[第162回 参議院 経済産業委員会 2005年3月18日]
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○小林温君
引き続きまして、自民党の小林温でございます。
今日は、予算案の委嘱審査ということでございます。これまで、まあ昨年、一昨年とこの委員会で法整備をした各種施策の現状、特に中小企業に関する部分について、今回の予算の中身を含めて質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず最初に、昨年の中小企業金融公庫法改正の件でございますが、平成十六年度からこの中小公庫の証券化支援業務を行っております。これは、保証型と買取り型があるわけでございますが、十六年度の事業規模が九百億円、保証型が、それから買取り型が千五百億で、予算措置は合わせて四十億ということになっております。この証券化支援業務について、現在までの数字について御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(望月晴文君)
お答えいたします。
証券化支援業務につきましては、実施は平成十六年七月から中小公庫において取扱いを開始をいたしております。十六年度実績見込みといたしましては、お話しの買取り型につきましては、第一回が二十六億円、第二回が百四億円の見込みであり、合わせて百三十億円の見込みでございます。保証型につきましては、第一回が四百四十五億円、第二回が百九十七億円の見込みでございまして、合わせて六百四十二億円の見込みとなってございます。
○小林温君
保証型が九百億円に対して六百四十二億円。一方、買取り型の方が千五百億円の事業規模の予想に対して現在は約百三十億ということでございます。
この買取り型というのは、地域や業種によってばらつきがあって単独では証券化が困難な地方の金融機関を念頭にこのスキームが組み立てられたというふうに承知をしておりますけれども、この買取り型の実績がこういう状況にとどまっているということについて、どういう分析をされておりますでしょうか。
○政府参考人(望月晴文君)
買取り型の実績が当初の事業規模の千五百億円を下回っております理由につきましては、私どもなりに分析をいたしますと、まず第一に、我が国において証券化手法を活用した中小企業向け融資の経験というものがまだ大手の金融機関や一部の地域に限られておりまして、中小の地域金融機関におきまして十分その意義が理解されていない状況であるということが第一に考えられます。
また、利用する中小企業者にとりましても、まだなじみが薄く、その仕組みや利用のメリットが浸透していないこと、それから証券化支援業務は昨年の七月から取扱いを開始しておりますけれども、取扱期間が九か月ということで一年フルにはたっていなかったということと、それから対象となる中小企業者につきまして、当初、まあスタート時点においては堅くいこうということで、財務状況の比較的優良な企業を対象にしたというようなことが、要因があったものではないかというふうに考えてございますけれども、ただ、この規模の当初計画との差を考えますと相当大きいものがございますので、その点については私ども、もっともっと深く分析をしてみる必要があるということを考えていると、問題意識を持って分析をしていかなければいけないというふうに現時点では考えているところでございます。
○小林温君
まあ元々、買取り型のスキームがその経験のない地域の中小の金融機関を念頭に置いたものだということからスタートもしておりますので、残念ながらこの数字は足りないなという感想を持つのをぬぐえないわけでございますが、金融機関側あるいはそれを使います企業側にしっかりとこのスキームあるいは意義について十分な告知を行っていただいて、更にこの事業を進めていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
そこで、十七年度の予算措置でございますが、予算措置としては、これ、昨年が四十億でございました。十七年度は七十五億円に増えておりますが、事業規模は、これはほとんど同じというふうに承知をしておりますが、この予算の四十億から七十五億への増というのはどういうことでございましょうか。
○政府参考人(望月晴文君)
十六年度の予算では、証券化支援業務につきまして必要な費用として、一般会計において十億円、それから産業投資特別会計、産投会計において三十億円を計上しておりますけれども、合わせて四十億円ということでございますが、さらに、中小公庫の既存出資金の三十億円を振り替えて証券化支援業務に用いることといたしておりまして、実質的には七十億円という数字になっているわけでございます。
十七年度におきましても、買取り型につきましては、更なる証券化支援業務の推進を図るために、中小企業の、本制度を利用できる中小企業の範囲を、財務面から見て、先ほど申し上げた、ちょっと堅い運用をしていた、非常にいい、優良中小企業からもっと平均的な中小企業に拡大をするということであるとか、あるいは中小公庫の保有することになっております劣後保有の割合を二%から五%まで拡大をするなどの追加的な措置を講ずることとなっております。こういったことを全体勘案いたしまして、一般会計において三十五億円、産投、産業投資特別会計において四十億円、合計七十五億円を政府原案として計上させていただいているということでございます。
○小林温君
今、長官の方からも、リスク審査が厳し過ぎたかもしれないと、そこで追加的な措置もこの七十五億というところで行っていただけるということでございますので、是非この事業規模を達成をしていただきたいと思うところでございますが、先ほどいただいた本年度の実績を見て、本当に十七年度においてこの事業規模、特に買取り型ですね、達成できるのかどうか、ちょっと意気込みをお聞かせをいただければと思います。
○副大臣(保坂三蔵君)
この証券化業務は、御案内のとおり、中小企業向けの貸出し債権の信用リスクを金融機関と投資家が分担してもらうことによって、結果的に担保や第三者保証に頼らない、そういう中小企業向けの円滑な融資を図ることを目的としております。
ただいままで説明してまいりましたとおり、何せ昨年の七月からスタートしたものでございますから、目新しさもございます。そして、なかなか金融機関の理解を得られておりませんので、地元の経済産業局を間へ入っていただきましていろいろ説明会などを開いてまいりまして、おかげさまでやっと結果が出てまいりました。この三月にも十四地域の中で約五百社以上が無担保で融資を受けられる、こういう見通しも立っておりまして、一層利用拡大に努めてまいることによりまして中小企業の金融の円滑化を図ってまいりたい、このように考えております。
○小林温君
是非、スキーム自体は大変その地域の中小企業にとって有り難いスキームであると思いますので、この事業規模達成できるように、また省としてあるいは中小企業庁としてのお取組をお願いをしたいというふうに思います。
そこで、経済産業大臣にお伺いをしたいんですが、中小公庫も含めて政府系金融機関の統廃合・民営化ということでございます。
今、郵政民営化の議論が行われておりますが、財投資金の入口である郵貯と簡保の民営化に併せて、政府系の金融機関も統廃合・民営化を検討しようと、経済財政諮問会議等でそういう意見が特に民間議員の方から出されているという報道もあるところでございます。
政府系金融機関の実績等見ますと、そのスリム化が遅れているのは事実だと私も思います。しかし、その一方で、不良債権処理のために、貸出しを抑えてきた民間の金融機関に代わってその中小零細向けの融資に応じてきたという、こういう部分もやはり評価はしなければいけないと私自身は思います。この点について経済産業省としてどういう御見解をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君)
平成十四年時点で、小泉内閣がスタートした直後に、小泉内閣の基本方針であります、民でできることは民へという中で、政府系金融機関についても作業が始まったわけでございますが、あのときは一番貸し渋りがひどかったり、中小企業を始めとして本当に資金が、ニーズが必要なのにもかかわらず、いろいろ自己資本比率の問題だとか金融機関の身を正す問題だとか、いろんな条件の中でいわゆる貸し渋り、貸しはがしが非常に強かった。したがって、これはある意味では政府系金融機関の役割が極めて大きな役割を果たすタイミングであったということもございまして、議論としては若干先送りになっていたわけでございます。
しかし、その間、例の三十兆円の保証にしても、あるいはいろいろと、先ほどの証券化等あるいは無担保無保証ローンとか、いろんな新しい中小企業金融向けの政府系金融機関がかかわった貸出しや保証のメニューがそろってきて、中小企業、借り手の方から見れば非常にお役に立てていただいた、役割は大きかったというふうに思っております。
しかし、これは、今御指摘のように、先日、経済財政諮問会議で、改めてもう一度議論をしましょう、そういう厳しい金融情勢から状況は変わったからということで、一応そのスタートをするということを決めた会議が一回目行われました。そのときに私は、いまだに中小企業あるいは地域によっては厳しい状況もあるわけですから、全く良くなったという状況には必ずしもないわけでありますので、是非現場の声をできるだけ幅広く聞いて議論を進めていただきたいということを申し上げたわけであります。これはもう、あの会議の模様はインターネットで公表されておりますので、そういう発言は公になっているというふうに思っておりますけれども。
そういうことで、民ができることは民でということでありますけれども、官、民でできないことで金融政策並びに国の政策として必要なものであれば、これはやっぱり官でやっていかなければいけないということは当然のことだろうと、逆に、裏返して言えばそういうことになると思いますので、あくまでも、特に金融等の現業部門は、官は民のあくまでも補完ではありますけれども、民でできないものは官でやるということが政府の責任だと思っておりますので、いずれにいたしましても、そういう大きな考え方を我々持ちながら、しかし議論としては改めてスタートをしたばかりでございますので、当委員会の御議論なんかもよく踏まえながら、私も経済財政諮問会議の常任のメンバーでございますので、先生方の御議論も踏まえ、実情を踏まえながら会議に参加していきたいというふうに思っております。
○小林温君
地域経済あるいはその中小零細企業の景況感というのもまだいろんな見方があるようでございます。是非そういう現場の声、ヒアリング調査等も定期的に行っていただいておりますが、そういったものを反映させる形で、この政府系金融機関の見直し等の中でもしっかりとした議論をリードしていただきたいということをお願いを申し上げたいというふうに思います。
続きまして、これも平成十五年に産業活力再生特別措置法に基づいて設置をされました中小企業再生支援協議会についてお尋ねをしたいというふうに思います。
各都道府県にこの協議会を設置をしていただきました。一か所に弁護士、公認会計士、税理士、あるいは中小企業診断士という地域の経済の現状を知っておられる専門家の方にいていただいて、正に再生を目指す中小企業の相談に乗っていただいた、そういう実績も実は上がっているんだろうというふうに思うわけでございます。
この協議会が事業を開始して二年を経過したわけでございますが、平成十七年度の予算案では二十九億七千万の予算を計上されております。これまでの実績あるいは各協議会の現場の声を踏まえて今後どのような点に力を入れていくというお考えか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(望月晴文君)
お答えいたします。
協議会の実績につきましては、これまで約五千九百の企業からの相談に応じますとともに、特にその中から七百六十六社の再生計画の策定支援ということを行っております。そのうち三百五十九社の再生計画が完了し、再生計画が完了したということはつぶれないで済んでいるということでございますけれども、その結果、約二万六千名の雇用が確保されるということになっておるなど着実に成果が上がりつつあるというふうに考えております。
今後、こうした中小企業の再生に対するニーズは更に拡大をするというふうに考えておりますし、現に協議会に依頼をする中小企業者の数は引き続き増加傾向にあるというふうに考えておりますし、加えて、地域の金融機関からも持込み案件が今後更に増えていくという声を多く聞いているところでございます。
こうしたことから、特に再生計画支援を行うその外部専門家の拡充というのを図らなければいけないということで、再生ニーズが増大している協議会には重点的な強化を図るなど、必要な予算の配分を行い、拡大するニーズに的確にこたえてまいりたいというふうに考えているところでございます。
また、確実な再生を図るためにはしっかりとした再生計画の策定支援を行うことが重要でございます。こうした点から、よくDESとかDDSとかいう財政支援の手法がございますけれども、そういったこれまで培ってきた再生ノウハウを各協議会の間で共有を図りながら、各協議会の機能強化につなげてまいりたいということも考えてございます。
さらに、一度作りました再生計画を策定した後のその企業のフォローアップというのを適切に行う必要があるのではないかと思っています。企業の状況に応じた引き続いたアドバイスや各種支援制度の紹介などを行って、確実に再生に向けた支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
こういった体制整備や支援の充実を図るために、先ほど先生おっしゃいました二十九億七千万円の予算を十七年度予算に計上して御審議いただいているところでございます。今後とも更に一層の努力をしてまいりたいと考えております。
○小林温君
時間も迫ってまいりました。簡単に産業再生機構についてお伺いをさせていただきます。
産業再生機構もこの委員会で議論をされて設立をされました。三月末で債権の買取り申込期限を迎えます。今後、新規の支援決定は行われないことになるわけでございますが、今後、産業再生機構は事業再生に向けてどのような業務を行っていくのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(藤岡文七君)
お答え申し上げます。
産業再生機構法上、債権買取り申込み等の期限は三月三十一日までと定められておりまして、現在、機構は、これまで支援決定を行いました事業者に対しまして、買取り決定を行えるよう精力的に関係金融機関との調整を行っているというふうに承知いたしております。 お尋ねの四月以降でございますが、機構といたしましては、これもまた法で定められておりますが、買い取った債権等の三年以内の売却等に向けまして、支援決定をいたしました事業者の事業の再生を確実なものとすべく引き続き活動を続けていくということとなってございます。
機構は、今後とも、一件一件の事業再生を通じまして事業再生モデルを民間に提示するとともに、また、蓄積されました知見やまたノウハウ等を積極的に市場に還元するということをいたしまして、我が国の事業再生を担う人材や新しい仕組みを、また市場をつくり育てていくという目的のために大いに貢献してもらいたいというふうに考えてございます。
○小林温君
本来であれば、大臣に、今後また中小企業再生に向けた決意をお伺いしようと思ったのですが、時間がございません。また次の審議のときにお伺いさせていただくこととして、今日はこれで質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。