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国会発言録

[第159回 参議院 決算委員会 2004年5月19日]

○小林温君

 小林温でございます。

 私、今、自民党の副幹事長というのをさせていただいておりまして、青木幹事長の隣にいるわけでございますが、決算決算と、参議院は決算だと、こういつもおっしゃられるわけでございます。鴻池先生にも委員長をお務めいただいて、予算決算サイクルの迅速化ということに参議院が取り組んでおると。特に、税金の使い道にやはり国民の関心が集まっているという現状において、参議院の独自性の発揮という意味でもこれは非常に意義のある取組だろうというふうに思うわけでございます。

 今日は、財務大臣とも何度か議論させていただいておりますが、e―Japan戦略の中で電子政府の構築計画に係る予算決算サイクルの在り方について質問をさせていただきたいというふうに思います。

 実は、五月十七日、月曜日の朝日新聞に、国税庁の国税総合管理システム、いわゆるKSKシステムと呼ばれる、これは全国五百の税務署を結ぶコンピューターのシステムでございますが、この発注システムを、あるいは契約のシステムを見直すという記事が載っております。現行のシステムは随意契約中心で、これはその記事をそのまま引用しますと、開発費に当初の見込みの七倍から十倍の三千億円ぐらい掛かっていると。今の我々e―Japan特命委員会というところでも刷新可能性調査というのを今三十六システム、中央省庁の大きなシステムについてお願いをしているわけですが、そういうシステムの更新需要があって、そういう調査を行った結果、システムの効率性、経済性の向上あるいは調達の透明性の確保等を目標にシステムの見直しを行うことになったと、こういう記事でございます。

 ここに、例えば十倍とか三千百七十四億円、あるいはこれ、システムの維持や手直し、運用費も含めて四千五百億円という数字が実は躍っているわけでございますが、この数字の中身について具体的に国税庁の方から御説明をいただければと思います。

○政府参考人(村上喜堂君)

 お答えいたします。

 新聞報道でいろいろ数字が出ておりますが、必ずしもどういう根拠でその数字が報道されておられるのかよく分からないんですが、読んでみますと、八九年度から完成までの開発費として三千百七十四億円投じられたというくだりがございます。この開発の定義がちょっと不明でありますが、そのKSKシステムというのは、平成元年から全国拡大が、一応これは順次拡大してまいりましたので、平成十三年まで掛けて開発しつつ運用してきたわけでありますが、その総額、当初予算ベースで累計額が三千百七十五億であります。したがって、恐らくそのすべての事業費とちょっと混同されているんではないかと思います。

 ということで、したがいまして、三千百七十五億のうち大宗はそのホストコンピューターの借用であるとか、これは全国のすべての税務署に職員の机上に端末機を配置しておりますから、そういった借料がかなり大きなウエートを占めております。

 開発費は、当初からその開発費が幾らというのは必ずしもありません。毎年毎年予算要求して査定をいただいているものでありますから、したがいまして当初から何倍になったという数字はございません。

 なお、四千五百億という数字でございますが、これはさらに、現在までの、十六年度予算までの当初予算を累計しますと四千六百八十七億という数字になりますので、恐らくその数字を指しているんではないかと思われます。

○小林温君

 実は、このKSKのシステムについては、先ほど申し上げた、自民党内のe―Japan戦略特命委員会というところでも何度か取り上げさせていただいて、問題にもなっていたわけでございます。このシステムの受発注については、銀座にあるある文具屋さんが元請になって、大手のベンダー六社がこの下請に入っているというものでございます。

 今回のその見直しに当たっては、繰り返しになりますが、システムの効率性あるいは経済性の向上と併せて調達の透明性の確保のためということが言及されているわけですが、これは裏を返すと、今のこのシステムは実はそういったものが担保されていないという読み方もできるわけですが、ただ、これ、同僚の松井議員が決算委員会の中でも取り上げた、例えばデータ通信役務契約という大きなシステムの契約方法もあるわけですが、予算制度が単年度であるとか、あるいは使い残すと予算削られる、シーリングがある、あるいは、どうも公共事業的な積算方法など、こういう大型の情報システムの発注、契約に当たっても、どうも柔軟性が予算措置の中で認められていないという中で、ある意味で言うと、要求官庁側と査定当局側が知恵を絞った結果がそのデータ役務通信契約であったり、今回のような、少しどういうことなのと言われざるを得ないような契約の形態なんだろうというふうに思うわけです。

 しかし、やはり財政再建、これが国家の大目標でもございますし、あるいは税収が伸び悩む中で、効率的な予算編成、執行ということが国民の関心事になっているという状況を考えますと、やっぱりこういう受発注の契約自体というものがもはや説明の付かないような事態に直面しているんだろうということは明白なわけでございます。

 この記事の中では、その国税庁の会計課長さんが、世間に説明が付く開発体制が必要と考え、一括発注方式を見直したと、こういうコメントも実は載っているわけでございますが、このことについて、財務省は、この八九年以降の毎年度のKSKシステムの予算の査定において、今まで、この在り方を前提としてその機能追加、開発費の増加というものについても合理性を認めてきたというふうに私は解釈するわけですが、そういう認識でよろしいでしょうか。

○政府参考人(佐々木豊成君)

 お答え申し上げます。

 KSKシステムに係る予算につきましては、平成元年度よりシステム開発を開始いたしまして、平成十三年度に全国拡大を完了して現在に至っております。

 査定当局といたしましては、このKSKシステムの導入につきまして、年々増加する申告件数への対応、あるいは限られた定員事情下で対応していかなきゃいけないという事情、それから国税事務の効率化、合理化のためにはこういうシステムは必要不可欠なものであると考えて査定をしてまいりました。

 このような事情をまた踏まえまして、KSKシステムの機能追加等に係る予算につきましては、その要求を受けまして、必要性、導入効果等を検討の上、予算措置を行ってきたところでございます。

○説明員(石野秀世君)

 今お話しの国税庁の国税総合管理システムにつきましては、その予算額が多額に上っているということもございますので、従来から、例えば機器の仕様や構成は適切か、あるいは予定価格の積算は適正かなどに着眼して検査実施してきたところでございます。

 ただ、これまでこのKSKシステムを個別に取り上げて指摘事項として検査報告で掲記したことはございませんけれども、今後ともそのKSKシステムにつきましては十分な関心を持って検査をしてまいりたいというふうに考えております。

○委員長(鴻池祥肇君)

 森下院長、御答弁ありますか。

○会計検査院長(森下伸昭君)

 これまでの検査の経過につきましては、ただいま一局長の方から答弁を申し上げたわけでございます。

 私どもは、こういうIT予算が大変近年急激に増えてきているということから、いろんなノウハウ、検査のノウハウなどを工夫しながら検査をやっていきたいというふうに考えているところでございます。

○小林温君

 国税庁のシステムを含めて、党として今三十六件の刷新可能性調査というのをお願いして、十二件、十五年度末までに調査を終了していただいているわけでございます。

 それぞれ中身を拝見をさせていただくと、それぞれの省庁はこれは真摯に対応をいただいていると。そして、その結果を、これも我々がお願いをしてCIO補佐官というものを各役所に置いていただくことになりました。これは、専門家の目から見てそれぞれのシステムが妥当性を持ったものか、コスト的に、機能的にということをそれぞれアドバイスする担当の方を外部から各役所に張り付けていただいて、その補佐官会議というものを行っていただいて、その中で議論していただいている。この議事録等も読ませていただくと、非常に役所の枠を超えて、お互いに、ある意味でいうと、これはよくない、もっと突っ込めるんじゃないかと、こういう実は踏み込んだ議論もしていただいているわけでございます。これは国税庁のシステムについても同じでございますが。

 ですから、今日の私の質問の核心は、財務省が、あるいは今会計検査院も、これまでの予算審査では合理性を認めてきた旧来の受発注のシステム、特に大きな情報システム、コンピューターシステム、これが今回の刷新可能性調査の結果の中にも如実に現れているように、どうも時代に合わなくなってきたんじゃないかという例が見られるようになってきているわけでございます。これは、政府全体としてシステムの開発手法あるいは契約方法等について見直しを図る、ある意味でいうと、財務省としては予算編成への取組方についても、あるいは会計検査院としては会計検査の在り方についても、そういう大きな転期を迎えている、こういうことだろうというふうに思うわけですが、そのことについて、背景あるいは事情というものがどういう形で存在しているかということについて財務省の見解をお伺いしたいと思います。

○政府参考人(佐々木豊成君)

 最近の大きな転換についてのお尋ねでございますが、従来、政府の情報システムの開発、運用に係る予算に関しましては、その必要性やコスト等を吟味して予算査定を行ってきたところでございますけれども、近年の技術革新の急速な進展というものを背景に、特にレガシーシステムと呼ばれる大規模な旧式システムにつきましては、追加開発や運用に要する毎年度のコストが割高な水準にとどまっているのではないかという指摘が多く聞かれるようになっているものと承知いたしております。

 こうした状況の下におきまして、昨年七月に取りまとめられました電子政府構築計画におきまして、自民党e―Japan重点計画特命委員会及び同戦略強化チームにおける議論を契機として、より簡素で効率的な情報システムの実現に向けて各府省でレガシーシステムの見直しに向けた行動計画が策定されているところでございまして、先ほどお話がありました、また刷新可能性調査が各府省で順次行われているというところでございます。

 また、電子政府構築計画におきまして、情報システムの活用による行政運営の簡素化、効率化、合理化に向けて、業務の最適化やシステムの統合化等を内容とする最適化計画を各府省で平成十七年度末までに順次策定するということとされております。こうした取組を通じまして、政府全体として効率的な情報システムの構築に向けた動きが進展しつつあるものというふうに認識いたしております。

○小林温君

 お取り組みをいただいているというのはいろんな機会を通じて質問もさせていただいたり議論もさせていただいて理解するところでございますが、もうちょっとスピード感があってもいいのかなという気がするわけでございます。

 そこで、財務省としては、今の大きな転換期を迎えているという御認識を持たれている中で、今どのような体制で、例えば主計局の人員ですとか、どういう専門的な査定の体制をしいていらっしゃる、あるいは外部知見を活用されているという、そういう今の現在の体制についてお伺いをできればというふうに思います。

○政府参考人(佐々木豊成君)

 情報システムに係る予算の査定の体制の御質問でございますが、現在、情報システム関係予算につきましては、毎年度の予算編成過程におきまして担当府省ごとに査定を行うということとともに、総務省行政管理局等の意見などを踏まえまして、府省間における重複投資の排除、それから過大なシステム開発・運用経費の是正、縮減などの観点から横断的なチェック、各府省横断的なチェックも行っているところでございます。

 財務省といたしましては、各府省において行われております刷新可能性調査の結果や、今後の業務効率化に向けた検討等を踏まえた最適化計画の内容を踏まえ、効率的なシステムの構築、運用に向けて今後どのような手法を取るべきかについて引き続き各省庁との間で十分に議論を行い、限られた財政資金の中で予算の効率化に努めてまいりたいと考えております。

○小林温君

 同じ質問なんですが、会計検査院ではこの新しい状況に直面して、情報システム関係予算の会計検査についてどういう体制で臨まれていらっしゃるのでしょうか。

○会計検査院長(森下伸昭君)

 会計検査院といたしましても、このIT社会の形成が国家戦略として位置付けられており、引き続き多額の予算執行が見込まれるということを踏まえて、今後、例えば検査能力の一層の向上のためにはやはりいろんな研さんを積まなければなりませんし、それから技術の進歩や各省庁における対応状況を的確に把握することに努めて、さらにそういう専門家要員の採用といいますか、そんなことも念頭に置いて適切な検査を進めていくように努めていきたいというふうに考えております。

○小林温君

 財務省からも会計検査院からもお答えいただきましたけれども、これもかつての議事録にありましたが、八十兆とか、例えば財務省でいうと一般会計で、特別会計も含め二百兆というその予算を扱う中で、主計局の担当官というのは三百人とか三百五十人しかいないわけですね。しかも、特にこのITの分野においては、専門性あるいは新しい科学的な手法がすごいスピードで開発されているわけでございまして、そういったものをどう活用していくのかということだと。

 当然、財政再建という大命題の旗振り役である財務省でございますので、いろんな問題は当然あるのは私は認識をしておりますが、主計局も検査院も、もちろん要求官庁も、この部分についての人員の増員であるとか体制の整備、あるいは、まあそれが無理ならアウトソースとかコンサルティング等の外部知見の活用というものをもっと積極的に要求をしていただいて進めていただくというのが、私は大変今重要な課題だというふうに思います。

 今、我々e―Japanの特命委員会では、刷新可能性調査によって新しくシステム開発する場合には、三〇%とか五〇%ぐらいのコスト削減を達成してくださいという、こういうROI、リターン・オン・インベストメントの、こういうメジャーメントを入れてくれということも実は言っているわけですが、そこまではいかなくても、このIT予算、今中央省庁だけでも年間数千億あるわけですが、一〇%削減が可能なら、仮にこの財務省の主計局、会計検査院あるいは担当省庁で数百人単位で増員をしても、それはお釣りが来るわけでございます。そして、民間ではこういうことが当然日常的に行われ、業務革新の中で競争力を付けているということが行われているわけでございますので、これは財務大臣にも後ほどまたお願いしたいと思いますが、財政再建を実現するためにこそ、こういった部分に重点投資をしていただくということをお願いをしたいというふうに思うわけでございます。

 そこで、少し中身の議論をさせていただきたいんですが、国税庁のシステムですが、今回、システムの効率性、経済性の向上のためにはオープンシステム化を図ると、それから調達の透明性の確保あるいはそのシステム開発の管理のためにプロジェクトマネジメントという手法を導入をしていくというふうに刷新可能性調査の中で書かれているわけですが、このプロジェクトマネジメントというのは、元々アメリカの国防総省が大規模な予算やプロジェクトの管理をするために費用と時間を徹底的に管理しようと、こういうふうに開発された手法で、科学的な手法でございまして、このプロジェクトマネジメントを日本の予算編成システムの中に、これは今まで実は公共事業等には一部入っていたわけでございますが、このITシステムの分野においてもこれを導入していくというのは大変私は、遅きに失した感もあるわけでございますが、大きなステップだというふうに認識をしております。

 この点、少し具体的に国税庁の方から中身について教えていただければと思います。

○政府参考人(村上喜堂君)

 お答えいたします。

 国税庁のKSKシステムにつきましては、平成十三年以降、順次可能なものから随契を見直しまして一般競争入札化を図ってきたところでありますが、ただいま財務省の方から答弁ございましたように、今政府全体としての取組としてレガシーシステムの見直しに取り組んでおります。KSKシステムにつきましても、先般、外部専門家によります刷新可能性調査を実施させていただきました。その提言を受けまして改革の可能性を検討いたしまして、オープンシステム化の推進、これは若干順次になるかと思いますが、そういうオープンシステム化の推進であるとかプロジェクトマネジメントの導入、そういう提言をいただいたところであります。

 したがいまして、その調査結果を受けまして、国税庁といたしましては、その発注方法の見直しとしてのプロジェクトマネジメント業者を導入するなど、改善に取り組んでいきたいと考えております。

○小林温君

 これは多分、今回の刷新可能性調査の中でもプロジェクトマネジメントという発想を取り入れていくというのがこのKSKのシステムでございますので、正にこれがモデルになるような形で是非成功させていただきたいというふうに思います。

 こういう手法を導入するということは、繰り返しになりますが、情報システムの開発に関して、システムのライフサイクル全体、つまり企画から発注から、そして調達、運用、そして廃棄に至るまで、一つのシステムができてからもう最後、次のシステムに移行するまでの間に全体にわたっていかにその進捗状況の管理を行えるかと、これはコスト面でも機能面でものわけでございますが、こういう取組だろうというふうに認識をしているわけでございますが、それに合わせて当然、投資対効果も考えた上で複数年度にわたるライフサイクル全体の予算措置というものが必要になってくるわけでございます。

 財務省には、今年度予算においても、ニュー・パブリック・マネジメントの考え方を入れていただいて、モデル事業を利用して、五件だと思いますが、複数年度予算や予算措置の柔軟化にお取り組みをいただいているわけでございます。

 しかし、やっぱりこれは、財務省の事務方の方とも議論させていただきますと、やっぱりスタートラインはどうしても財政単年度主義なんですね。憲法の八十六条に書いてある、あるいは財政法の十二条に単年度主義というものが明記をされているわけで、そこからがスタートになってしまう。どうしても特例として複数年度予算を含めた予算の執行の柔軟化というものが取り扱われてしまうわけでございます。

 しかし、その一方、単年度の予算主義というものが会計執行の現場では障害になっていることもこれはいろいろ報告をされているわけでございますし、このKSK始め情報システムの予算措置についてもそういう例が散見をされるわけですが、これはある意味でいうと、私は、昭和二十年代、三十年代に規定をされた財政法の想定していなかった現代的な課題なんじゃないかと、こういうふうに思うわけでございます。典型例としては、この情報システムもそうでございますが、非箱物についてどういう予算措置が可能なのかということでありましょうし、つまり単年度でいろんな障害が報告されている。それからもう一つ挙げますと、例えば、民間とか海外と日本の官庁が行う各種の事業というのはいわゆる会計の制度が違うためにいろいろやりづらいということも実は言われているわけでございます。

 ですから、先ほどモデル事業の話もさせていただきました。財務省からもその前向きな取組もいただいておりますが、繰越明許であるとか国庫債務負担行為、こういう制度を使って複数年度化を実現してモデル事業も進んでいるわけでございますが、先ほど来申し上げているように、情報システム、特に大きいものについては実質単年度のものというのは実は一部でございまして、ほとんどはライフサイクルコストで見て複数年度で予算措置をして、それに対して評価をしていくと、こういう方が実は妥当性があるんじゃないかというふうに私は思うわけでございます。

 先ほどは現代化という話をしましたが、経済社会のソフト化に対応するために、私は、モデル事業という言い方をせずに、少なくともレガシーを始めとする情報システムの開発の予算措置については、これは原則がもう複数年度の予算だというぐらいの取組で、財務省とそして要求官庁の間でこれからいかに効率的な予算措置があるべきかという議論を進めていただきたいと思います。

 財政再建というのはかつては不人気だったわけでございますが、今は国民がそこに期待しているところでもございますし、しかもこれはいわゆる、例えば電子政府の進捗というのは、進展というのは国民に対する行政サービスとかあるいは顧客満足度、住民満足度の向上というものにもつながるわけでございますので、ここは財政再建という観点のみならず、国民に対するサービスを財務省が更に向上させていくという観点からも、是非こういう取組については、更にもう三歩、四歩進んだお取組を是非お願いしたいということを財務大臣に最後にお願い申し上げて、少し御意見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君)

 小林委員が、e―Japanの特命委員会の中でこの問題、大変熱心に取り組まれまして、予算委員会でしたかね、パネルもお作りになって質問をしていただいたこと、我々の記憶にもまだ新たなところでございますけれども、大変その予算の刷新、特にこのレガシーシステムあるいはIT等の大規模なシステムをやるときにはもうちょっと今の単年度主義という頭から抜け出せという御指摘は、私はもっともなところだろうというふうに思います。

 ただ、さっきおっしゃいましたように、憲法上はやっぱり単年度主義が原則、財政法はそういう原則でできておりますし、毎年毎年、国会の御審議をいただいて作っていくという原則を、これはそう簡単に投げ捨ててしまうわけにはやはり私どもとしてはいかないわけでありますけれども、今おっしゃったように、結局、こういう単年度主義が取られましたのも、かつて軍事予算等を先のものまでどんどん作ってしまって、後、こう負担になってのし掛かってきたと、そういうような反省もあったと。結局、財政の健全性をどう保つかという、一方で、国会審議における民主制という、民主的な財政という要請もありますけれども、同時に、財政の健全を、健全性を保つにはどうすればいいかという問題意識もあったんだろうと思います。

 したがいまして、現代的に言えば、このレガシーシステムのようなもの、あるいは大規模なITシステムをやるときには、繰越明許費であるとかあるいは国庫債務負担行為等もうまく活用して、もちろん、そのためには、このいわゆるニュー・パブリック・マネジメントで強調されるような明確なやっぱりアウトカム目標を作って、そして事後の検査を、事後の評価をきちっとやっていくということ抜きではこれはできないと思いますけれども、私どももこれは大いに、実験的と言ってはなんですが、うまく使っていきたいと考えておりますので、今後とも各省庁、このような問題で予算要求がありますときには、よくまた御相談をして制度を活用できるような心構えで臨みたいと思っております。

○小林温君

 ありがとうございました。