[第161回 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 2004年11月1日]
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○小林温君
自民党の小林温でございます。
質問のまず冒頭に、イラクで人質となっておられた香田証生さんが犠牲になられたということは誠に残念でございます。心からの追悼の意を表して、謹んでお悔やみを申し上げます。
また、今日は、大臣、副大臣、外務省からお見えでございますので、こういうことが二度と起きないように万全の対策をお願いをしておきたいというふうに思います。
本日は、八月以来の本委員会の開催となりました。我が参議院ではやっと常任委員会が立ち上がり始めた中で、この拉致特が開かれる。この間にも、ジェンキンスさんが帰国をされ、あるいは日朝の実務者協議が開かれたりと、この問題に関する環境にも様々な変化があったかというふうに思います。聞き及ぶところによりますと、衆議院側の小委員会の方はこの期間中にやらないんじゃないかということもあるようでございますので、参議院はさすがだという声も聞こえてくるんじゃないかと。その意味でも、本日の委員会、大変大事だというふうに私は思っております。
メディアの北朝鮮問題あるいは拉致問題の扱いを見ておりますと、曽我さん一家のインドネシアでの再会、あるいはジェンキンスさんの帰国、そこまでは非常に注目度も高かったわけでございますが、どうもそれ以降はそういう感じではないと。拉致被害者の関係者の方のお話を聞いても、どうもこのまま幕引きされてしまうんじゃないかと、こういう懸念をお持ちの方もいらっしゃるようでございます。
一方、後ほど質問でも触れさせていただきますが、日朝協議に対する北朝鮮の対応には全くと言っていいほど誠意が感じられないわけでございます。今、正に我が国として、この拉致問題、ひいては北朝鮮問題全般の解決のために何が必要かということを厳しく問われていると私は認識をしております。
そこで、北朝鮮をめぐるその国際環境の変化ということについて、少し御質問をさせていただきたいと思います。
六者協議、言うまでもなく、我が国と南北朝鮮、アメリカ、中国、ロシアがその参加国でございますが、一つには、米国においてはあしたが正に大統領選挙の投票日でございます。その結果が国際社会に大きな影響を与えることは言うまでもございません。選挙戦を通じて対北朝鮮政策についても、ブッシュ陣営とそれからケリー陣営の立場の相違点も明らかになってきたわけでございます。ブッシュ大統領は六者協議の枠組みを維持する、堅持する、一方、ケリー候補は米朝の二国間協議を行う用意があると言っているようでございます。
日本にとってみれば、六者協議の議論と、それから日朝協議がリンクをしてきたことは紛れもない事実でございます。仮に、ケリー大統領が誕生して、米朝の直接対話が始まったときに、日本独自の事情が議論の俎上にのせられるかどうかということは私は甚だ疑問でございます。
この夏、私、機会をいただいて二度ほどワシントンに訪問をさせていただいて、政府あるいは議会、そして民間のアジアあるいは朝鮮半島の専門家、関係者との意見交換を行ってまいりました。
一つには、我が国の政府関係者、それから、例えば家族会、救う会、そして我々議員サイドからの働き掛けもあって、徐々にではございますが、日本にとって北朝鮮の問題というものがどういう意味付けを持っているのか、あるいはどれだけ深刻なのかということは、私はワシントンではある程度認知をされているというふうに感じました。
しかし、その一方で大きな流れとしては、やはり外交問題ではイラクで手一杯だと。それから、核の問題にしてもどうもその、アメリカというのは北朝鮮のミサイルの射程の外にあると。それから、拉致問題については、アメリカに拉致被害者がいるわけでもないという、こういう私は流れがあるのかなというふうに感じたわけでございます。そして、何よりも大統領選が終わるまでは、いずれにしても物事が決まらないということを強く関係者は言っておりました。北もそれに応じて、大統領選が終わるまでは事態を見守ろうというスタンスのようでございます。
しかし、では、あしたの大統領選が終わって新しい政権が決まればすぐに事態が動くのかというと、そうではなくて、仮にブッシュが勝利をしても外交関係の担当者の顔ぶれも変わることが予想されております。あるいは、ケリーが勝利をすれば民主党側のどういった面々がこの国務省あるいは国防総省含めて、この北朝鮮問題にかかわっていくか。例えば半年ぐらいはその変更、整備に時間が掛かるのではないかと。そして、我々が注意をしなければならないのは、その間にどういったことが進んで、どういったことが止まってしまうのか、そういうことを見極めていかなければいけないというふうに思うわけでございます。
そこで、まず一つは現在のアメリカの対北朝鮮政策全般に関して外務省としての御見解を伺いたいと思います。また、先般アメリカでは北朝鮮人権法が成立をいたしました。この中では、北朝鮮による日本、日本人、韓国も含めてですが、拉致問題の解決に言及をされているわけでございます。
私は、これが議会のイニシアチブで成立をして、大統領が署名をしたということにも注目をすべきだと思いますが、この北朝鮮人権法に関しての御見解もお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君)
かねてより小林議員が南北朝鮮問題、半島の平和、こういったことに大変な熱意を持ってお取り組みをいただいていることを今までも伺っておりますので、改めて敬意を表する次第でございます。
今、北朝鮮政策、アメリカによる北朝鮮政策はいかなるものであるかというお問い合わせがございました。
確かに、大統領選挙間近の今のアメリカ、なかなか思い切った動きが取れないということも事実であろうと思います。また、かなりの程度、政権全体としてイラクにエネルギーを注がなければならない。これもまた事実であろうかと思います。
しかし私は、さはさりながら、じゃ北朝鮮、このアジアの問題、米政権が今全く何もしていないかと、そういうことはないだろうと思います。つい先日も、日曜日ですか、パウエル国務長官が日本、中国、韓国を訪問して、それは正に共通の、バイの関係で幾つかありますが、共通のテーマといえば正に北朝鮮、この六者協議のことをそれぞれの参加国と話し合おうと、そういう問題意識でそれぞれの国を訪問をしているという話を私聞いたわけでございます。そういう意味で、私は、米国政府の政策という、対北朝鮮政策というのはそういう意味で決して、何でしょう、プライオリティーが極めて低いという状態ではないだろうと、こう思っております。
アメリカはこの六者協議、先ほど言われました、特にブッシュ政権は、この六者協議というものに大変重きを置いているということもまた事実であろうと、こう思います。この六者協議のプロセスで核の完全廃棄を科学的な検証の下でそれをしっかりやっていくという姿勢には変わりがないだろうと、こう思います。
ケリー政権、仮にケリーが勝って、その六者協議ではなくて二者、バイの関係に戻るんではないかという御指摘も一部にはあります。それはいろんな見方があるのは事実でございますけれども、私は、選挙戦のさなかだから、どうしたって政党と政党、候補者と候補者は共通点よりはいかに違いを述べるかということに重点が置かれるのはやむを得ないと思います。それは日本においてもどこの国においてもそうだろうけれども、しかし、それは実際いざ政権を取った暁に全く違うことをやるかというと、私は特に北朝鮮についてはそうは思いません。
そういう意味で、私は、仮に、仮にケリー候補が勝ったとしても今のラインがそう大きく変わることはないのではないだろうかと、こう思っておりまして、これは私個人の意見というよりはいろんな方々、あるいはアメリカのそういう民主党に近いコンサルタントというんでしょうかね、そういう政策ブレーンのような方々と話をしても、それはそう変わらないんだろうなという見方の方が多いのではなかろうかと、こう思っております。
ただ、そのバイの関係を作っちゃいけないかというと、私は別にそうも思いません。日本だって北朝鮮とやっております。中国はもとより北朝鮮とやっております。韓国は韓国でやっておりますから、アメリカが一切そのバイの関係を作ってはいけないということにはならないんだろうなと、こう思っております。
いずれにしても、先般のパウエルさんとの話では、やっぱり六者会合のプロセスをしっかりやっていくし、ただモーメンタムがやや落ちているかもしれないからそれをいかにしっかり保つかということが大切だし、日米韓の三か国の協調体制の中でこの六者協議を進めていくということも変わらないし、また中国というものの建設的な役割が重要だと、こうした認識において日米間が一致しているということは事実でございます。
なお、北朝鮮人権法の、アメリカが先般成立をさせたこの法律についてでございますが、余り他国の立法のことをあれこれ申し上げるのもいかがかとは思いますけれども、いずれにしても、アメリカの国民そして議会が北朝鮮の人権問題に大変な関心を持っていることの表れであるということは間違いがないし、その中に二か所、日本の拉致問題のことについても触れられているということからしても、そういう意味で、きちんとした認識をアメリカにおいてもあるいは米議会においても持っていただいているんだなということはある意味では有り難いことだと、かように受け止めているところでございます。
○小林温君
ありがとうございます。
今の大臣のお話にもあるように、やはり私は六か国協議のモーメンタムを保つということが我が国にとっては重要だというふうに思います。
それから、私は九三年、九四年、ワシントンにいて朝鮮半島第一次核危機の時期に実務にかかわっておったんですが、北朝鮮はそのときに米朝の枠組み合意でアメリカ側の譲歩を引き出したという成功体験を持っているわけでございまして、今回もそのバイの関係に持ち込むことによって北朝鮮の体制保証をアメリカにさせると、こういうねらいがあることは明らかでございます。二か国の協議が進む、あるいはそういう枠組みができるということ自体に私も問題はないかと思いますが、それが一方的に北朝鮮の恣意的な方向に、まあ外交上手でございますので、行かないように日本がどういうことをできるかだというふうに思います。
それから、北朝鮮人権法については、これも私ワシントンで感じたことでございますが、やっぱりアメリカの議会人の皆さんあるいは国民の皆さん、人権というものについては非常にその関心が高いのも事実でございますので、是非この人権法の中身についてもよく精査をしていただいて、この人権法の中身と我が国の対北朝鮮政策の中でどういうリンケージが張れるのかということを外務省においてもしっかりと検討をしていただきたいということをお願いをしておきたいというふうに思います。
次に、私、これ六月の質問でも述べさせていただいたことでございますが、韓国でも引き続き変化が見られるというふうに私は思います。それは、盧武鉉・ウリ党の体制下、やはり親北という傾向が進んでいるのはいろんな報道を見ても明らかだというふうに思います。また、韓国の核実験、核関連実験の問題が浮上したということも、これはその六者協議に大きな影を投げ掛けているんじゃないかというふうに思います。
そういう意味でいうと、その対北朝鮮政策については、日米韓三か国の共同歩調によってその解決を図っていくというのが政府の基本方針であるというふうに私は認識しておりますが、このアメリカにおける変化あるいは韓国における変化というもので少しその根幹が揺らぎつつあるんじゃないかと私は懸念を持っているわけでございますが、この点について大臣の御見解はいかがなものでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君)
先ほどもちょっと申し上げましたが、私は、この日米韓が同じ方向を向いて北朝鮮と当たるという基本線は、これは変わりがないものと、こう思っております。
パウエル国務長官との話は先ほど申し上げたとおりでありますし、また、先般、私はハノイで潘基文外国通商部長官、まあ外務大臣ですね、と会談をいたしまして、そのときも、この六者協議、やっぱり特に三か国で手を携えてしっかり取り組もうということを確認をしたところでございます。
確かに今の政権与党ウリ党の支持基盤の中には、今までの韓国の大きな流れであるやっぱり朝鮮戦争でひどい目に遭ったという経験がだんだん薄らいできて、より北朝鮮に、どういうんでしょうか、シンパサイズを感ずる、共感を感ずるといいましょうかね、いうような傾向があるのはそれは事実だろうと思います。ただ、それじゃ政策面でそれが大きく変わってくるかというと、それはそう大きな変化はないのではなかろうかなと、こう思っております。
実は先週、ウリ党の議長の李富栄さんがお見えになりまして、話を小一時間したんでありますけれども、彼も、そういう支持者の変化といいましょうか動きというのはあるんだけれども、自分たちの北朝鮮政策はやっぱり毅然としたものでなければならないと。もっとも、その毅然とするばかり、北風政策ということではなくて、むしろ同時に南風も必要だということは言っておられましたけれども。そういうようなことで、大きな流れは変わらないだろうと思います。
私、たまたま今話を進めておりまして、今後、国会等のお許しもいただければ、所要の手続を経て今週末にも韓国にちょっと参りまして、要路の方々とお目に掛かり、今委員がお触れになったようなこともしっかり話合いをしてきたいなと、かように考えているところでございます。
○小林温君
日米韓の共同歩調というのがいずれにしても重要だと思います。その点については今後とも御努力のほどお願いしたいと思います。
そういう国際的な協調体制がある一方で、私は、やはり今、日本はその対北朝鮮政策においてこれまで以上に主体的な行動を取っていく、そういう必要があるんじゃないかというふうに思います。他国頼みではなくて、我々がこの問題の解決のために何ができるのかということを現実的にこれから考え、進めていくべきだということでございますが、そうした中で十一月中旬に第三回日朝実務者協議が平壌にて開催されるということになっているというふうに理解をしております。
政府として、この第三回目の協議においていかなる成果を達成をしようと考えているのかと、また、仮にその想定する成果を達成できない場合にはどのような対応を考えているのか、御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君)
日時等については、ごく近いうちに日朝間で合意ができると、こう思っておりまして、いずれにしても中旬に開かれるということで、もろもろの準備を進めているところでございます。
先般の九月の実務者協議というのは、私どもの目から見て、非常に北朝鮮側の回答は不十分でありました。不誠実なものであったと言わざるを得ない、そういう内容でありました。そのことを踏まえて、次回そういうことであってはこれは大変大きな問題だということで、開催地も、やや迂遠になる北京ではなくて平壌に変えると、担当の審議官レベルから、担当を局長レベルに我が方は上げると、先方もしかるべきレベルに上げてもらうと同時に、実際に金正日軍事委員会委員長の下でできた調査委員会なるものがあるわけでありまして、その調査に当たった人を、是非その責任者を出してもらいたいということを言っております。まだ、この点どういう形になるか今のところ分かっておりませんが、そういう申入れもしております。
いずれにしても、きちんとした調査結果が示されることが非常に重要だと、国内的な、あるいは国際的なこの拉致問題に対する北朝鮮の対応は非常に問題があるという批判的な雰囲気が非常に日本では強まっているということを、電報あるいは電話等でしっかり先方にも伝えてありますので、そういう意味で、私は、彼らがきちんとした対応をするであろうということを今期待をしているわけでございます。
したがいまして、仮にそうでなかった場合どうするんだという今お問い合わせでございますが、そういう事態を想定するのではなくて、彼らがきちんとした対応をすべきであるということを私は強く彼らにも伝えているところでございます。
○小林温君
町村大臣、お優しいんで性善説かと思いますが、私どもとしては、是非、その成果が達成されない場合の対応として、やはりその対話と圧力、これが政府の基本方針でございますので、の圧力に重心を移して北朝鮮と対峙する、こういう姿勢を示すことがこの協議に臨むに当たっても大事なんじゃないかというふうに思っております。
私、外為法及び外国貿易法の改正、それから特定船舶入港禁止法案の作成にかかわってまいりましたが、こういう法案を出すぞということにも実は北朝鮮は敏感に反応して、そういう意味では外交交渉上のツールとして意味があったというふうに私は思っておるわけでございます。
外為法が二月に改正をされ、そして六月に入港禁止法が成立をしました。そのときに私どもは、これは成立即発動を意味するものじゃないというふうに申し上げてきたわけでございます。しかし、仮に北朝鮮が現在のようにその六者協議の開催にも応じない、日朝協議第三回目でも誠意ある対応を示さないというようなことが続くんであれば、いよいよ経済制裁の発動も射程に入れて、具体的なその圧力の手段というものを検討するべきだというふうに思います。
経済制裁というのは、そういう意味でいうと、もう既に発動可能な状況にあると私は認識をしております。しかし、我々は交渉の推移を見守るためにその発動を留保をしているんだと、このぐらいの強い姿勢で臨まないと北朝鮮は動かないんじゃないかというふうに思うわけでございますが、この経済制裁、様々な手段が考えられるかと思いますが、政府として具体的にこの発動に向けた検討を行っていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君)
委員が自民党の対北朝鮮経済制裁シミュレーションチームの有力なる一員として活動しておられることをよく承知をしております。
確かに、対話と圧力か、圧力と対話か、いずれに力点があるんだと、制裁いつ発動するんだと、そういう御指摘があります。これは、絶対にありませんということならば全く意味がないわけでありまして、それは彼らの対応を見て、必要ならばそれは制裁に政府としても踏み切るということは当然あるという前提でこの法律ができ上がっていると、こう私も思っております。
したがいまして、彼らがいつまでたっても不誠実な対応を取るというのであれば、それは当然制裁を発動しなきゃならないんだろうと、こう思います。
どこまで、じゃそういう、こういう条件が整えばどうするかという具体的検討をやっているのかというお話であります。
今、私どもはとにかく全力を挙げて彼らからきちんとした答えを引き出すことに全力投球しているわけでございますが、次回の会合、結果を踏まえた上で、必要あらば必要な対策を取っていくということ、そういう強い姿勢で臨まなければ委員御指摘のような十分な答えが出ないだろうという御趣旨もよく分かりますので、そういう委員の御指摘も踏まえながら、政府としてもしっかりと対応を検討していきたいと、かように思っております。
○小林温君
今、大臣にお触れをいただいたシミュレーションチームというのを今立ち上げまして党内でいろんな議論をしておるわけでございます。
経済制裁についてはいろんなことが考えられると思います。一つは、例えばポートステートコントロール、あるいは携行による送金の届出制など、既にその実施をしている規制を更に強化をしたり厳格化をするということ。それから、改正外為法や特定船舶入港禁止法などの制裁措置を発動するということ。また、先般の小泉総理の訪朝で表明をした人道援助、食糧や医療品の支援を、例えばこれを延期する。これは国連機関を、国際機関を通じての援助だから、これは人道的なものだから別物だという意見もあるわけですが、例えば読売新聞の世論調査等の結果を見ると、七〇%の方がこの人道援助にも反対だというような結果も出ているわけでございます。
重ねてでございますが、こういう具体的な経済制裁の検討について是非政府としても取り組んでいただきたい。
細田官房長官もおいででございますが、特に我々は立法府主導で法案の改正を行ったり、その新規の立法をしてまいりました。細田長官あるいは町村大臣も逢沢副大臣も、現在は行政府の一員でございますが、同時に立法府のメンバーでもございます。こうしたことを踏まえて、その我々立法府としての意思表示、改正の外為法、特定船舶入港禁止法、これを外交カードとして、その発動のみならずカードとして有効に利用していただきたいというふうに思いますが、この点について御認識を伺えればというふうに思います。
○国務大臣(細田博之君)
基本的な経済制裁の考え方につきましては、先ほども町村外務大臣からお答えしたとおりであります。そして、対話と圧力の考えの下に、可能な手段の一つであると考えておりますし、先方は、この国会、衆参両院において圧倒的な多数で、しかも、もちろん反対もおられましたけれども、与野党の大多数の賛成を得てこの法案が通ったということに極めて大きな危惧を抱いているだろうということは想像に難くないわけでございます。そして、この法案の力というものについてはそういう認識であろうと思いますので、我が方、これからまた日朝実務者協議、近々予定されておりますが、この点については、北朝鮮側がいろいろ調査を進めるから次をやろうということでこの応じてきておること自体は、そのような効果も大きいのではないかと思っておりまして、このような立法府そして全国民の関心というものを先方も十分認識しておるものと考えております。
ただ、もちろんこの一方的にまず経済制裁ありきということではなく、向こう側の拉致問題についての態度とか方針とか、あるいは核についても極めて危険な状態にあるわけでございますが、この問題についての六か国協議の進展とか、こういうものをしっかり見極めていかなければならないということは当然でございますが、おっしゃるような現状認識は共通でございます。
○小林温君
ありがとうございます。
最初に申し上げましたが、決してこの今の状況が、我々にとっても十分な回答を北朝鮮側から得ているわけでもないし、それからその関係者の皆さんの懸念にもあるように、決してその幕を引いちゃいけないということが政府にとってもこれからの心構えとして必要だというふうに思います。
私の地元の神奈川県には、横田めぐみさんの御両親がお住まいでございます。また、座間キャンプには今、実はジェンキンスさん、そして曽我さんの御一家が滞在をして今度の審判をお待ちをいただいているという状況でもございます。
こういう、例えば政府の様々な対応あるいは救う会、家族会の働き掛け、我々議員サイドからのアプローチ、こういったものが相まって北朝鮮に対してしっかりと正確なメッセージを伝えていくと、この拉致問題を解決することは日本にとってもうとにかく重要なことなんだというメッセージをしっかり伝えていくということが大事だろうというふうに思います。まあ、こういう考え方も踏まえまして、長官、そして大臣、最後に決意をお伺いできればというふうに思います。
○国務大臣(町村信孝君)
委員御指摘のとおり、これはやっぱり日本人の正に国民の生命と安全にかかわる重大な問題だと、こういう認識を持ってしっかりと取り組まなければいけないと、こう思います。
五名の被害者、そして御家族の全員の帰国が実現をしたわけでございますが、十名の安否不明の方々の課題もございます。更にまたそれに追加されるということもありますので、新たに認定される方々があれば、その方についても確認をやっていこうと、こう思っているところでございます。
いずれにいたしましても、先般、私もこの家族の会あるいは議連の方々ともお目に掛かりまして、切々たるお気持ちを聞かせていただきました。どれだけ大変な苦労があったのかというお気持ちもよく分かりました。そういう家族の方々のお気持ちもしっかり胸の中に置いて、来る交渉では、実務者協議ではしっかりとした答えが出せるように取り組んでまいりますと、こういうことをお誓いを申し上げる次第でございます。その上で、更にその後の必要な手段というのは、また委員の御提言などもよく踏まえながら、しっかりとまたこれ対応していかなければならないだろうと、かように考えます。
○小林温君
終わります。