と法務省は連携しながら検討を行ってきたのか、あるいは両省において具体的にどのような検討が行われ、別々にこの二つの、LLPとLLCを創設する法律案を提出するに至ったかという経緯について、経済産業省側のお考えをお伺いしたいと思います。

○政府参考人(北畑隆生君)

 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおりでございまして、経済産業省では、米国のLLC制度あるいは英国のLLP制度に類似をした、ベンチャーあるいは創業あるいは共同事業のための言わば小回りの利く柔軟な組織体の導入をすべきである、産業界からもそういった新しい組織体が必要であると、こういった要望を受けてきたところでございます。

 二〇〇二年の十二月より、省内にLLC研究会を設けまして、二〇〇三年の十一月に日本版のLLC制度の創設について提言をまとめたところでございます。

 この日本版LLCにつきましては法務省の方で検討を進められまして、会社制度の一類型として創設をすると、こういうことになりまして、今国会に法務省の方から提出されております会社法案の中に、この内容を盛り込んだ日本版LLC制度の導入について御提案をされておるということでございます。

 他方、LLPでございますが、二〇〇四年の九月、少し遅れて検討を開始いたしました。省内にLLP研究会を開催いたしまして、昨年の十二月に取りまとめを行い、この取りまとめを受けまして、こちらは会社類型の一類型ということではなくて、民法の組合の特例という形で私ども経済産業省の方から今国会に提出をさせていただく、こういう経緯でございます。

○小林温君

 今、経緯はお伺いをしたとおりだというふうに思います。

 ただ、これ衆議院での審議の議事録なんかも読んでみますと、二つの事業体、同時に創設することになった経緯の中で、税制をめぐる議論もあったというふうに承知をしております。

 アメリカのLLCで認められているような法人課税と構成員課税の選択制、まあチェック・ザ・ボックスですが、これを認めることによって実はそのLLPとLLCを一つの制度として今回創設するということも私は可能であったのじゃないかというふうにも思うわけでございますが、この点について、まず経済産業省としてはどういうふうにお考えでしょうか。

○政府参考人(寺坂信昭君)

 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、アメリカにおけますLLC、これは制度を使いますユーザーでございますそれぞれのLLCにおきまして、法人課税とそれから構成員課税と、このどちらかを選択することが可能な制度と、そういうふうになっていると承知をしております。

 我が国におきまして、こうした同一の事業体類型に二つの課税手法といいますか課税手段、これを選択することを認める、まあチェック・ザ・ボックスと呼んでおるようでございますけれども、そういうチェック・ザ・ボックスを認めるというのは、現在の税法の考え方を基にいたしますと非常にハードルが高い議論ではないかというふうに考えているところでございまして、そういう中で、私どもといたしましては、有限責任制それから内部自治、それに構成員課税という、そういう三つの特徴を有する事業体、これを早期に実現することが重要であるというふうに考えまして、今回、LLP制度を提案させていただいたところでございます。

○小林温君

 その税制の選択制については、現状の税制ではハードルが高いという今お答えをいただいたわけでございますが、この点について財務省の御見解をいただけますでしょうか。

○政府参考人(加藤治彦君)

 お答え申し上げます。

 今、経産省の方からお話ございましたアメリカにおけるLLC、これが構成員課税を行うのか、それとも法人課税を行うかの選択制ということ、これは正に御指摘のとおりでございます。ただ、私ども税制当局の立場から、この問題について、やはりどういう課税が最も適切であるかということをきちっと確定して、しかもこの税制というのは最終的には適正執行ということまで含めて考える必要がございますので、組織形態に応じた適切な課税を確定して適用していくというのが望ましいという考えをしております。

 アメリカの件につきまして私ども承知しているところでは、結局、アメリカの場合は、この事業体のそもそもの親法というか事業体の会社法制の在り方が、連邦レベルではなくて州レベルで行われておると。したがいまして、各州によってもう全部まちまち、これを一律に、じゃこの一定の基準で、構成員課税でいくのか、それともその事業体の会社課税でいくのかというのを決めることは、これはもう本当に困難だと、税制当局として困難であるということで、税制当局としてはそういう状況の中でチェック・ザ・ボックスという制度を導入したということを伺っております。

 日本の場合は幸い、会社法制、国のレベルで一本化して事業体の在り方について御議論いただいております。今回もいろんな意味でLLPとLLCの両方の事業体の議論が出てきておるわけでございますが、それはそれぞれ、私ども、意義があるものとしてとらえるべきであり、かつそれに対してそれぞれ適切な課税を行うということが望ましいという考え方でおります。

○小林温君

 アメリカの場合は連邦制であって、各州ごとに州法によってその規定が違うということでございますが、ただ、後ほどまた触れさせていただきたいというふうに思いますけれども、仮にこういう新しい制度を創設しても、税制面でハードルが高いことによって仮に組合をつくろうという意思を持った方々が混乱するのであれば、その部分のハードルをいかに下げていくかということも、またこれは経済産業省さん、法務省さん、それから財務省も含めて、やっぱり前向きに検討をしていただく必要があるんじゃないかというふうにここでは申し上げていきたいというふうに思います。

 それで、もう一度ちょっと財務省さんにお伺いをしたいんですが、この今の税制をめぐる議論の中で、現在ある合名会社、合資会社とのバランスというものも今回の判断の一つの材料になったというふうにお聞きをしておりますが、その点について少し御見解を伺えればと思います。

○政府参考人(加藤治彦君)

 私ども、法人税制、法人課税を行う基本的な考え方として、やはり権利義務の、その事業体が権利義務の帰属主体として独立して納税義務を負うということが適切だということがまず第一だと思っております。

 今回、LLPにつきましては、正に民法組合の特別な類型ということで、元々民法組合につきましては、これはパートナーシップ課税ということで構成員課税、これは会社法のような資本規制とかはございません。収益分配も自由にできるということで、そこのところは、しかもそれぞれが各構成員で権利義務の帰属を分かち合うということになっておりますので、ここの面においてはもう会社という概念とは全く異なると思っております。

 したがいまして、この合資会社、合名会社のいわゆる会社課税とはこのLLPの課税は別にするということが、現行の税制体系ではそういうことの結論になるというふうに考えております。

○小林温君

 後ほどまた、このLLPとLLCの問題については財務省からもお伺いをしたいと思いますが。

 委員会の制度でございまして、今回もLLPとLLC、似たような制度が同時に提案をされて、別々の委員会で議論をされているわけでございます。今日は法務省にもおいでをいただいておりますので、少しLLCとLLPと比較してその議論を進めさせていただきたいというふうに思うわけでございますが、具体的に、このLLP制度それからLLC制度、比較した場合にどのようなメリットがそれぞれあるというふうに考えているのか。また、それぞれの制度というものはどのような事業に対して用いるのが適当だというふうにお考えでしょうか。

 まず、経済産業省さん、お願いいたします。

○政府参考人(寺坂信昭君)

 会社法の現代化におきまして導入が予定されておりますそのLLC、これは全員、有限責任、それから内部自治が徹底していると、そういった点ではLLPと同様と認識をしてございます。ただ、第一に、LLCには法人格がありますけれども、LLPの方には法人格がございません。それから、組合契約か会社かという形態の違いに基づきますと、LLPの場合には存続期間を定める必要がありまして、一方LLCにおきましては他の会社形態、これに組織変更することができると、そういったことなどの違いが挙げられると考えてございます。

 こうした違いを考えますと、具体的にどういったところで利用されるのかということでございますけれども、LLPの場合は個人や企業の信用、あるいはその能力、こういったものを前面に出す事業、それから期限を区切ったプロジェクト、さらにはハイリスク・ハイリターン、そういったような事業に適しているのではないかというふうに考えてございます。

 他方、LLCの方は、先ほどの特徴などから考えますと、将来の株式公開を予定しているような事業、それから永続的に行われる事業、それから安定的な収益を生み出すような事業、そういったものに用いられるのではないかというふうに考えてございます。

 それから、先ほど来、委員御指摘、議論がございました税制におきまして、LLPは民法組合をベースにしてございますので構成員課税が適用されると、そういった違いがあるわけでございまして、こうした違い、特徴、そういったものを検討した上で、それぞれの利用者の方がどちらかを選択していくというふうになっていくのではないかと考えておるところでございます。

○小林温君

 今の同じ質問を法務省から御見解をいただきたいと思います。

○政府参考人(深山卓也君)

 少し重なり合うところがありますけれども、法務省の方からもお答えいたします。

 LLPの本質は、先ほど来出ているように組合契約でございます。LLC、合同会社は会社であり、法人格がございます。両者は、構成員が自ら業務の執行に当たる点、それから構成員が有限責任であるという点において共通する面がございますけれども、合同会社、LLCの方は、LLPとは異なりまして株式会社等への組織変更が可能であること、それから他の会社との合併、分割、会社の分割ですね、などが可能であること、それから構成員が一人であっても存続が可能であること、さらには、法人格を有することで対外的な関係における法的な安定性が比較的高いと言えることといった特徴がございます。

 合同会社、LLPのいずれにつきましても、その利用をする典型例というのは創業段階のベンチャー企業などであろうと思われますけれども、今言ったような特徴がございますので、事業を始める方がどちらが自分の事業に適切かを判断した上で選択をされるということになっていくんだろうと思います。

○小林温君

 私が仮にベンチャー企業の経営者で、LLPかLLCかどっちを使えばいいかなと思ったときに、今二つの省庁からいただいたお答えではなかなか決められないなというのが率直な感想でございます。

 例えば、先般、当委員会でも中小企業経営革新支援法の改正案を審議をさせていただきました。これ、既存の中小企業支援三法を整理統合して、利用者にとって分かりやすく使いやすい施策体系をつくるということを目的として行ったわけでございます。つまり、利用者の視点に立ってこうした既存の制度をスクラップ・アンド・ビルドしたものだというふうに私は認識をしているわけでございますが、例えば、行政改革を現在も引き続き推進をしております。当然その効率性の向上というものが一つの大きな目標であるんですが、もう一つは、やはり行政サービスもサービス業であるというふうに考えたときに、その法整備を進める中でも、国民や企業を顧客に見立ててその顧客の満足度というものをどういうふうに上げていくかということが当然行政の視点の中にもあってしかるべきだというふうに私は思っております。

 そういう意味でも、今回の法制度も、先ほど来申し上げていますように、どうもLLPとLLC、仕組みが似通っておって、確かに専門的な分野、その課税の部分等については違う部分もあるんでしょうが、その両者が併存していることが多分利用者にとっては複雑で分かりにくいというのが現実じゃないかと思います。当然私も、先ほど来論点として挙げられておりますような課税面の課題等含めてハードルがあるということは承知をしておりますけれども、将来的には、中小企業経営革新支援法でも行ったように、この二つの法律を是非整理統合していただいて制度を一本化することも視野に入れて検討していただきたいと、こういうふうに私自身は思っているわけでございますが、この点についてまず法務省さんとしての御見解をお聞かせをいただきたいと思います。

○政府参考人(深山卓也君)

 このLLPとLLCの関係ですけれども、先ほど言いましたように、それぞれ特徴がございます。これらの特質は、本質的に、一方が組合契約の特殊なものであり、一方は会社であるというところに由来するものでございますので、これからこの制度が両方できてどのように実際に利用されていくかと、ここを見なければ何とも申し上げられないんですけれども、経済産業省さんとも十分相談の上、それぞれ別々のニーズにこたえる、両方設けることに十分な意味があるだろうということで同じ時期に法案として出さしていただいておりますので、近いうちに一本化するということは、取りあえずは、利用状況によりますが、考えておりません。

○小林温君

 仮に、仮にその判断が難しくて普及が進まないとすれば、何のために法律を作っているかということもあるかと思います。是非、御努力をお願いしたいと思います。

 それから、税制上で幾つかの課題があるということを先ほど来お答えをいただいておりますが、組合と会社という違い、それから先ほど来出ております構成員課税制度、その選択制、そういうものを認めていくということについては、是非この点についても財務省さんには前向きに取り組んでいただきたいというふうに思いますが、財務省さんからのお答えをお願いいたします。

○政府参考人(加藤治彦君)

 先ほどから御説明申し上げましておりますが、やはり課税する場合のいろんな基本的な条件というものをきちっとしていくということが税制上必要不可欠だと思っております。

 ただ、今後、将来、どういう事業体がいいのかということでいろんな議論があり、それに対してどういう課税をすることが最も適切かということについては、それはまた十分その段階で御議論をさしていただきたいと思っております。

○小林温君

 最後に経済産業省さんにまた同じ質問をお伺いしたいと思いますが、後ほどベンチャーの視点というのを中心にまた法律案の中身について議論させていただきたいと思うんですが、やはり経済産業省さんは我が国の新しい産業をいかに育成して国際競争力を上げていくかということ、その責任を担っているわけでございまして、そういう点からも再度、このLLPとLLCの将来的な在り方について御見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(中川昭一君)

 LLP、LLCはイギリス、アメリカがある意味ではお手本でございますけれども、日本が柔軟な企業活動をしていく上で非常に大事なポイントだろうというふうに思っております。

 日本の法制度におきましては、CとPとで沿革が違うわけでございますけれども、そこを何とか統合をしていきたいということで、法務省あるいは財務省、そして経済産業省で統合していきたいなということで、このLLP、LLC、若干時間的なタイムギャップがございますけども、これをやっていきたいなというふうに思っております。法人税の問題とかその他幾つかタイムギャップがございますけども、とにかく使い勝手のいいようにしていきたい、それがユーザーにとって非常にいいことだと思っておりますので、そういう意味でユーザーにとってプラスになるような制度をつくっていきたいというふうに思っております。

○小林温君

 三省庁それぞれ、是非積極的なお取組をお願いをしておきたいというふうに思います。

 LLP法は成立をすれば今年中に施行が予定されていると、それから会社法は成立をすれば来年施行予定だということでございます。当然、こういう新しい制度を使ってみようという企業経営者、あるいはこれから創業しようとする方々もいらっしゃるんだろうというふうに思いますので、どちらを選択すればいいのかという混乱を生じないように、是非分かりやすい、ユーザーの立場に立った制度の説明というものもこれからお願いをしていきたいというふうに思います。

 そこで、またここで少しベンチャーの視点からということで議論をさせていただきたいと思うんですが、やはりこの委員会でも毎回議論になるように、日本の中でベンチャーが更に息づいていくような土壌をつくっていく必要があるというのは言うまでもないことだと思います。経済産業省さん始め、いろんな施策を打ち出していただいたり法改正も行っていただいてはいるんですが、毎回申し上げるように、まだまだ足りないと、もう少しやっぱり抜本的にいろんな取組というものもあるんだろうというふうに思うわけでございますが。

 そこの点も含めて、もう一つありますのは、やはり政府あるいは役所の方と、まあ我々政治も含めてですが、それからベンチャーを、今現実に企業経営をされている方や、これから起こそうとする方、どうもお互いに食わず嫌いの部分が私はあるんじゃないかというふうに思っています。我が方もどうやってベンチャーサイドにアプローチしていいのか分かりませんし、ベンチャーのサイドからすると、別に政府や役所に物を言っても我々のことなんて余り積極的には受け止めてくれないんだという、そういう何かお互いの行き違いというものがあるのを、実は私感じているわけでございますが。

 先日もこういうことがございました。今、財団法人財務会計基準機構で企業会計基準委員会というのがございまして、ここで今、企業会計基準の見直しを行っているんですが、のれん代の償却というものをこれからどう取り扱うかという議論があって、この委員会の議論の中では、これは主にどちらかというと経団連さん始めとする大企業の皆さんからの要望のみが入っていて、実際にMAを繰り返してそののれん代がかなり大きくその会社の資産の中に存在をしているベンチャー企業の皆さんからしてみると、非常に納得のいかない会計基準というものが採用されようと実はしているような状況があるわけで、この点について少しその双方と議論をさせていただきましたら、実はヒアリングをやったりパブリックコメントをもらったとその委員会の方は言うわけですが、そんなことがあったということすらベンチャー側では実は知らなかったと、例えば時価総額一兆円をこれ超えるようなベンチャー企業も含めてでございますが。ですから、こういうコミュニケーションをいかに図っていくかというのがやはり今後、経済産業省にとっては大変重要な課題になるだろうというふうに思うわけでございます。

 また法案の話に戻りますと、このLLPとLLCでございますが、先ほどどういう類型でどういうふうに使いやすさがそれぞれあるかと、メリットについてお答えをいただいたわけでございますが、やはりその使う立場、当該のそのベンチャー企業のビジネスモデルを勘案したときに、本当に両方の制度、どちらが使いやすいのかということを判断できるように周知をしていくということが大事だろうと私は思うわけでございますが、この点について経済産業省さんはどういう御見解をお持ちでしょうか。

○政府参考人(北畑隆生君)

 法制面、税制面の違いがあるということで、LLC、LLP、二本立てでスタートをするということになったわけでございますけれども、ともにベンチャー企業にとって使いやすい制度にする、使うベンチャーのユーザーの側に立って分かりやすい説明をするということは、委員御指摘のとおり、重要なことであると考えております。

 新しい制度でございますので、私ども、この制度が創設されたときには、中小企業団体あるいはベンチャーの団体も含めまして十分御相談に乗り、またPR、分かりやすいパンフレットの作成などを通じて啓蒙といいますか、広報に努めてまいりたいと考えております。

○小林温君

 中小企業団体というのは組織もしっかりしておりますし、日ごろその事業にメリットを感じて、そこに行けば情報があると、例えば商工会議所や商工会に行けばという方々も会員になられているわけでございますが、一方、ベンチャー企業というのは、確固たる組織があって、その組織に対して何かアプローチをするといろんな施策も含めてこういうことを政府でやっていますよということが周知徹底できるような組織体があるかというと、きっとそうじゃないんだろうというふうに思います。ですから、それはウエブを使うのか、また新たなアプローチというものを是非考えていただきたいというふうに思うところでございます。

 そこで、例えばある企業が株式公開を目指そうと、こういうベンチャー企業があったとします。こういう場合は、先ほど来お答えをいただいているLLPとLLCの類型で考えますと、どちらを選択した方がふさわしいというふうにお考えでしょうか。

○政府参考人(北畑隆生君)

 LLPの方は、むしろ創業の段階で非常に小規模なものに適切な事業の組織体であると考えております。仮に将来、上場ということになりますと、株式会社への模様替えといったことが必要になろうかと思いますので、その場合にはLLCの方がより便利かと考えております。

○小林温君

 これも、使う立場に立った場合に、創業の時点で、ビジネスモデルも含めて、自分の会社が将来どう進んでいくかということについて、もちろん明確なビジョンを持っていらっしゃるそういう経営者の方もいらっしゃると思いますが、どちらかというと暗中模索で、結果的に企業がこれだけ大きくなったと、組合が大きくなったと、やはりIPOしてそのキャピタルゲインを得てみようかという、思う場合もあるんだろうと思います。

 ですから、私も、私個人で仮にそういう選択を迫られて企業を立ち上げるときに、LLCかLLPかという判断にも迷うんだろうというふうに思うんだろうと思うわけでございますけれども、今お話にありましたように、仮に株式公開を目指すんであればLLCの方が形態としてはふさわしいんじゃないかというお答えでございましたが、これ仮にLLP、小さな組合として出発して、業績が上がっていく過程で株式公開を目指そうと、こういう方向を見定めたベンチャー企業の場合、今のこの制度でいいますと、一度そのLLPを解散をしてしまうということが求められるわけでございますが、その際は、当然、公開をする場合にはその公開前の何年間かの業績が上場基準の中で考慮されるわけでございますが、仮に解散ということになった場合に、その公開の際の上場基準に解散前の組合における、LLPにおける業績というのはこれ考慮されるというふうにお考えですか。

○政府参考人(北畑隆生君)

 少し最初の、前回の質問、少し補足させていただきます。

 ベンチャーは大変ハイリスク・ハイリターンの事業ということでございますので、最初から将来の上場をにらんで自信を持って取り組むベンチャーというのはなかなかないんだろうと思います。そういうハイリスク・ハイリターンの場合には、LLPの構成員課税、ベンチャーの初期の段階は数年間赤字が続くというのが通常のケースでございますので、税のことを考えますと、事業の創業のときにはLLPの方が適切であろうと思います。ただ、最初から大手企業と組んでLLPであるいはLLCを使って将来もう上場を念頭に置いてスタートをするという、ベンチャーとはいいながら相当自信のある事業、事業が確実だという事業については先ほど御答弁したようにLLCが適切だと、こう申し上げました。

 法制上の違いでLLPは民法組合の特例、つまり契約関係でございます。LLCは会社法制の中の一部という、会社形態の一類型ということでございますので、そこに性格の差がございますので、委員御指摘のとおり、LLPでスタートをして事業が順調に立ち上がって将来上場をにらむということであれば、会社形態に模様替えをしなければならないということになります。そのためには、LLP、契約関係をいったん終了をして、新規にLLCなり株式会社なりを設立するということになりますので、そういう不便はあろうかと思います。

 その際に、上場の際の上場基準に過去の営業、事業の実績というのが上場基準の中に入っておろうかと思いますので、それじゃ、そのLLP時代の営業実績がそういうごとに考慮されるのかどうかというのが委員の御指摘かと思います。これにつきましては、それぞれの取引所の上場基準の判断であろうと思うんですけれども、委員の御指摘、ごもっともな点ございますので、私ども、関係の省庁、関係の取引所とこれから議論をしてまいりたいと考えております。

○小林温君

 多分、今大きな企業を経営されている若手のベンチャー経営者も、最初は公開考えていなかった人もいるかもしれませんが、大部分は、公開して一発どかんとビッグになってやろうと思う人が多いというのが実は私は現状だというふうに思います。

 これも最初の議論に戻るわけでございますが、この制度が並立する中でフレキシブルに、しかもそれが結果的に制度を変更することがその会社を大きくしていく中でのマイナスの要因にならないように、先ほど来申し上げておりますように、各省庁間で綿密にその辺の整合性をしっかりと議論していただきたいということを改めてお願いをしたいというふうに思います。

 仮にこの法案が成立をして、また会社法も成立をするということになった場合の質問でございますが、多分、経済産業省経済産業局が各地にあって、それから中小企業団体、各経済団体とのつながりもあるんだろうと思いますので、そういった部分を活用して制度の周知徹底を図っていくんだろうと思います。

 一方、法務省のサイドは法務局になるんでしょうか、似たようなそれぞれの傘下の団体等を通じてこうした新しい制度の周知を図っていくんだろうというふうに思いますが、これは先ほど来議論になっているように、多分、一番利用者にとって有り難いのは、二つの制度を並べていただいて、本当に自分のビジネスモデルあるいは将来設計においてどちらの制度を採用する、これはLLPとLLCだけに限らず、例えば有限会社がいいのか株式会社がいいのかということも含めてでございますが、こういう機会をその利用者が得るということが極めて重要になってくるんじゃないかというふうに思います。

 私、是非提案をさせていただきたいのは、経産省さんと法務省さんで、できれば税制面の部分も含めて、財務省さんなんかにも入っていただいて、こういう周知をするような機会、説明会、物理的な説明会でもいいでしょうし、ウエブでそういったページを使っていただいて、例えばベンチャー企業にもこういう制度ができてこういうメリットがあるということをしっかりと知っていただくような、そういうことがあってしかるべきだというふうに思いますが、経済産業省としてはどういう御見解をお持ちでしょうか。

○政府参考人(北畑隆生君)

 LLPもLLCも新しい制度でございますので、その普及のために周知徹底を、様々な広報活動の周知徹底を図ってまいりたいと思っております。

 その際、委員御指摘のとおり、法務省始め関係の省庁と合同で説明会をやるということにつきましても、それぞれ御相談の上、可能であればそういった方向で検討してまいりたいと考えております。

 また、中小企業団体、それから都道府県等のベンチャーに関連をする行政組織、それから、必ずしも組織率は高うございませんが、ニュービジネス協議会とかベンチャーエンタープライズ協会とか、それから東京、名古屋、大阪の中小企業投資育成会社、こういったベンチャーに関連する機関、団体につきましても、こういった説明の対象として検討してまいりたいと考えております。

○小林温君

 今挙げていただいたような組織だけだとやっぱり足りないんだろうというふうに思いますので、新しいチャネルの開拓ということもお願いをしたいというふうに思います。

 そこで、LLPは法人格を有さないわけでございます。この点で、例えば融資契約を結ぶ際に支障を生じるということはございませんでしょうか。

○政府参考人(寺坂信昭君)

 御指摘の、LLPには法人格がないので第三者との間で契約を結ぶ場合に支障が生じるのではないかと、そういう問題意識でございますけれども、この点につきまして、LLPでは民法組合でございます、その民法組合の場合と同様に、組合員名義で契約などを結ぶと、そういうことができますので、融資もそうでございますけれども、事業活動に法人格がないということで特段の支障が生じることはないというふうに考えているところでございます。

○小林温君 構成員に融資をして、またそれを組合との間で契約を結んで、あるいは出資という形態で融資されたお金をまた組合の活動の中に使っていくということだというふうに思いますが、この点についても是非、今進めております個人に対する融資をいかにこれから変えていくかという部分とも併せて御検討いただきたいというふうに思います。

 ちょっと質問の順番逆になりますが、仮にこのLLPの事業に対して、今のお答えで、融資を受ける際に、個人が、組合として担保物件がない場合には個人保証になるということも考えられるわけでございますが、そうすると、このLLPで最初にうたっております有限責任というものが実質的に担保できないんじゃないかと思いますが、この点についてはどうお考えですか。

○政府参考人(寺坂信昭君)

 LLPの事業に対しまして金融機関から借入れを行う、そういう場合に個人保証を求められるかどうかでございますけれども、当該LLPのその事業計画あるいはその財務状況、そういったものなどを見て、ケース・バイ・ケースになるのではないかというふうに考えてございます。したがいまして、組合員が個人保証をした場合には出資額を超えまして債務保証額まで債務を負うと、そういったような意味合いでは、委員御指摘のように、その有限責任というところが確保されないんじゃないかということになるかと思います。

 ただ、しかしながら、そういった事態にならないように、私どもも含めまして知恵を出していかなきゃいけないというふうに考えているところでございまして、例えば少額の融資でございますと、政府系金融機関などの無担保無保証制度、そういった活用も可能でございます。それから、民間の金融機関におかれましては、事業そのものに着目するいわゆるプロジェクトファイナンス、そういったような手法も出てきているわけでございまして、今回御提案してございますLLPのこの事業というものは、そうした融資手法の受皿となるそういう組織形態であると考えているわけでございまして、こういった柔軟な融資の対応が可能となるようこれからもLLP制度を育てていくというふうに考えているところでございます。

○小林温君

 今のお答えだと、実質的には有限責任じゃない部分も想定されると。特に大企業が構成員になっていたり、あるいは信用のある方、担保を持っている方が構成員になっている場合は別でございますが、先ほど来申し上げているような、例えば中小零細企業の飛躍のためにこういう組合を組成する、あるいはベンチャーがこういう組合に参加するということを考えた場合に、いかにその有限責任ということを実質的にも担保していくかということについては、先ほどお話のありました政府系金融機関の役割、その融資の柔軟化も含めてこれはしっかりとした対応をしていただきたいというふうに思います。

 そういうことも含めてこのLLPの事業に対する金融面での支援、私は、これは是非積極的にお考えをいただきたいと思いますが、この点についての御見解をお伺いを、いただきたいと思います。

○副大臣(保坂三蔵君)

 ただいままで議論がございましたように、組合構成でございますのでLLP自体に現実的な金融的な支援というのはなかなか難しいんでございます。しかし、それぞれの企業に支援をするということは、既存の支援体制を全部私どもは活用することができると考えております。

 それから、既に先生方に御決定いただきました中小企業支援新法、これにおきましても、既に施行されましたが、例えば融資制度におきましても、新連携融資あるいは、これは補助金ですね、それから融資制度、それから設備投資減税などもすべて活用できますので、これらを、我々といたしましてはLLPを育てようという、そういう点で考えてまいりますと、全力を挙げてこれらの融資制度で支援をしてまいりたいと思っております。

○小林温君

 制度の周知と併せて、この委員会でもいろいろ議論させていただいて行った法改正、新しい法律の制定、そういったものすべてですね、資源を投入をして、こうした経済の浮揚あるいはベンチャー企業の育成というものに知恵を絞っていただきたいというふうに思います。

 最後になりますが、アメリカでは半導体の開発技術のジョイントベンチャーがLLCを活用して展開をされて、また、これが今回のLLPの中でも似たような事業が想定をされているというふうに思うわけでございますが、この研究開発プロジェクトにも是非、政府あるいは自治体の予算を使えるようにして、ある意味でいうとこれは産業政策の枠にもなると思いますし、今後の産業競争力ということを考えた中で、我が国の経済の核になるような分野については重点的にそういった取組をしていただきたいというふうに思いますが、この点について経済産業省としてどういうふうにお考えでしょうか。

○副大臣(保坂三蔵君)

 お話しのとおり、企業の共同研究開発プロジェクトや産学連携、これに全力を挙げて今回の制度は生きるという方法を周知徹底してまいりたいと思っております。

 で、政府関係の研究開発予算の補助金や委託費も、これはもう十分活用できますので、アメリカの例を見るまでもなく、今回、そういう意欲のあるベンチャーや、あるいはまたそれぞれの企業がこれを大いに活用して実を上げていただきたい、このように考えております。

○小林温君

 今日は、LLPとLLCの比較の中で、私の個人的な意見としては、是非この辺の整合性を図っていただくと同時に、是非、税制面でのハードルもクリアをしていただいて、一つの制度に収れんをさせてはどうかということを御提案をさせていただきました。

 また、こうした制度全般が新しく創設をされたときに、いかに利用者の立場に立ってそういう施策を展開していただけるかということを更にお願いをしたいということと同時に、その周知徹底については新しいアプローチの方法も含めて御検討いただいて、こうした法制度、新しい制度の普及に向けてまた御努力をお願いをして、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。