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国会発言録

[第162回 参議院 国際問題に関する調査会 2005年4月18日]

○小林温君

 二月に始まったこの調査会でございますが、十六人の参考人をお呼びをして、今日はこうして議員間での意見交換が行われているわけでございます。

 今まで各委員のお話を聞いておりますと、この調査会の中で議論をされたことについてもこの二か月少しの間に様々な変化が起きているわけで、テーマ設定についても、そういう意味でいうと非常に的を得たものであったんではないかというふうに評価をさせていただきたいというふうに思います。

 そこで、私、まず日中・日韓関係について少しコメントをさせていただきたいと思います。

 調査会の中の参考人のお話の中でも、歴史認識の問題というのは多分、日中間、日韓間では解決というのは難しいだろうということをおっしゃる方がいらっしゃいました。また、日本のリーダーシップ、アジアの中、あるいはグローバルな意味でのリーダーシップについて賛意を得ることは難しいのではないかという意見を述べられた参考人の方もいらっしゃいました。正に、今の日中間、日韓間の関係というのはこういう部分が問われているんだろうというふうに思います。いずれにいたしましても、この何週間かの週末における中国の政府の対応に対してはこれは猛省を促したいというふうに思いますし、早期の解決に向けて中国側の責任というものをやはり我々もしっかりと追及をしていくべきだというふうに思います。

 そんな中で、少し日中間、日韓間、今回の歴史認識、あるいは安全保障理事国の常任理事国入りをめぐる問題について対比をさせていただきたいと思いますが、最初に事が起きたのは韓国でございました。竹島の問題、それから教科書検定の問題ということで、そこから中国は、教科書の問題、そして現在は常任理事国への日本の仲間入りに対して様々な反対論が述べられているわけでございます。

 韓国の問題については、一つは、竹島の問題も教科書の問題もある意味では予見可能なものであった、つまり、こういうスケジュールがあったというのはあらかじめ分かっていたはずでございますので、その部分について政府も初めもっとしっかりとした対応ができなかったのかということを是非コメントをさせていただきたいというふうに思います。

 しかし、私、実は四月の八日にソウルに単身で訪問させていただきました。予断は許さない状況であるというのは間違いありませんが、韓国側、特に議員サイドの中には決して日韓関係をここで断絶させる、そんなつもりの方はいらっしゃらない。それはこの数年来の日韓間の良好な関係を評価してのことだと思いますが、ですから、今後様々な形で政府間あるいは議員間でもボールのやり取りがある中で、そのやり取りをしっかりと一つ一つ球を見極めながらやっていくということによって、この日韓の今の問題というのはある程度コントロールが可能なのではないかというふうに思いますし、それを裏打ちをしているのがワールドカップや韓流ブームといった相互の草の根の交流であるということも実感をして帰ってまいりました。

 四月の七日に日韓の外相会談があったわけでございますが、この中で町村外務大臣が幾つかの歴史認識の問題解決についての提案をしております。一つは、戦時中に徴用をされてサハリンに抑留をされた韓国人の軍人の補償、遺族も含めてでございますが、の問題、それから戦時中に亡くなった方の遺骨の収集の問題、それから広島、長崎での被爆をされた韓国の方の補償の問題、そして歴史認識についての共同委員会が一つの役割を終えましたのでこれをいかに発展させていくかという、この四点でございます。

 これは、竹島の問題と教科書の記述の問題については時間を掛けなければ解決をできない中で、今回の具体的な提案というものはしっかりと評価されるにふさわしいものだというふうに私は認識をしておりますが、実はこういうことが韓国のメディアでは全く報道されていないというのもまた事実でございます。ここは、日本も含めて、この歴史認識の問題について、それぞれのメディアが中立公正な報道をするということを是非これからも担保していただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、この日韓間、日中間も含めてでございますが、今我が国が直面をしている北朝鮮の問題の解決、あるいは日本の常任理事国入りといった我が国外交にとって大きな意義を持つ問題について多大な影響を与えることでもございますので、我が国政府としても適切な対応をする、その中で我々議員がどういう役割を果たしていけるかということを考えていくべきだというふうに思います。

 簡単に経済面について触れさせていただきたいと思いますが、調査会の議論の中で東アジアの経済統合に向けて日本がそのリード役を担うべきだという議論がございまして、それに対する共通認識もある程度形成をされたのではないかというふうに思います。

 しかし、現実を見ますと、日韓のFTAについては停滞をしておりまして、韓国は日韓のFTAに進捗が見られない中で、人事も含めてほかの国とのFTAの交渉にそのリソースを割くという政策を最近採用したと言われております。また、二十一日には日豪首脳会談が行われて、そこで日豪のFTAのスタートについて両首脳間で合意を得るというシナリオがあったようでございますが、どうもこの点についてもなくなったようでございます。

 先ほど藤末委員からもお話がございましたが、やはり戦略を持つと、同時にリーダーシップがどこにあるかということを明確にしていくべきだと思います。もう言い古された議論ではございますが、USTR型のヘッドクオーターを日本の中にしっかりと置いて、できれば通商交渉担当大臣をしっかりと任命をして、その現場でのリーダーシップの中でこうしたFTAの交渉を進めていく、あるいはWTOも含めた通商交渉を進めていく、そういう体制整備を図るべきだというふうに思います。

 最後になりますが、やはり議員外交というものが今その意義を問われているというふうに私も思います。

 この調査会制度、三年間ある程度継続性を持ったテーマで同じメンバーで議論をするという中で、正にこの議員外交の意義付けというものもあると思いますので、今後ますますこの国際問題調査会を通じて、日本の外交の中で議員外交というものはどうあるべきかと、あるいはその具体的な中身の実現も含めて進めていっていただきたいということをメンバーの一人としてもお願いをさせていただきたいというふうに思います。

 以上でございます。