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国会発言録

[第155回 参議院 国際問題に関する調査会 2002年12月4日]

○小林温君

 今の大塚委員の質問とも関係しますが、やはり国際標準、標準化の問題をどう考えていくかということが日本にとってこのITの分野で大変大きな問題だろうというふうに思います。

 マイクロソフトに言及がありましたが、特にアメリカはデファクトとデジュールを使い分けて、デジュールが優位性を保てるような分野については、まず最初に国際規格を作ってそこで市場を広げていくと。逆に、マイクロソフトに代表されるデファクトで、先に技術を、技術というか製品自体をデファクト化させて、結果的に市場占有していくと。ある意味でいうと、この部分が今、日本にとって一番欠けている部分だと思うわけです。

 今お話にありました、じゃ、どの分野を戦略的に今後日本のその標準化の中で位置付けていくかという、先ほど来お話出ていますが、携帯電話と情報家電と、例えばIPv6ということはよく言われるわけですが、この点について、特にIPv6についてどのような戦略をお持ちで、これからどう展開していこうとされているのかということについて、総務省、経済産業省に是非お聞きをしたいと、こういうふうに思います。

 何でIPv6が重要かといいますと、一つには、まずアメリカが興味を持っていないと。アドレスの枯渇ということで、日本と中国が同じ環境下に置かれていて手を握れる可能性のある分野であると。かつ、日本が今技術的な優位性を持っているわけですね。ただ、例えばルーターのメーカー、シスコシステムズ始め、最近IPv6用のルーターの開発でかなり追っ掛けてきているというのも事実だと思いますが、こんなところにも御言及いただければ。

 今日は財務省、外務省もいらっしゃいますので、中国に対するODAですが、いろいろ批判があるわけでございます。今後、戦略的にODAを考えていく中で、このIPv6に関する技術供与を含めた様々なことを特別に、今の枠組みの中で実は難しいということも役所の方からお聞きしていますが、位置付けて、IPv6に関して中国とのODAの中で積極的なお取組をいただけないかと。外務省の方ですね。

 財務省におかれましては、是非、このODAだけに限らず、予算措置においても、やっぱりIPv6、日本の今かなり負けそうな部分をひっくり返す一発逆転の数少ない弾であると思いますので、関連予算については最大限の是非御配慮をいただきたいと、こういうふうにお願いを申し上げるところでございます。

○政府参考人(月尾嘉男君)

 まず、標準のことについて少し補足させていただきますけれども、従来、今御質問ございましたデファクトスタンダードとデジュールスタンダードでありますが、最近フォーラムスタンダードという方式が非常に強い力を持つようになっております。分かりやすく言えば、業界が一種の相談しながら決めるというものです。それで、日本も今、少なくとも総務省としてはデファクトスタンダードをやるのはなかなか難しい状況なので、フォーラムスタンダードを支援していくということをやりたいというふうに考えております。

 IPv6については、そういう点で、もう重要性は御指摘いただきましたので説明しませんが、大変重要なことですが、今、一つは、プラットフォームをコンピューターから情報家電に変えるということがIPv6を推進するのに有利ではないかというふうに考えております。コンピューターでやりますと、どうしても、CPUがインテルであるとかソフトウエアの基幹部分がマイクロソフトであるとかということになりまして、アメリカの影響力が非常に強いと。情報家電に移しまして、先ほど経済産業省からも少し説明がありましたが、新しいOSを組み込み、なおかつそれの通信方式をIPv6にするということで、従来と少し、断絶とは申し上げられませんが、少し違う路線で新しい技術開発ができるだろうということで、それを今検討しております。

 それからもう一点は、なるべく早く国際的にスタンダードになるということを目指して、今、二国間でいろいろな協力をしておりまして、先ほども申し上げましたが、中国とはこのIPv6について既に実験レベルまで進んでおります。それから、韓国ともやるというようなことになっておりまして、先ほど森元委員が御指摘されましたような、近いところから固めろという方針で今IPv6を何とか逆転の手段にできないかという政策を検討しておるところでございます。

○大臣政務官(桜田義孝君)

 財務省と一緒に、松井審議官の方からお話しさせていただきます。

○政府参考人(松井英生君)

 IPv6で、アメリカは確かにアドレスが現在のバージョン4で十分に足りているということで、従来は関心がなかったわけでございますけれども、つい先日、大統領補佐官が私のところにいらっしゃいまして、やはりアメリカ最大の関心はセキュリティーでございます。このセキュリティーの観点でバージョン6の方が極めてセキュリティーレベルが高いということで、アメリカ政府もバージョン4とバージョン6を並列させようと。つまり、セキュリティーが必要なところについてはIPv6にするというようなことを検討し始めたという話がございました。

 我が国のIPv6につきましては、今、先生御指摘のとおり、中国との間で共同研究開発を実施すると、こういうことになっておりまして、二〇〇二年度から三年間計画で北京、上海、広州の三都市を結ぶ試験網を構築して、そこで技術研究を共同して実施をし日本の試験網と接続すると、こういうことで今進んでおります。

 予算につきましては、一応財務省の方に十四年度予算は六億五千万円いただいております。十五年度要求につきましては今要求中で、やはり十四年度と同額程度のものは是非お願いしたいと、こういうことで今鋭意お願いをしているところでございます。

 いずれにせよ、我が国といたしましても、ここの新しいIPv6ができますれば、NEC、富士通、日立等々が関係のルーター等々の設備開発並びに設備の販売増と、こういうことにもつながりますので、我が国としても今積極的に中国との協力を進めておるところでございます。

 以上でございます。

○大臣政務官(日出英輔君)

 ちょっとよろしいでしょうか。

 今のIPv6に関する日中協力の話で、総務省の方からも、また経済産業省の方からも共同研究開発の話が出ました。これから先の話について小林先生の方からODAの話にお触れになったんだろうと思います。どうもすぐにこれをODAで更に裏打ちし推進していくということは、今のところ考えられていないという話でございます。そういう意味でいえば、この共同研究開発の成果をそれぞれの国がどう利用していくか、どう普及していくかというところで、とどまるべきものではないかというふうに考えているようであります。

○会長(関谷勝嗣君)

 ありがとうございました。