[第159回 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 2004年6月15日]
○小林温君
自民党の小林温でございます。
今日、拉致特別委員会ということでございます。先ほど、広野理事からも、参議院では特別委員会を作ったと、衆議院では小委員会だと、正にこの国民の皆さんにとって大きな関心事をこういう形で取り上げるということ、良識の府としての参議院にふさわしいというふうに私は思うわけでございます。今日、御勇退をされる有馬先生、正にその参議院を代表されるような良識の方でいらっしゃいましたが、にも御出席をいただいております。
そういう観点から一つだけ申し上げさせていただきたいのは、先々週、いろいろ混乱がございましたが、それぞれ主張を持った政党がいろんなアプローチでその政策の実現に当たるというのは、これはあってしかるべきだと思いますが、その我々独自性を守るべき参議院に衆議院の議員の方が土足で入ってくるということがございました。これについては、やはり衆議院のカーボンコピーとやゆされる参議院の院の総意をもってこういったことを排除していかなければいけないと、私は強く思いました。是非、良識ある先輩方、同僚の御判断をお願いしたいというふうに思います。
で、拉致の問題に移りたいと思います。
私、この拉致の問題、あるいは北朝鮮問題の解決というのは、一つは日本の戦後の総決算にもつながるんじゃないかというふうに常々思っているわけでございます。
一つは、日米安保体制の中で、国民の生命と財産、主権を守るという意識が、やはり戦後六十年、日本は薄うございました。昨日、有事関連の七法案も上がったわけでございますが、自らの安全をどう守っていくかということがこの北朝鮮の問題を通じて問われている。
もう一つは、日本はどうもやっぱり外交音痴であった、外交下手であったということも言われているわけでございます。私、九二年から九四年、ワシントンでアメリカの東アジア政策というのの研究をしておりました。その折に、バークレーであった国際会議に実は当時の北朝鮮の国連大使と一緒に出席をするという機会があって、東海岸から西海岸まで一緒に、二泊三日旅行をしたんですね。
そのときのその国連大使というのは、正に私がイメージしているような外交官、そして決して言質を与えない、ああ、これが北朝鮮の外交なのかということを実は私は強く認識したわけでございます。
今回の問題の解決に当たっても、そういう我々の国より経済的な発展はかなり後れている、あるいは国の規模も小さい国ではありますが、九三年、九四年の対米交渉あるいは今回の核問題の交渉における北朝鮮の外交手腕というのは、ある意味ではこれは油断はしてはいけないということを強く感じるという意味で、日本の外交がこれからどうあるべきかということが今回の問題の解決でも一つ問われているんだろうというふうに思います。
それから、もう一つやはり問われるべきは、戦後の民主主義というものがどういうものであったかということでございます。東大の姜尚中教授という方が「在日」という本を最近お書きになられました。これは、私の大学のゼミの先輩でございますが、姜教授は、その在日という非常にあいまいな立場の中で、例えば戦後、北朝鮮への在日の皆さんの帰国運動というものが起こった。バラ色の楽園がそこにあると信じて数万人の方が渡ったわけでございます。そのときのあの熱狂的な雰囲気と、今この拉致問題が大きく取り上げられて北朝鮮バッシングが一色日本を塗りつぶしている、このぶれの大きさを非常に危ういものだというふうに姜教授は実は懸念をされているわけでございます。
ですから、果たしてこの戦後の中で北朝鮮と日本との関係がどういうものであったか、そのそういう歴史的な経緯も踏まえてこの拉致問題あるいは核問題の解決に当たっていかなければいけないという意味で、日本にとってこれは戦後の総決算だということを私は思っているわけでございます。
そういう中で、先ほど来お話にあります、日本の最高責任者である総理大臣が二度目の訪朝をいたしました。五人の家族を日本に連れて帰ってきた、これは大きな成果であったと私は評価をしたいと思います。しかし、一方、日本の最高責任者が訪朝したにもかかわらず、曽我さんの家族の帰国は実現しなかった、あるいは拉致被害者の十名、その他の特定失踪者の新たな情報も残念ながら出てきていない、これも現実だろうというふうに思います。
こういう評価される点、あるいは残念な点も踏まえて、この十名の拉致被害者について、これから動きがあるわけでございますが、私これは再調査という言い方はふさわしくないというふうに思っています。つまり、北朝鮮当局はもう既にこの十名の方についての十分な情報は持っているわけでございまして、これは再調査をするというプロセスではなくて、北朝鮮当局が持っている情報をすべて開示させて、それに対して日本側がどう迫っていくかという私はアプローチだというふうに思いますが、この点について政府としてはどういう御見解をお持ちでしょうか。
○内閣官房副長官(山崎正昭君)
お答えさせていただきます。
先般の五月二十二日の日朝首脳会談におきまして、北朝鮮側より安否不明者の、拉致被害者の方々に関する新たな情報の提供はありませんでした。
しかし、金正日国防委員長からは、この問題につきましては白紙に戻りまして改めて直ちに本格的かつ徹底した調査を行う旨の明言がございました。
日朝間では、先般の総理訪朝後も一定のやり取りを行っております。その中で本件再調査につきましても働き掛けを行っておりますけれども、現時点では北朝鮮よりその具体的状況が示されているということはございません。
調査のプロセスにおきましては、先方の再調査の結果を求める一方、これが我が国独自の調査結果とも突き合わせて、必要に応じて日本側関係者が参加していくことも検討して、真相究明を図っていくと、図っていくことと思っております。
我が国としても、このようなプロセスを通じて一日も早い真相解明を得るべく最大限努力をしてまいりたい、このように思っております。
○小林温君
直ちに徹底的な調査という言葉、使いたくないんですが、向こう側に迫っていくということでございます。今、日本側からも何らかの形で参加をしてという山崎副長官からもお話をいただいたわけでございますが、二月の日朝間のハイレベル協議で日本側から合同調査委員会、拉致問題に関する、の設置を求めたというふうに言われております。
その後、二度目の総理訪朝もあって北朝鮮側が白紙からの新たな取組ということにも言及したため事態は変化したと思いますが、私はこの合同調査委員会方式で日本側が積極的に向こう側に情報開示を迫る、あるいは向こう側が出してくる情報について、その百五十項目の質問内容も含めて精査していくという意味でも私は意味があるんじゃないかと、これから先も、思いますが、その合同調査委員会の提案に至った経緯及びその趣旨、内容等について改めて御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(齋木昭隆君)
お答え申し上げます。
ただいま御指摘がありました合同委員会の考えでございますけれども、これは安否不明の拉致被害者の方々につきましての、とにかく徹底的な真相究明を早くやるべきだという、そういう考え方に基づきまして、二月の日朝間の政府ハイレベル協議で、日本側から、あくまでも一つのアイデアとしてそういう考え方もあるんではないかということを向こうに示したわけでございますが、これは正式な提案として向こう側にそういう設置を持ち掛けたということではございませんでした。具体的にどういう内容の委員会で何をするのかということについてこちらから特段踏み込んで提案したわけじゃございませんで、北の方からもこのアイデアの提示に対しまして特段何か反応が寄せられたというふうには承知しておりません。
いずれにいたしましても、先ほど来の御質疑、御答弁ではございますけれども、日朝首脳会談で金正日国防委員長の方からは、とにかくすべて白紙に戻して直ちに徹底的に本格的な調査をやるんだということを約束を我々は得ているわけでございますから、是非その先方の調査の結果については早く我々としてこれを提示を受けたいと思っておりますし、その提示されるであろうその先方の調査の結果を見て、これまで日本側が警察庁等々とも協力しながら集めてきております様々な情報とよく突き合わせて、そして必要に応じて、要すれば、また日本側が、関係者が何らかの形でその真相究明のプロセスにかかわっていくということを考えてまいりたいと思っておりますけれども、いずれにしましても、まずは先方からの調査結果をしっかりと提示を受けるということが先決であろうというふうに思っております。
○小林温君
先方からの情報の提示を待つということですが、そのアプローチは、私はやはりその引き延ばしも含めて向こう側の戦略もあると思いますので、いかに日本側が主体的に向こうの情報開示を迫れるかという、やっぱりアプローチをしていただきたいと思いますし、その合同調査委員会の方式については中身には言及されなかったということでございますが、この辺も鋭意是非詰めていただいて、こちら側から即時徹底的な情報開示に向けて何ができるかということを、当局においても是非御検討いただきたいということをお願いしたいと思います。
次に、先ほど曽我さん、ジェンキンスさんの一家の第三国での面会については、川口大臣からもお答えいただきました。私は、先日の日米首脳会談において小泉総理は、ジェンキンスさんの訴追問題について取り上げられたということも大きく報道されております。しかし、どうもブッシュ大統領の反応はつれなかったという報道もされているわけです。これは、それぞれ法治国家の問題でもございますので、限界もあるのかと思います。しかし、我が国としては、やはり曽我さん一家の帰国、あるいは一家の皆さんが安心して暮らせる環境作りのために、引き続き訴追免除を米国に強く求めていくべきだというふうに思いますが、政府としての取組あるいは方針はいかがなものでしょうか。
○内閣官房副長官(山崎正昭君)
お答えいたします。
今般の日米首脳会談におきまして、総理は拉致問題に関するこれまでの米国の支持に謝意を申し上げたところでございます。曽我さんの件につきましては説明をいたしまして、これに対してブッシュ大統領からは、総理の拉致問題への取組に対する強い支持というものを改めて表明をし、ジェンキンス氏に関する状況につきまして説明を行ったわけであります。両首脳は、曽我ひとみさん及びその御家族の件につきましては、引き続き綿密な連絡を取り合うことで一致したわけでございます。
政府といたしましては、しかるべき第三国における曽我さんと御家族の再会の早期実現を目指しまして、引き続き所要の検討あるいは調整を鋭意取り進めていく考えでございます。是非とも、先ほども申し上げましたが、皆さんが望んでいるような結果につなげたいと考えておりますので、こういう点につきましてできるだけ静かに進める必要があると、このように考えておりますので、今後、状況等の御説明につきましては、恐縮ですが、逐一御説明するということは控えさせていただきたい、このように思っております。
○小林温君
是非、第三国での面会の実現に向けて大きなお力をいただくとともに、訴追の問題についても引き続きアメリカ政府に働き掛けていただきたいというふうに思います。
山崎副長官への質問はこれで終わりでございます。
昨日、特定船舶入港禁止法案が成立をいたしました。私、一昨年の十二月から自民党の中で六名の有志で対北朝鮮外交カードを考える会というのを作らせていただいて、この法案を練ってきたわけでございます。対話と圧力という北朝鮮へのアプローチの中で、改正の外為法、それから外国貿易法と併せて、この法案の成立は大きな意味を持つというふうに私自身思っているわけでございます。
一方、小泉総理がさきの日朝首脳会談において、北朝鮮が日朝平壌宣言を遵守する限り制裁を発動しないという発言をされているわけでございます。これが、実は法案が成立したということと発動するということがなかなか国民の皆さんにも理解をいただいていないところもあって、その順番、あるいはその意味についても私は誤解を与えている嫌いがあるんじゃないかというふうに思います。
政府及び総理はこの点についても丁寧に説明をする義務があるというふうに思いますが、私の理解では、これは無条件に制裁を発動しないという約束を北朝鮮にしたのではないというふうに理解をしておりますが、こういう認識でよろしいでしょうか。また、その制裁を発動するとすれば、その際の要件についてはどのように今政府としてお考えか、教えていただければ有り難いと思います。
○国務大臣(川口順子君)
総理がおっしゃられました趣旨というのは、今委員がおっしゃられましたように、どういう状況があっても制裁を発動することはしないということを言われたわけではないわけでございまして、北朝鮮が日朝平壌宣言にのっとって行動をしている、のっとって行動をしている、そういう状況であれば制裁を発動しないというふうに言われているわけでございます。
今までも申し上げていますように、北朝鮮が事態を悪化をするということがあればそれは、そして、日朝平壌宣言から外れる、それを守らない、そういうような状況であれば、それはまた別な話ということであると思います。
○小林温君
私、総理にもあるいは細田官房長官にも、まずこの法案成立は絶対にさせたいと思いますと、かつてですが申し上げました。それに対して、行政府としてはそれを立法府の意思としてしっかり受け止めると、法案を成立させるということ。そして、その後、発動については、これは閣議の決定が必要なわけでございますので、それは行政府として立法府とやり取りをする中で決めていくと。そういった、どんどんやってくれと、こういう実はお答えをかつていただいたわけでございますが、私は、ディプロマティック・アンビギュイティーという言葉ございます、外交にはあいまいさというものも必要だということ。例えばアメリカの外交というのを見ていると、政権と国務省とペンタゴンと議会が全然別のことを言う場合が実は往々にしてあるわけでございます。しかし、ゴールは一緒であって、そのアプローチについては、それぞれがそれぞれの考え方を持って、しかもそれを外でも主張していくということは、実はこれはあってしかるべきだと思います。しかも、相手がある交渉事であればなおさらのことであります。
ですから、私は、今の対話と圧力というアプローチの中で、仮に、総理を始め、今、政府が対話のチャネルとして機能する、あるいは外務省もそういう働きをする中で、我々議会が今回の法案の発動も含めて圧力を掛けていくという役割分担があっていいんじゃないかと、こういうふうに実は思うわけでございます。
そして、今回の法案の成立した中身の発動については、これはもう日本の安全保障上の脅威に当たる行為を北朝鮮がした場合には要件が満たされるというふうに私は思います。
これ、提案者でもある衆議院の水野議員もこういう答えを委員会の中でもしておりますけれども、核実験あるいはミサイルの発射、これは当然のこととして、拉致問題という重大な主権の侵害、国民の生命、安全に対する脅威の解決に向けても北朝鮮が誠意ある対応をしない場合には私は発動の要件を満たすというふうに思います。そういう意味においては私は、今でも実は発動可能な状況にあるんじゃないかと、逆に今の交渉の推移を見守る中で留保しているんだと、このぐらいの強い姿勢を我々は持つべきじゃないかというふうに思っているわけでございます。
九九年に安倍晋三幹事長や同僚の山本一太議員が実は同じような経済制裁法案を作ろうとしました。当時は党内の中でも余り相手にされなくて法案提出すらできなかったわけでございます。今回は、二つの法案、改正案も含めてでございますが、成立させることができた。これは、数年の間に様々な環境の変化があった。北朝鮮も核の開発を再開もしたし、拉致も認め、国民の大きな関心事になりました。家族連絡会、救う会、それから外務省もいろいろ仕事をしていただいたんだろうと思います。我々政治の場では拉致議連が大きな役割を果たしました。総理も訪朝されたわけでございます。こういうことを通じて、拉致の全容解明、被害者あるいは被害者家族の帰国に向けた国民世論の盛り上がりというものが実はこの数年間にあって、今回の法案成立も実は可能になったんだろうというふうに思います。
我々自民党の青年局、青年部では、六月六日に全国四十七都道府県で、北朝鮮拉致問題解決に向けた街頭演説会というのを四十七都道府県で行いました。地村さんら五人が一昨年帰国したときの二時三十三分にその時間を持っていきまして、それぞれが数百名、数千名を前に訴えを行ったわけでございますが、こうした国民的な世論の盛り上がりをいかに風化させないかということが私はこの問題の解決にとって非常に重要だろうと思います。
総理訪朝の後にマスコミを通じていろんな意見が錯綜をいたしました。これ、家族会の皆様もバッシングに遭うというようなこともあったわけでございますが、例えば我々立法にかかわっている人間のところにもいろんな働き掛けも実際あるわけでございます。しかし、我々がこの拉致問題を解決するんだ、北朝鮮の問題を解決するんだという国論が混乱する、あるいは国論が二分されるということがあれば、これ、得するのは実は北朝鮮だけだというふうに私どもは思うわけでございます。ですから、これからも関係者一丸となってこの問題に向けて、いかにこの問題が我が国にとって、我が国の国民一人一人にとってどれだけ重要な問題かということを絶えず意識をしながらこの運動を展開をしていかなければいけないというふうに私はまず思うわけでございます。
と同時に、今度は、国際社会の中でこの拉致問題あるいは北朝鮮の問題をどういうふうに位置付けていくかということが、我々にとって次の大きな課題であると同時にステップなんじゃないかというふうに思うわけでございます。
先ほどお答えもいただきましたが、G8サミットの議事録、マルチの議事録もバイの議事録も読ませていただきましたが、小泉総理、本当に必死になってこの北朝鮮の問題についての各国の理解を得ようと大変な時間をそれぞれの会談の中で割いて説明をされているわけでございます。結果、その拉致問題等の人道的問題が議長総括にも盛り込まれたのは、ある意味でいうとサミットにおける成果だろうというふうに思うわけでございます。
先ほど申し上げたように、日本ではこの運動が大変国民の大きな関心事になっています。しかし、一方で、例えば六者協議の参加国、G8のメンバー国、それ以外の国々でこの問題がどれだけ大きな関心を持って取り扱われているかと言えば、これ例えばアメリカのワシントン・ポストやニューヨーク・タイムス、ウォール・ストリート・ジャーナル等毎日見ていれば分かりますが、日本の新聞が拉致問題一色に塗りつぶされている日でもその扱いは実は微々たるものであるわけでございます。だからこそ、この問題の解決のためにはやはり日本が当事者意識を持って、これは総理も含めて今やっていただいていることだと思いますが、この問題の解決が、東アジアの安定、あるいは世界の全体の安定にとって大変重要な意味を持つことだと、これは核の拡散の問題もございますし、拉致というテロをいかに国際社会の中からなくしていくかという取組でもあると思います。
こういう意味におきまして、一つには、サミットで総理にはいろんな働き掛けをしていただきました。次に、六月末には六者会合がセットされているわけでございますが、その今までの成果を踏まえて政府はいかなる姿勢で六者協議に臨まれるのか、またその見通しはいかがなものか。重ねての質問になりますが、お答えいただければと思います。
○国務大臣(川口順子君)
直接にお答えする前に、先ほど先生がおっしゃった国内における国民のこの問題についての思い、そして国際社会で理解を得ていくことの必要性、これは全くおっしゃったとおりであると思います。総理も努力をしていらっしゃいますし、私も恐らく外務大臣と二国間会談をやって拉致の話をしなかったことはないというふうに思っておりまして、この国連人権委員会等の場での働き掛けも含めて相当に今理解が広がってきていると思います。
そこで、六者の話でございますけれども、これは、日本としてCVIDということをずっと言ってきているということでございます。アメリカも韓国も連携をして対応してきております。これに対して金正日総書記は総理に対して、凍結は核廃棄の第一歩である、検証が伴うということも理解をしているということをおっしゃられた。このおっしゃられたことを今回の作業部会あるいは六者での場できちんと反映をしていってほしいというのが我々の思いでございます。また、日本としてそのために働き掛けを行っていくということは当然であります。
核はそういうことでございまして、拉致の問題、これについても当然に我々は包括的な解決ということを言っているわけです。核だけで問題が、国交正常化につながるわけではない、核、拉致、その他ミサイル等々も含めて包括的な解決ということを言っておりまして、拉致の問題は主として二国間で話し合われるということになると思いますけれども、この六者での場での次につながる解決のためには拉致の問題が解決をしているということは重要であるというふうに考えております。
どういうような進展をするかということについて予断をすることは非常に難しいのですけれども、六者の場で少し具体的な、実質的な動きということを北朝鮮との間で議論をすることができるということが大事なことであろうというふうに思いますし、日本としてもそのために建設的な役割を果たしていきたいというふうに思います。
○小林温君
是非、六者協議の場でもその包括的な解決に向けて、ここも積極的なという言い方になりますが、お取組をお願いをしたいというふうに思います。
それで、六者協議のメンバー国というのは、御承知のように、南北、北朝鮮それから韓国、ロシア、中国、日本、アメリカでございます。先ほどの答弁の中にもございましたが、昨日、おとといと三か国の事務協議がワシントンで行われたわけでございます。
私、五月の連休に韓国を訪問して、ウリ党の代表者数名と直接会っていろいろ意見の交換をしてまいりました。私、強く感じたことは、やはり金大中大統領の太陽政策を継承した盧武鉉政権が今回、議会で多数を取って、ウリ党が、そしてその根底にはやはり今までの政権に比べると反米、そして親北的なイデオロギーといいますか、アプローチがあるということでございます。これは非常に我々にとっては危惧すべき点だというふうに思います。
前々から言われていますように、やはり日米韓三国がしっかりとスクラムを組んでこの問題に対処していくということがまず基本でございますので、そういう意味においてこの三か国、日米韓の連携に支障はないのか、外務大臣の認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君)
先般、私が韓国に行きまして、盧武鉉大統領、それから潘基文長官とお話をさせていただきました。その中で、北朝鮮の話というのが、ほとんどと言うと言い過ぎですけれども、相当大きな部分であったわけでございます。その中で、盧武鉉大統領が、北朝鮮について対応するときの韓国の考え方についても、盧武鉉大統領の考え方についても伺わせていただきました。
それで、日本と、日米韓連携、これが委員がおっしゃるように非常に重要であるというふうに思います。韓国もこのことは十分に認識をしていて、そしていわゆるCVIDという言葉を使っていますけれども、それについてその考え方というのはシェアをしているということでして、基本的な立場に違いはないわけでございます。
韓国はもちろん日本と違って北朝鮮と陸続きの国、そして同じ、同胞同士の国という意味では当然日本と、考え方といいますか、プライオリティーが違うという部分は存在をするというふうに思います。
ただ、先ほど申しましたように、韓国はアメリカ、日本とともにこの問題への対応の仕方についての基本的な考え方をシェアをしている。我が国、三か国は調整をし、そして六者会談に出席をし、そこで足並みをそろえて議論をするという考え方に違いはないということでして、変わりはないということでして、平和繁栄政策というのを盧武鉉大統領は北朝鮮政策として追求をしていますけれども、これについて基本的な考え方、北朝鮮に核を許さないとか、対話を通じて平和的な解決をしていくとか、韓国がその中で積極的な役割を果たすとか、そういったことについてこれは日本も支持をしていますし、現に韓国はこの問題について積極的な役割を果たしてきていると思います。
○小林温君
多分、六者の環境の中で一番大きな変化があったのは韓国だろうというふうに私は認識をしております。例えば、一つには在韓米軍の三分の一の縮小、大きなトランスフォーメーションの中でのこういう動きも実はあるわけでございますし、私が先日会った例えばウリ党の若手の議員はやっぱり南北というのは同胞なんだということをやっぱり強く言うわけですね。
そこの点についてやはり政府としてもしっかりと御認識をいただいて、変化があった場合にはどう対応するかということについてもしっかりとこれから御検討いただきたいというふうに思います。
最後になりますが、先ほど来御質問させていただいた国際的な働き掛けでございます。
北朝鮮は、これは何も今回に限らず、安全保障理事会で核開発の問題が議題とされたり非難決議をされるということを例えば非常に嫌がっているんだろうというふうに思います。ですから、ロシア、中国といった比較的近い国に対してはその安保理事会で、IAEAの報告も含めて、なるべく取り上げないようにというアプローチもしているんだろうというふうに思いますが、一方、外交においては相手の嫌がるアプローチをして譲歩、譲歩を迫るというのは、これは常套手段でもございます。
そういう意味においては、私は国連の、あるいは安全保障理事会の場でいかに正式にこの北朝鮮の拉致の問題あるいは核の問題を取り上げて強い圧力を掛けるかということがこれからの日本側からの働き掛けとして非常に重要だというふうに思います。そういう問題も含めて、今既に御説明をいただいた国際社会に対する働き掛けあるいは国際社会からの北朝鮮に対する圧力という点において今政府、どういう取組をされているかということをお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君)
対話と圧力という方針に全く変わりはないわけでございまして、そして今の時点で、北朝鮮が平壌宣言にのっとって行動している限りは制裁を発動するということはしないということを言っている、それ自体、そのように行動をするように北朝鮮に対して慫慂しているということでもございますし、また国際社会がこの問題について理解をし、これは拉致、核、両方を含みます、ミサイルの問題も含みますが、北朝鮮に対してメッセージを発していくということ自体、静かな形でのある種のプレッシャーというふうに言ってもいいだろうというふうに思います。
いろいろな手段を、情勢に合わせて適切な手段を使いながらこの問題を国際社会とともに解決をしていきたいと思っています。
○小林温君
時には役割分担も議会とあるいは政府でしながら、あるいは国際社会にも働き掛けをしながらこういう圧力を静かにという今お話がございましたが、時にはアグレッシブに続けていくということがやはりこの問題の解決にとって必要なことだと思いますので、今後ともそういう取組を心よりお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。