[第156回 個人情報の保護に関する特別委員会 2003年5月16日]
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○小林温君
自民党の小林温でございます。
月曜日に特別委員会が設置になりまして、かなり昔のことのように思えるぐらい長い時間を掛けて議論させていただいております。両大臣におかれましては、特に毎日お付き合いをいただいておりますことに改めて敬意を表したいと、こういうふうに思うわけでございます。
それで、この個人情報保護法案、旧法が提出をされたのは二〇〇一年の通常国会でございまして、私がまだ議員になる前のことでございます。今までの議論を私もしっかりとたどらせていただいて、今日質問をさせていただきたいと、こういうふうに思います。
一つに、メディア規制法案だということで、過去の国会においてこの法案の成立が今まで遅れてきたということもあるわけですが、その部分についてはかなりの部分収まったというふうに認識をしております。
ただし、私、この法案の本来の意味を個人的に解釈をさせていただくと、高度情報化ネットワーク社会において、好むと好まざるとにかかわらず、それぞれの個人情報というものがネットワークを通じて交換、提供されていく、そのことによって果たして個人あるいは企業あるいは政府というものは、経済上、社会的な便益、利益、つまりベネフィットと、その乱用によるコスト、リスクというふうに言い換えてもいいと思うんですが、これを正当なルールが定められた中でどういうふうにとらえていくべきかと、こういうことがこの法案を議論させていただく意味だと、私はこうとらえさせていただいているわけでございます。
しかし、残念なことに、メディア規制法ではないかという議論もありました。あるいは住基ネットの問題、それから各種の行政機関の情報の漏えいといった問題が議論の最中にタイムリーに出てしまった部分もあって、コストとかリスクというマイナスの面にのみスポットが当てられて今まで議論が進んできたという感が私はやっぱり否めないわけでございます。やっぱり情報化社会においては、この個人情報の流通というのは不可避的に起こるものではなくて、我々がリスクとそれからベネフィットのバランスを主体的にどう考えていくかという、こういう対応の仕方が必要なわけで、正に新しい、ある意味でいうと、メディア社会における我々の文化の在り方というものも実はこの法案を切り口にして考えていかなければいけない、こういうふうに私は思うわけでございます。
そんな中で、一つ法案の中身について確認をさせていただきたいことがあるんですが、三十六条でございます。これは主務大臣の規定があるわけでございますが、この一項で「個人情報取扱事業者が行う個人情報の取扱いのうち雇用管理に関するものについては、厚生労働大臣及び当該個人情報取扱事業者が行う事業を所管する大臣」が主務大臣として認定されるというわけでございますが、これは私の読み方でいきますと、雇用管理というのは、例えば会社の従業員の方の人事情報であるとか、あるいはその会社に採用を希望されている方の採用情報であるとか、こういうものだというふうに私自身はとらえているんですが、こういう解釈でいいかということと、この情報についても本法案の規制対象になるのかどうかということについて、これは細田大臣でございますか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(細田博之君)
本法案におきましては、第二条第一項の規定によりまして、「「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、」「特定の個人を識別することができるもの」と、広く定義されておるわけでございます。
したがいまして、お尋ねのような従業員の人事関係の個人情報、採用予定者の個人情報などの人事情報も本法案の個人情報に該当いたします。ただし、本法案の対象として、こうした個人情報をデータベース化している、そしてそのデータベースを事業の用に供している、適用除外の政令で定められる一定数、例えば五千人を想定しておりますが、以上を用いているというその要件に合致している場合に個人情報取扱事業者に該当して、この法律の適用が種々行われるようなことになっておりまして、御指摘の事例がそれらを満たす場合には、第四章、義務規定の対象になるわけでございます。
○小林温君
でありますれば、その従業員五千人以上の企業がどのぐらいあるかということも一つありますが、採用ということを考えますと、例えば従業員が二十名、三十名でも人気のあるところは年に千名の志願者がいたりするわけで、五千を容易に超える企業の数というのはかなり実はあるんじゃないかと思うわけでございますが、そうなると、厚生労働省とその元々の所管の省庁、二つの主務官庁ができてくる企業が実はかなりあるんだろうと、こう思うわけで、このことについて私はどうこう言うつもりはございませんが、ただ、一つには、今まで年功序列、終身雇用型の企業文化のあった日本において、余り例えば人事情報がどこかに行くということはそれほど問題にならなかったのかもしれませんが、これから雇用の流動化等を考えたときに、この人事情報データベースというものが非常に大事になるであろうと。
それから、志願者、例えばある企業に勤めたいということで面接をしたりしてでき上がったデータベースというものは、かなり個人のセンシティブな部分についても記載されたものが多いと思いますので、この辺の取扱いについて、今までの議論の中でどうしても企業と顧客という関係からこの法案が議論されがちでしたが、企業とその従業員という関係においても、是非、厚生労働省始め、この部分についての取扱い、積極的に行っていただきたいと、こういうふうにお願いを申し上げたいというふうに思います。
続きまして、住基ネットの件に少し触れさせていただきたいと、こう思います。
住基ネットは、一九九九年に住基ネット法が成立して、その際に、ネットワーク上を個人情報が行き来する、個人情報の保護が必要だということで、二〇〇一年の個人情報保護法、旧法の提案につながったわけですが、この間に、先ほども述べさせていただいたようないろんな議論があったわけですね。そして、結果として、昨年の住基ネットの第一次稼働のときに、九九年のときには実は議論されなかったような、例えばネットワークのセキュリティーの問題でありますとか技術仕様の問題等が議論されるに、順番が実は逆になって、至ったわけでございます。
元々、この住基ネットというものは、ネットワーク時代において行政サービスの質をどうやって向上させるかということで考察されたネットワークで、本来であれば、これはやっぱり官民の間でいかに情報の流通をしっかりとリードできるような、ネット社会の中でモデルとなるシステムとして構築できるかということが課題だったわけですが、実はそのプライバシーの問題が、先ほど来申し上げているように、余りにも意識されたがために、実は住基ネットというのは専用線でVPNを使った閉じられたネットワークになってしまったと。これは別に総務省が悪いとか片山大臣が悪いということじゃなくて、結局、議論がそういう形にしてしまったということなんだろうと思います。
やはり、ただ、私も少し専門的な立場で言わせていただくと、セキュリティーを物理的に守るというのは、これはかなり難しいことでありまして、例えばデータを暗号化してインターネットで流通させても、ある情報についてはそれほど危険性は実はないわけでございますので、重要なことは、その情報の性格に応じてどの程度のセキュリティーを保障していくかということが妥当かということをランク付けしていくということであって、大変申し訳ないんですが、今お金のやり取りもインターネット上でできるという中で、今の四項目の個人情報を専用線でやり取りするということは、これは私、本当はもったいないことだというふうに思います。
そういう意味ではもっと前向きに、この住基ネットでせっかく専用線をつないだLGWANもあるという中で、いかに効率的な情報の流通のさせ方ということができるかということを今後の課題として我々は是非考えていきたいと、こういうふうに思うわけでございます。
それで、片山大臣若しくは総務省の方にお伺いをしたいんですが、今少し触れさせていただきましたが、個人情報保護法案と住基ネットにおける個人情報保護措置との関係、簡略にで結構でございますが、少しお聞かせいただきたい。
それから、個人情報保護法案が未整備だということで、いわゆる住基ネットの接続を一部も含めて拒否していた団体が六団体、地方公共団体があったかと思いますが、この地方公共団体については、幾つかのところはこの法案が成立すれば前提条件ができるということになると思うんですが、この六団体についての参加の見通し、接続の見通し、どういうふうに今総務省でとらえられておられるか。あるいは、更に接続しないという場合にどういった対応をされるのかということについて少し御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君)
十一年に住基法の改正で住基ネットの仕組みを導入したわけですね。その際に、審議の国会の過程でセキュリティーやプライバシー保護が相当議論になりまして、その結果、個人情報保護法を作ろうと、こういうことになったわけですよ。議員修正で附則に入ったんですよ。そこで、十三年に出したんです。十三年のかなり早い時期に、二月か。ところが、なかなか御審議いただけなくて、御審議が始まったのは去年からですからね。それで、今回こういうことになったわけでありましてね。
私はそのときから何度も言っているんですけれども、住基法というのは、住基法で完結していろんなことをやっているわけです、セキュリティーやプライバシー保護を含めて。だから、個人情報保護は要らないんだと。要らないんだけれども、とにかく世の中全部に個人情報保護の網をかぶせるということが必要なんで、それが心理的にも大変いいことなんで、だから個人情報保護法はそういう意味では要ると。
それからまた、行政機関全般に対して電算処理の個人情報保護法だけあるけれども、これも広げないかぬと。更に住基法だと。こういうことで言ってきましたので、この法律が通れば、私はそういう意味では大変前進だと、こういうふうに思いますし、言われるとおりなんですよ。公開四情報に番号、住民票コードと変更情報だけですから、それをもう厳重に厳重にやりまくっているんですよ。しかし、それはそれで悪いことじゃ私はないと思うけれども、正に委員が言われるように、コストベネフィットからいうと何だということになるんです。だから、今後、第二次稼働でいろんなことに使っていきます。
ただ、これは民と一緒にということは今のところ考えておりません、全く。官だけでいろんな用途を拡大して安全にやっていくと、こういうことは基本的に考えておりますので、是非よろしくお願いいたしたいと思います。
それで、今五団体なんですよ。横浜は、これは段階的加入ということですから、これはちょっと外した方がいいんで、あとは五団体ですが、これはそれぞれお考えがあるんですよ。いい考えとは必ずしも思えないところはあるんだけれども、お考えがあるんで、だからそれはそれで、住基法も去年の八月に始まったんですから、私はよく話し合えと、ずっと話し合ってきているんですよ。そのときの理由の一つが個人情報保護法制が未整備だと、こういうことですから、今回整備していただくと、それからいろんなことをそれに基づいてやるわけですから、そうなると、嫌だ嫌だという理由がなくなるんですよ。今、違法なんですよ、未加入ということは。だから、保護法制ができて違法状態を続ける、地方団体がもう違法状態を率先してやるようなことはこれは困るんで、違法状態は解消してもらおうと思っております。
○小林温君
ありがとうございます。
今、大臣からお答えをいただきましたように、もったいないと私思います。一円の例えばお金を金庫に入れるのに百万円の金庫で囲ってしまうと、こういうことがあるわけで、正にセキュリティーのランクというのはその守るべきデータの重要性に応じて決めていくという姿勢を是非これからまた引き続き御検討いただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。
続いて、今セキュリティーというお話も出ておりますので、そのセキュリティーについて少しお話を伺いたいと思うんですが、今日もセキュリティーという言葉がいろんなところで飛び交っております。
例えば、今年の一月に、御存じのように、スラマーワームというコンピューターウイルスの一種が原因で世界各地でネットの障害が起きました。韓国はこれ非常に大規模な通信インフラの障害が起こったわけですが、その他いろんなセキュリティーに関する問題ということが世界各地で今散見されるわけでございます。
一方で、やはりインターネットの普及は目覚ましく、そして家庭でも、今、日本ではe―Japan戦略で、常時接続でブロードバンド回線を利用している人がもう急増しているという、こういう状況もあるわけですが、ただ、先ほど来申し上げているように、そのセキュリティーに関しての漠然とした不安が個人にもあるいは社会にも蔓延しているわけでございます。ですから、私は、やはりそのセキュリティーというものの言葉の持つ意味について、いま一度しっかりと我々は切り分けをして認識をしていくべきだというふうに思うわけです。
例えば、どういうことがセキュリティーと言ったときに、皆さんの頭に思い浮かぶか分かりませんが、今回テーマになっている個人情報の漏えい、それから例えばサイバーテロというようなものまで実は脅威としてとらえられて、それに対するセキュリティーをどうするかと。かなり混在した形で今考えられているわけでございますが、やっぱりITの推進とか危機管理ということを考えると、このセキュリティーの体制を国家としてどう取っていくかということは、国全体のやはり課題としてこれ統一的に扱う必要があるんだろうと思います。
アメリカにおいては国土安全保障省、ホームランドセキュリティーという新しい省が九・一一テロを受けて実は創設をされ、危機管理あるいは情報セキュリティーについての統括的な役割を実は今担っているわけでございます。
こういう部分も含めて、まず私の質問は、先ほど来申し上げておりますように、政府としてのリーダーシップ、情報セキュリティーの確保について政府としての現状認識と今後の取組についてお話をいただければと思います。
○国務大臣(細田博之君)
ただいまセキュリティーにつきましての大変すばらしい御意見をいただいたわけでございます。
昨日、IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会、出井会長を中心に十六人の委員の方にお願いしてできましたIT基本戦略Uの案を総理官邸のIT戦略本部の会合で総理も御出席になって協議をいたしまして、総務大臣も私も出ておるわけで、私は司会役でございますけれども、その中で様々な、IT基本戦略Uというものを打ち出したわけでございます。
Tは、言わば環境整備、教育をし法整備をすると、そういう体制でございますが、Uは本当に二十四時間、三百六十五日、国民にとってすばらしい成果のあるような効果を打ち出すべきであるということが基本でございますけれども、詳細は避けますけれども、その中で情報セキュリティー政策の一層の充実を図るということで、この体制を整備しようと。二〇〇五年までに様々なウイルスとか不正アクセスとか攻撃とか、そういう被害を最小限にするための技術的ガイドラインの策定、専門的な監査の実施等を行うための体制を確立しようとか、あるいは実現のための方策として必要な法制度の検討を行うと、こういうことが載っております。
実は、それだけではなくて、私のところで実はセキュリティーというのは今後どういうふうにしたらいいかということについて、京都大学の長尾先生とか東大坂村先生、また東大におられて総務省におられた月尾先生、あるいは辻井先生、土居先生ほか何人もの専門家と協議をしてまいりました。
そこでは、国家が関与すべき問題と、その他の問題を分ける必要があるという強い御意見があり、セキュリティーも深さで分け、浅い部分には民間で任せ、IT戦略本部は深い部分を十分研究して政策に反映すべきであるというようなこともございますし、もちろんオープンソフトの問題も提起されており、また、セキュリティーの中心課題といたしまして、物的及び情報を含むセキュリティー全体の中心的組織を内閣官房に作る必要があるのではないか。独立専門機関で米国のFIPSのような基準を作る必要がある。本件は政府が主導権を取るべきである。情報セキュリティーについては情報センター、支援センター、研究センターを設置し、これらを連携させる。暗号理論とコンピューターサイエンスの両方が重要である。ただ、センターを作る場合、二十四時間戦う人が不足しておる。IT利用企業の意識も低い。侵入できたといっても事の重大さが理解できない。啓発を継続する必要がある等々。
本当に今真剣にこの検討が行われておりまして、現在、情報セキュリティー対策推進体制では情報セキュリティーの専門の担当の推進室がございますが、非常に手薄でございますので、防衛問題を含めて、この体制を来年度飛躍的に充実させ、もちろん民間部分、行政の部分、防衛の部分等に分かれていかなきゃなりませんし、またソフトウエアの開発等も取り組んでいかなきゃなりませんが、抜本的に今見直しておりますので、やや長くなりましたが、委員の御指摘のとおりでございますので、是非また御理解も賜り、お知恵も賜りたいと思います。
○小林温君
今、昨日のIT戦略本部の議論についてもお触れをいただきましたが、私も資料をいただきました。
こういう一文があるんです。情報セキュリティーの重要性を各個人が認識し、役割を担うという情報セキュリティー文化を定着させると。これは正に、先ほど来申し上げているように、個人がやはり自分に関するデータあるいは他人のデータに触るときにも、その自分の立場、役割をどう認識できるかということに懸かってくるという意味で、正にこの情報セキュリティー文化をこれから根付かせていただく上でIT戦略本部並びに細田大臣に負うところは大きいと思いますので、是非これからまたよろしくお願いしたいと思います。
今、情報セキュリティー対策推進室のお話にも触れていただきましたが、五名とか九名でやっているということでございます。
先ほど申し上げたアメリカのホームランドセキュリティーは、実は千人以上の体制でこういった部分のアメリカのナショナルポリシーを今作っているわけでございまして、この辺の体制の強化については是非もう早急に、これはまた片山総務大臣にもお願いしながら、内閣の重要課題として進めていただきたいと、こういうように思います。
そこで、国全体で、例えば国の中のセキュリティーということを考えた場合に、政府の部分もあります、それから先ほど来話題になっている地方公共団体もあります、民間もあります。これは私の私見でございますが、情報セキュリティーということを考えたときには、これはやっぱり地方分権という考え方はもしかするとなじまないんじゃないかという気がするわけでございます。
先ほど同僚議員からの議論にもありましたが、例えば国が、ある一定の指針を基に地方公共団体が例えばITの調達を行う、ここの部分にも実は大変な問題もあるわけでございますが、そのシステムの問題は、これから三位一体の地方の財政の問題、改革が進んでいけば、これは地方自治体が自分が損するだけでございますので構わないと思うんですが、少なくともセキュリティーの問題については、どこかに脆弱な部分があると、そこから侵入されるということがあって、これが官民問わず国全体のある意味では脅威になり得るわけでございます。
ですから、ネットワーク自体、あるいは端末情報は、これはもう地方分権でどんどんどんどん住民の方に近いところに置いていただいて結構なんですが、セキュリティーのレベルを確保するためのセキュリティーポリシーというものは、これはやっぱり国が正に危機管理の感覚を持っていただいてしっかりと体制を作り、そのポリシーを進めていっていただくということが必要だろうというふうに思います。この点について、細田大臣の御見解をいただければと思います。
○国務大臣(細田博之君)
おっしゃるとおりでございまして、セキュリティーのレベルというのは、低いところがあればそこから穴が空いて水が漏れてしまうわけでございますし、これから地方公共団体と国がそれぞれ別々に情報を処理しても何の得もないわけでございます。
国家の効率性ということから見ると、そういう問題があるわけでございますので、もちろんそこで個人の権利を守る、情報を守る、そういうことは必要でございますけれども、いかに効率的な政府を、地方公共団体の連携を実現するかということも大変大事でございますので、私はIT担当国務大臣でございますので、その点は是非配慮をし、かつ地方公共団体にも声を掛けていきたいと思いますが、この問題になりますと行政を管理するというお立場と地方自治を担当しておられるというお立場で大変総務大臣に、あるいは総務省に大きな役割がありますので、是非連携してやっていきたいと思っております。
○小林温君
先ほど同僚議員の質問で自治事務だからという話もあったわけでございますが、私は、先ほど申し上げましたように、セキュリティーに関しては、地方分権じゃなくて、是非これは中央集権型でしっかりと確保していただきたいと、こうお願いを申し上げるところでございます。
今の部分とも絡むんですが、片山大臣に、先ほどもお話に出ておりました総務省が実施した住基ネットのセキュリティーチェックの調査が行われたと。で、これ報道によりますと、三点満点で二・四八点、これ百点満点に直すと八十三点ぐらいだと思いますが、私、これ百点じゃないといけないという議論は、また最初の話に戻りますが、全く何も生まないと思うんです。仮に八十二点だとしたら、それをいかに百点に近づけていくかという努力をそのプロセスを追ってできるかということと、仮に何かが起きたときに、その被害を最小限に抑えるためにどういった対応がしっかりマニュアルとして整備されているかということが正にセキュリティー対策においては肝要な必要なことだろうというふうに思います。
そこで、大臣に、この先日行った住基ネットのセキュリティーチェックの結果についてどのように御評価をされているか。これを受けて、今後第二次稼働、これも繰り返しになりますが、間近でございますので、どういうふうに対応されているか、意気込みについてもお聞かせをいただければというふうに思います。
○国務大臣(片山虎之助君)
今、セキュリティーは地方分権より中央集権になじむと、こういう話ですね。まあセキュリティーを低くしようなんてだれも思わないでしょうね。セキュリティーは上の方がいいに決まっている。人間の健康と同じですよ。健康にしようと、嫌だ嫌だ、中にはおるのかな、大体私はいないと思うんで、ただ、そこでやり方なんですよ、小林委員。私は、知識的集権、権力的分権という議論があるんですよ。だから、正にセキュリティーなんかは知識的には集権をして、しかしそれでやるときは各地方に納得をさせて、それでやらせるんですよね、そこの権限で。そんなもの権限かどうかという議論ありますけれども。だから、大変重要なお話いただきましたんで、今後セキュリティーのレベルを上げるについて、いろいろよく検討をさせていただきたいと、こういうふうに思います。
それから、私は、このチェックの自己点検を更に再チェックするんですけれども、九割もいい点取ったと私は思っているんですよ。どんな試験でも九割が満点というのはいませんよ。だから、今正に小林委員が言われたように、その十分でない一割とか何割をどうやって引き上げるか、これをもう中心に検討していきたいと思います。詳細なあれを取っていますから、個別に指導していきたいと、こういうふうに思っております。
○小林温君
是非よろしくお願いします。
この個人情報保護法案の成立後、是非私は総務大臣にお願いしたいのは、例えば地方の公共団体のデータベースを管理する職員の方のレベルアップを図っていただくと。そのためには、これもまた自治事務だということもあるんですが、しっかり財政的な部分での措置についてもお考えをいただいて、ここ手厚くしていただくということが、やはり国でセキュリティーポリシーを使って、それをしっかりと地方公共団体で実現していくということにつながるというふうに思いますので、あらゆる手だてを是非御検討いただきたいと、財政的な部分についてもお願いをしたいと、こういうふうに思います。
次に、また情報セキュリティーの話でございますが、五月十四日の報道で、経済産業省で情報セキュリティー総合戦略を策定するという、こういう検討を開始したというふうに報道されておりましたが、このスタートの時点での問題意識について、これは経産省の方から御説明いただければというふうに思います。
○政府参考人(松井英生君)
お答えいたします。
現在、政府、自治体、企業、個人が各々の立場でITをその活動において不可欠な道具として利用するようになり、IT経済社会の浸透が急速に進んできております。一方で、情報漏えいやシステムへの不正侵入など、情報セキュリティーの脅威は増加し、各々の主体が漠然とした不安やリスクを認識していると、こういう状況にあると認識しております。
こうした中で、各々の主体がIT経済社会において最大限の活力を発揮できる、信頼できる情報経済基盤の確立が必要であるとの観点から、これまでの情報セキュリティー政策を総括し、今後政府としてどのような指針を示し、施策を遂行すべきかという全体戦略を示すことが必要であると考えております。
すなわち、ITが経済社会にとって必須なものとなった現在、ITのセキュリティー確保なくしては経済社会の健全な発展はあり得ないとの認識の下、政府、自治体、企業、個人に情報セキュリティー文化を定着させ、それぞれが果たすべき責任を明確にして、具体的施策を実施すべく、サイバーテロなどの危機管理的側面や情報の安全保障的側面も含め、情報セキュリティーに関するグランドデザインを国際的視野をも踏まえて構築することが必要であると考えております。
このような問題意識に基づいて、情報セキュリティー総合戦略の策定を進めている次第でございます。
○小林温君
是非、この総合戦略実現に向けてしっかりと進めていただきたいと思います。
それで、先ほど政府全体のセキュリティー対策、それから地方自治体のセキュリティー対策には御見解を両大臣からいただきましたが、例えば、今後、個人情報の取扱事業者となる例えば民間企業を例に取った場合、このセキュリティー対策というものも大変重要になってくるというふうに思うわけでございますし、また、ここにも仮に脆弱な部分があるとすれば、今後、国全体のセキュリティー戦略にも大きな影響を与えるというふうに思うわけでございます。
この点について、経済産業省さんとして、セキュリティー監査というようなこともこの議論の中でも何名かの委員の方から質問も出ておりますが、その辺の点も踏まえながら、企業に対する情報セキュリティー確保策ということについて御見解をお願いしたいと思います。
○政府参考人(松井英生君)
企業の情報セキュリティー対策を推進するためには、企業が情報セキュリティー対策を計画し、実行し、評価し、その評価結果に基づいた対応を行うというサイクル、すなわち情報セキュリティーマネジメントを確立することが重要でございます。
このような観点から、昨年四月より、財団法人日本情報処理開発協会に委託し、情報セキュリティーマネジメントに関する第三者認証制度であるISMS適合性評価制度を運用しております。現在まで約百四十の事業者がこの認証を取得しております。
また、本年四月に情報セキュリティー監査制度の運用を開始いたしました。これは、独立かつ専門的知識を有する専門家が企業等の情報セキュリティー対策を客観的に評価することを通じて、情報セキュリティー対策を継続的に改善するための制度であります。
当省といたしましては、今後とも、これらの制度等を通じて企業の情報セキュリティー対策を積極的に支援していく所存でございます。
○小林温君
いずれにいたしましても、正にこれは新しい文化を今後我々高度情報化ネットワーク社会において作っていくかという非常に大きな試み、あるいは取組であると思います。我々政治家の役割もしっかりと認識しながら、これからまた取り組んでいかなければいけないと思います。
大臣お二方始め委員の皆さんお疲れだと思いますので、時間を残して、これで質問を終了させていただきたいと思います。
ありがとうございました。