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国会発言録

[経済産業委員会  2003年5月22日]

○委員長(田浦直君)

 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案(閣法第九〇号)、下請中小企業振興法の一部を改正する法律案、小規模企業共済法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言を願います。

○小林温君

 自由民主党の小林温でございます。

 今日は、中小企業関連の三法案の審議ということでございまして、厳しいデフレ経済下にありまして、中小企業、大変厳しい環境に置かれております。質問に入る前に、今日は平沼大臣そして杉山長官もおいででございますので、少しお願いをさせていただきたいと思います。

 我が国企業の九九・七%を占める中小企業の足下では不況が常態化をしており、閉塞感が大変色濃く漂っているわけでございます。そんな中におきまして、今、中小企業にとって一番切実な問題は、何といっても金融問題であると私は思います。

 金融面で大変弱い立場に置かれる中小企業は、貸し渋り、貸しはがしから、例えば金利の引上げとかあるいは追加担保というものも今求められているわけでございます。

 私、昨日、実家に電話をいたしまして、私の家業をやっておりますおふくろと話をしたんですが、最近、銀行から金利の引上げを〇・五%上げてもらえないかと、こういうふうに言われて困っているという相談を実は受けたばかりでございまして、これは、それぞれのリスクに見合った金利の設定ということで各金融機関もそういうことが今進められている、これは経済の実態に合ったこととして一つは妥当なことだとも思うわけでございますが、その判断が本当に合理的な形で行われているのかどうかということについては、これはしっかりと目を光らせていく必要があるんだろうと思います。今、この急場を仮にしのぐことができればその存続が可能な将来性のある例えば中小企業、それから生き残りを懸けて今必死な営業努力を続けている中小企業も、金融機関からのこういった融資が難しいということで、例えば資金繰りあるいは倒産、廃業という事態は何としてもやっぱり避けていかなければならないというふうに思います。

 是非、中小企業への円滑な資金供給が途絶えることがないように、関係各方面ともしっかり調整をしていただきたいということをまずお願いを申し上げます。

 それから、りそなグループの件でございますが、本日の日経の一面にも金融庁が中小向けの融資目標を健全化計画に盛るということを今検討中だということでございます。りそなは中小企業リテールの面で今まで業務を行ってきたところでもございますので、このりそなの破綻が、破綻ではございません、公的資金の注入が中小企業に今後影響を与えないように、是非万全を期していただきたいと思います。

 それともう一点、中小企業再生支援協議会でございますが、この設置が各都道府県で順調に進んでいるということは大変すばらしいことだというふうに思います。ただし、これは、産業再生機構の場合は、債権の放棄に関して金融機関の無税償却が認められているなど種々の助成スキームが実はもう備えられているわけでございますが、中小企業再生支援協議会については、これはもう関係者のコンセンサスを得るためのスキームであって、実際の具体的な助成スキームはまだ伴っておりません。これを是非実効あるものにするために、経営改善計画に沿って債権の一部放棄を例えば金融機関が認めた場合には、これは税制上の措置を、無税償却を含めてこれはしっかり認めていただけるようにこれは御検討を、特段の御配慮をお願いしたいということをまずお願いしたいというふうに思います。

 続いて、質問に入らせていただきたいと思います。

 まず最初に、下請振興法についてでございますが、今回の法の改正に当たって、中小企業政策審議会取引部会に提出された資料をいろいろ読ませていただきました。幾つかのアンケートが載っているわけでございますが、一つは、日本商工会議所のアンケート調査、主要取引先の海外移転の状況についてですね。これを見ますと、生産拠点を海外に移した主要取引先があると回答した企業が四五・四%、それから海外移転した主要取引先とその後の取引の状況については、取引が減少したと回答した企業が六〇%以上、あるいは受注単価が引き下げられたと回答した企業も六〇%近くに上っているわけでございます。

 それからもう一つ、全国中小企業団体中央会のヒアリング調査によりますと、取引先の業況変化による下請中小企業への影響についてというヒアリングで、例えば親企業は海外進出先の現地での受発注が多くなっている、あるいは海外から直接部品調達をしていると、輸入して。それから、従来からの系列がどんどんどんどん崩壊していくと。こういったことで、下請の中小企業は受注量の減少あるいはコストダウン、値段を下げろということですね、それから系列や下請の協力会の組織の再編なども迫られて、集約化も進んでいるということが言えるんだろうというふうに思うわけでございます。

 これらの調査結果を見ると、多くの下請中小企業が大変厳しい状況にあると。そういう意味で、今回の下請関連二法の改正というのは大変時宜を得たものだというふうに思うわけでございますが、そのための対策を早急に講じるに当たって、経済産業としてはこの今の下請中小事業者の現状をどう御認識されているかということについて御見解をいただきたいと思います。

○副大臣(高市早苗君)

 今、小林委員から御指摘がありましたとおり、大変、取引先の海外移転に伴って厳しい状況であるということは認識いたしております。

 今お話しのありました下請中小企業短期動向調査でも、受注量が平成三年八月以来百三十九か月連続で、受注単価の方も平成三年の十二月以来百三十五か月連続で前年同月を下回るというこの厳しさでございます。

 また、平成十三年度の中小企業白書において分析していますとおり、取引先の海外移転につきましても、親企業が海外進出した下請企業は、親企業が海外進出していない下請企業と比較して生産高が減少しているといったことで多大の影響が生じていると認識しております。

 このような厳しい状況にどのように対応していくべきかという観点から、平成十四年度の白書におきましては、親企業の海外進出に対応した下請企業が取った取組とその効果を分析いたしました。

 具体的には、設備の縮小ですとか従業員の削減といったリストラ型の取組よりも、高付加価値製品への取組ですとか製品の低コスト化といった経営革新型の取組の方が高い効果があるという結果が出ておりますので、その方向に向けました支援の強化が必要だという認識に立ちまして、今般の下請中小企業振興法の改正を御提案申し上げたところでございます。

○小林温君

 今、副大臣から、リストラ型から経営革新型の構造転換を図っていく必要があるというふうにお答えをいただきました。

 今御質問差し上げたような産業の空洞化に代表されるような経済のグローバル化の流れの中で、やはり下請中小企業が今まで日本の経済構造の中で果たしてきた役割というものは無視もできないし、これからも大変重要な位置付けをしていかなければいけないと思います。

 かつては、部品の製造から製品の組立てまでをフルセットで行うということが日本企業の強みでもあったわけですが、今の例えば下請中小企業の置かれた状況等を勘案しますと、部品製造等の基盤も果たして維持できるのかと大いに懸念をされるところだと思います。そして、こういった分野というのは今後の日本の産業競争力を考える上でも大変重要な部分でもございますので、一層の下請中小企業振興策について、是非経済産業大臣の御所見を伺いたいというふうに思います。

○国務大臣(平沼赳夫君)

 お答えさせていただきます。

 下請中小企業というのは、製造業においてはサポーティングインダストリーとして日本の産業基盤を形成をし、産業力、競争力の強化に寄与しているところであります。

 しかし、海外の廉価な製品との競合の激化等を考えれば、我が国の産業の目指すべき方向は、当然ですけれども、より付加価値の高い製品あるいはサービスを生み出していくことにあると考えています。そのためには、正に国内の企業間の連携協力関係の強化が不可欠であると、このように思っております。

 そのためには、下請中小企業はその担い手として重要な存在であるわけでありまして、近年、我が国経済のサービス化や製造業における各種サービスの外注化の進展等によって、サービス業の我が国経済、国際経済活動における比重が増大する中、サービス業等においても下請分業構造の構築が見られているところであります。このため、現在厳しい状況に直面している下請中小企業に対して支援を講ずるべく、下請中小企業振興法の改正案を提出をさせていただいたところです。

 本改正案におきましては、一つは、製造業に加えましてサービス業等の下請中小企業を法の対象として追加するとともに、政令による業種指定を撤廃をいたしまして、広くこれらの下請中小企業が計画を作成できることにいたしております。また、企業を構成員とする事業協同組合に加えまして、例えば公設試や大学の研究者も入った研究会等の任意グループについて振興事業計画の作成主体とすること等の措置を講ずることにしたところであります。さらに、支援措置も、これまではハード中心であったものを、例えば売掛金債権担保保険の特例措置を設けまして資金繰りの支援を追加することにいたしました。

 こうした措置でより柔軟な企業間関係を支援することによりまして下請中小企業の経営基盤の強化を図ってまいる、このことが大変重要だと、このように思っております。

○小林温君

 是非、今回の二法の改正も含めて、下請中小企業の環境の整備に努めていただきたいとお願いを申します。

 それから、例えばサプライ・チェーン・マネジメント始め、ITを活用した製造、販売までの一貫体制の構築、あるいはインターネットを使った受発注のシステムの開発、取引のマッチングシステム、企業の情報化というものがこれから中小企業が生き残っていく上で大変重要だと思います。この点については、経済産業省、中小企業庁の支援策、個々の企業に対して、あるいは親企業から下請企業のグループに対して、あるいは産業自体に対して大変重要な部分だと思いますので、そういった取組についても今後是非期待をさせていただきたいというふうに思います。

 続きまして、下請代金法の関連で財務省さんに一つ質問させていただきたいんですが、今、大臣からも御説明をいただきましたように、今回の下請代金法においては、ソフトウエア業界あるいはコンテンツ業界が下請代金法の対象化をされたと、民間の下請取引については履行確認後六十日以内の支払が義務付けられることになるわけでございます。これは、大変時代の流れの中で、プログラム関係、IT関係の業界が下請代金法の対象に入っていると、非常に評価すべきことだと思いますが。

 一方、政府の例えば調達の方に目を向けてみますと、これ今、自民党内でも、IT戦略本部に向けて、e―Japanの特命委員会でいろいろ検討させていただいているところでございますが、中小企業あるいはベンチャーが政府のIT調達に参入できるようにということで、様々な今施策を実は作っていただいて実行をしていただいているわけでございます。

 ところが、一つの問題は、政府によるソフトウエアの開発委託は原則として年度末の払いになっているということでございます。これ、仮に四月に受注をして二か月、三か月で納めても、支払が年度末まで時間が掛かってしまうということで、資金的な余力のない中小企業においては結果的に、ハードルは低くしてもらったのにもかかわらずソフトウエアの開発受託に消極的になっていると、こういう話が実はあるわけでございます。一方、資金繰りが可能な元請大企業は、中小が参入しないように年度末払いの方が望ましいという部分もあるんだろうというふうに思うわけでございますが。

 この点について、概算払という制度があって、四半期前に支払う制度を利用できるということになっているわけでございますが、これは例えば予算当局である財務省あるいは要求省庁、府省の側にも様々な手続が必要でございまして、実際なかなか難しいということも聞いております。

 そこで、是非ソフトウエアの開発、今日の文脈でいいますと、特に中小企業の政府からの委託については是非とも概算払を原則にしていただいて、履行確認後速やかにその代金が支払われるような体制を是非作っていただきたいと、こういうふうに思いますが、財務省の方から御見解をいただけますでしょうか。

○政府参考人(杉本和行君)

 お答えさせていただきます。

 中小企業に対する支払の問題でございますが、国における支出というものは、これは同時履行の原則でございますので、契約の相手方における義務の履行が確認されまして支出すべき義務が確定した時点、この時点で行うことが原則でございます。したがいまして、義務の履行が確認されますれば、それは国の支出は可能となるわけでございます。さらに、その上に、経費の性格上、概算払ということで、相手方による義務の履行が確認される以前でも経費の性質上支払が可能な特例が設けられてございます。

 先生御指摘の委託費につきましては、この概算払の経費の対象とされております。ただし、基本的に概算払が支払義務の確定しない前の段階での支払でございますので、これをすべて一律に無限定に行うことには予算の適切な執行という観点からの問題もございますので、その必要性につきましては各省各庁の長が財務大臣に協議をしていただくことになっております。ただし、この手続をいろいろ簡素化を図るということも重要だと考えておりまして、この財務大臣協議につきましては、一定の条件に該当するものについては包括協議といたしまして、一本一本個別に協議をしていただかなくても全体として概算払の対象にするということを可能としているところでございます。こういうことを通じまして、できるだけ手続の簡素化を図っているところでございます。

 今後とも、概算払につきましてはこういたしました包括協議を活用していくことを通じまして、各省各庁の長からの協議に円滑に対応できるよう、できるだけ手続を簡素化にして対応していくということで対応してまいりたいと考えております。

○小林温君

 是非、中小企業の政府のIT調達に対する参入という点でこれも非常に重要なことだと思いますので、引き続き円滑化に向けて御努力をお願いしたいと、こういうふうに思います。

 続きまして、小規模企業共済法の改正案についてでございますが、昭和四十年に創設されたこの共済制度は、言わば小規模企業事業主のための退職金制度として、いわゆる公的年金制度の補完の役割をこれまで果たしてきたというふうに私は評価をさせていただきたいと、こういうふうに思います。

 そして、先ほど来申し上げているような景気の低迷、高い廃業率など厳しい企業経営環境に置かれている小規模企業にとって、正に今、廃業後に資金が提供される本制度の役割は大変大きく、セーフティーネット対策としても企業の経営の安定と発展に欠かせないものとなっており、その意義も実は高まっているんだろうというふうに思うわけでもございます。

 制度創設以来七回にわたって今見直しが行われてきたわけでもございますが、この制度の見直しを振り返りつつ、この小規模企業共済が小規模企業者の経営安定に果たしてきた役割について御意見をいただければというふうに思います。

○国務大臣(平沼赳夫君)

 小規模企業共済制度といいますのは、経営基盤が脆弱で経営環境変化の影響を受けやすい小規模企業者の方々が相互扶助の精神に基づきまして、今御指摘ございました事業の廃止でございますとか退職あるいは転業等に備えて、生活安定資金や事業再建資金を準備するための制度として、御指摘のとおり昭和四十年に創設されたものでございます。その後、本制度は、平成十三年度末時点で約百三十五万人の加入者と約七兆六千億円の共済資産を有するに至りまして、この間、本制度に基づき支給された共済金の総額は約三兆四千億に及んでいるわけであります。

 このように、本制度は小規模企業者の方々への資金供給、公的年金制度の補完等の役割を果たすことによりまして、小規模企業経営の安定と健全な発展に私どもが大きく寄与してきたと、このように思っています。とりわけ、業況の低迷や開廃業率の逆転状況が続く近年の厳しい企業経営環境の下におきましては、小規模企業者の方々に対して廃業後の生活安定資金を確実に提供するこの制度は、老後の安心を提供するものであるとともに、セーフティーネット対策の重要な一翼を担うものとしてますますその意義を高めつつあるものと、こう思っておりまして、四十年からずっと続けてきまして、今るる申し上げましたような、そういう非常に大きな効果があったと、このように思っております。

○小林温君

 今お話をいただきましたように、この時代において大変その意義が高まりつつある制度だというふうにも思いますので、その運営については、今回の改正も含めて、大変大きな期待を中小企業あるいは個人事業主からもいただいているところだというふうに思います。

 それで、今回の改正点でございますが、何といいましても、その試算によって、今のままの予定利率を維持していけば、十年後、繰越欠損金が一兆円を超えるという予測があるわけでございます。そして、仮にこれを一・〇%に引き下げた場合には、その繰越欠損金が二千二百億にとどまり、現状よりも収支が改善すると、こういう試算結果があるわけでございます。

 審議会では、これは中小企業政策審議会経営安定部会ですね、何通りかのその予定利率を設定の上で試算を行っているというふうに聞いているわけでございますが、今回、この二・五を一に、一・〇に引き下げることが適当であると判断された理由と、それからその見直しに当たっての審議会での議論の詳細について少し御説明をいただければというふうに思います。

○政府参考人(杉山秀二君)

 お答え申し上げます。

 予定利率あるいは共済制度の収支の見通しの御質問でございました。

 御指摘のとおり、去年の九月から中小企業政策審議会の部会の中で御議論をいただいています。その際に、まずいろんな計算をいたします前提となります資産運用の利回りをどうするかというのが一つの論点でございました。この点につきましては、現在非常にその資産運用の環境が悪いという、こういう状況の下でございますので、そういった厳しい状況が今後とも続くというような前提の中でその試算をするのが適当であると、こういうふうな御判断でございます。

 具体的に申し上げますれば、国内の債券の利回りというものは、平成十一年から十四年の秋までの期間におきます最低の利率というものを用いると。また、金銭信託の利回りにつきましては、いろいろな運用委託先の利回り予想の中で低いものを採用すると。こういうことで、それぞれ堅めといいますか、厳しい状況の中で、厳しい状況を前提としてのいろいろなシミュレーションを行うということにいたしました。こういった想定の中で、先生お触れになりましたように、七つのケースを想定いたしまして、いろいろシミュレーションをいたしました。

 御質問にございましたように、現在、三千六百億円の繰越欠損金がございますが、二・五%のままで推移しますと、十年後には一兆円を超える繰越欠損金になるというような試算でございました。また、例えば一・二五%というものを設定いたしますと、現在のこの繰越欠損金について改善がほとんど見られないというような状況でございます。一%に行ったときにどうかというようにいたしますと、これも御質問にございましたように、平成二十三年度の欠損金が二千二百億円ぐらいに減少する、目に見えた減少が期待できるというような結論になっておるわけでございます。

 もちろん、この予定利率を一・〇%よりももっと引き下げますれば、繰越欠損金の解消の時期は早まるわけでございますが、それは余りにも加入者の方々に御不便をお掛けすることになってしまうというようなことになりまして、この経営安定部会におきましては、今後の予定利率について一・〇%に設定をするというのが適当であると、こういう結論に至っているということでございます。

○小林温君

 ここは大変難しいところでございますが、この制度を将来にわたって安定的に運用していくためには、今回の予定利率の引下げというのはやむを得ない、あくまでもやむを得ない措置であると私は思うわけでございます。

 十年債も〇・六%近辺を推移しておりますし、三十年債も一%を一時的にでありますが下回ったということで、これを考えますと、日本の三十年後が本当に大変暗いイメージでとらえざるを得ないわけでございますが、一方、政府では今挙げて景気回復に向けての様々な取組をしていただいているわけでございます。また、小泉改革もこれから進展していって、今の経済環境から一刻も早く抜け出ていかなければならない。また、これはもう好転させなければならないということだと思いますが。

 先ほど杉山長官からは、堅く見積もっていただいて今回の一・〇%という利率の御決定に至ったということもお話がありましたが、是非ここは日本経済の一刻も早い回復に期待をする中で、財政収支が予想よりも早く改善した場合には利率の引上げということも、これはこれから法律ではなくて政令事項化されるわけでございますので、予定利率の速やかな引上げも当然考えていらっしゃるだろうと思いますが、その点についての見通しを伺えればというふうに思います。

○副大臣(高市早苗君)

 今、小林先生から御指摘あったような金融環境の変化ですね、これに対応するように迅速に予定利率の変更ができるようにというのが法改正の趣旨の一つでもございます。一足先に、昨年、中小企業退職金共済制度においては、退職金額規定を政令事項化するための法改正をしたところでございます。

 予定利率の引上げでございますけれども、資産運用環境に係る将来見通しが好転して共済財産収支の改善がなされて、予定利率を引き上げても本制度の長期的安定性を確保し得ることが見込まれることとなった時点で検討すべきことではございますけれども、そうした検討をした結果、予定利率の引上げが適当だという結論が得られました場合には、今回の法改正の趣旨を踏まえまして迅速に予定利率の引上げを実施するということが可能でございます。

○小林温君

 今回の法改正に合わせて、その運用方針でありますとか、ポートフォリオの組み方についても、これから様々御検討いただけるということでございますので、是非財政収支の改善というものを、もちろん景気の環境というのはあるわけでございますが、この制度の中でも是非実現をしていただいて、運用益を加入者に還元をしていただくということのための御努力をお願いをしたいというふうに思います。

 続きまして、貸付制度の点について御質問させていただきたいというふうに思いますが、これは一般貸付については近年、非常に貸付金額が伸びているということで、こういった需要があるということだろうと思います。それに合わせて、今回の制度の改善策の中では、一般貸付の限度額を引き上げる、それから貸付利率を引き下げるということで、こういう検討が今なされているところだと思います。これは、そういう需要があるところに非常にマッチした対応であると思いますので、是非前に進めていただきたいと思いますが、その中で売上げ減少が顕著な小規模企業の経営安定を図るために緊急経営安定貸付、仮称ではございますが、の創設について検討されているというふうにお伺いしておりますが、この趣旨、そしてこの時期に新たな制度を創設することの意義について御所見をいただければと思います。

○政府参考人(杉山秀二君)

 お答え申し上げます。

 この共済制度に関連をいたします貸付制度、先生御質問ございましたように、従来、一般貸付制度というものがございまして、緊急な資金需要が必要になった場合に簡単それから迅速に融資をできるという制度を作ってございます。貸付件数、金額ともに近年増えておりまして、平成十三年度におきます貸付件数が十三万件、それから金額が約三千二百億円となっておるわけでございます。

 今回、こういった見直しの中で、特に最近のいろいろな経済環境の厳しい状況というものにかんがみまして、特に資金繰りに大変お困りになっているそういう共済の契約者の方に対しまして、低利の事業資金をお貸しをするということが、これら契約をしていらっしゃる方々の経営の安定化のためにとても大事だろうというような観点から、今回、今、先生がお触れになられましたような緊急経営安定貸付といったものを創設をしたいと考えておりまして、貸付限度額一千万円を原則といたしまして、貸付金利、今〇・五五ぐらいを想定しておりますが、こういった貸付制度を作りまして、現下の厳しい状況の中で一生懸命頑張っておられる、共済契約をしていらっしゃる中小企業の方々に対するセーフティーネットの一層の強化を図りたいということで、今回創設を考えているところでございます。

○小林温君

 この貸付制度というものは非常に、この制度自体、これの加入者になる自営業者さんのことを考えると非常に有り難い部分だと思いますので、今後この貸付制度の改善については、今の方向の中で更なる御検討をお願いしたいと、こういうふうに思います。そして、この制度自体の安定的な維持発展ということを考えますと、やはり加入者をしっかりと確保していかなければいけないということが一つ挙げられるだろうというふうに思います。

 この加入状況の推移を見させていただきますと、平成三年ごろから加入者が減少しておると。六年以降は加入者よりも脱退者の方の方が多くなっております。これは、例えば退会事由にもいろいろよるところで、この統計が一概に正しいと言えるかどうか分かりませんが、少なくとも加入者が多い方が共済制度の安定のためには間違いなくいいことであるというふうな前提で、この共済加入者の減少にどうやって歯止めを掛けるかということでございます。

 例えば、今まで掛金の減額を途中から認めたり、それから掛金納付の停止ですね、何らかの事由によって掛金納付が困難な場合に一年間納付停止を認めるというような制度ですか、こういう制度も創設をしていただいているわけでございますが、やはり今の状況を見るに、一つには一層の加入促進策が私は必要であると思いますし、そのための取組も是非様々な形で検討していただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。

 この加入促進策について、今後の方向性について御見解をいただくと同時に、この法改正を受けて制度の運営に当たる大臣の決意について再度お伺いをさせていただいて、私の最後の質問とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○国務大臣(平沼赳夫君)

 御指摘のように、小規模企業共済制度を長期的に安定なものとする上で加入者の確保というのが不可欠である、このように認識しております。そして、先生御指摘のとおり、加入者が減少しつつある現状においては、加入促進策を抜本的に改善をしていく必要があると、このように思っております。

 このため、今後は、従来から実施をしておりまして比較的高い成績を上げているモデル県運動などの広報活動を始めとする加入促進策を強化してまいりたいと、このように思っております。モデル県運動というのは、特定の都道府県と中小企業総合事業団がタイアップをいたしまして、中小企業関係団体、市町村等の協力の下に一定期間その地域内におきまして集中的に加入促進運動を行うと、こういう運動でございまして、昨年は七県で実施をさせていただき、例えば関係機関に資料の配付をしたり、あるいは掲示をいたしましたり、ラジオ、地方新聞、そういったものを活用して広報をいたしておりまして、いろいろな手段でこのモデル県運動を実施をさせていただいております。

 そして、今後、新たに各種民間企業でございますとか本制度の既契約者を通じた新たな加入促進ルートの開拓もやっておりますし、加入促進業務の委託先機関への報酬体系の改変、強化等によりまして一層効果的な加入の促進策を展開をしていかなければならないと思っております。

 また、経済産業省といたしましては、このような加入促進策の強化に加えまして、当共済制度の収支の改善による財務体質の強化を図ることによりまして、今後とも小規模企業者の方々の御期待に沿えるように、小規模企業共済制度の長期的安定性の確保に尽力をしていかなければならないと、このように思っているところでございます。

○小林温君

 終わります。